よくある日本語文法質問FAQ

会員向け日本語文法よくある質問

日本語レッスンで学生から思いもしなかった文法の質問をうけることがあります。
このコーナーでは日本語学習者からのよくある質問とその回答をまとめてみました。

※文法の質問をする ボタンから送信できない場合は、お問い合わせからお送りください。

※メールでお返事します。追加の質問はご遠慮ください。

日本語初級文法についての質問

「知る」「わかる」は、動作をする前提がありません。性質上「ある」「いる」などの継続的な状態を表す動詞と似ています。よって否定の時は「知らない」「わからない」「ない」「いない」となります。

ただし、「わかっていない」は状況によっては使います。例2のような場合です。

例1 A:英語、わかる? B:わからない。(状態、能力)

例2 A:さっきも説明したよね?わかってる? B:すみません、実は全然わかっていません。(説明の結果)

名詞を使う場合は以下のことを分けて考えるといいでしょう。

1 「保証人は日本人である」という叙述用法の場合

a  保証人は日本人でなくてはならない。

b  保証人は日本人でなければならない。

aとbにはほぼ違いはありませんし、どちらも違和感はないでしょう。

2 「不可欠ななもの」という意味の慣用表現として使っている場合

a 水は人間にとってなくてはならないものだ。

b  水は人間にとってなければならないものだ。

ほとんどの日本人がaを選ぶはずです。bも文法的な間違いはありませんが、日本語ネイティブがほぼ使わない言い回しです。

英語で自分を表す言葉は”I“だけですが、日本語には自分を表す言葉がたくさんあります。

特に男性の場合、バリエーションが多いのが特徴です。

例えば・・・

「私」上司や取引先の前で使用。フォーマルできちんとした印象。

「俺」家族や友達、同僚の前で使用。カジュアルで男らしい印象。

「僕」仲の良い先輩や上司の前で使用。「俺」よりソフトな印象。

「自分」上下関係がしっかりしている職場やクラブなどで使用。礼儀正しい印象。

このように、日本人は自分を呼ぶとき、相手や場面によって使い分けています。この呼び方で相手との関係性もわかります。

一人称は自分の印象を左右するので、意識的に使い分けている人も少なくありません。

詳しい説明はブログ記事 日本語の一人称「ぼく」「俺」「私」へどうぞ。

英語で学習者に説明したい方はこちらの記事へ。

「知りません」も「わかりません」も英語では“I don’t know.”ですが、日本語の場合、使い分けが必要です。次の例文を見てみましょう。この学生の返事、ちょっと冷たい感じがしませんか。

先生:週末何をしますか。

学生:まだ、知りません。(×)

この場合は自分の予定なので、未定の場合は「わかりません」のほうが良いです。自分のことを答えるときは「わかりません」を使うことが多く、自分以外のことを答えるときは「知りません」を使うことが多いようです。

A:Bさんの連絡先、知ってる?

B:ごめん。今、手帳がないので、知らないな。(×)

この場合も「わからない」のほうが良いです。ちなみに、「知る」はあることについての知識や情報を得るという意味で、「知っている」は「知った」結果、それを所有しているということを表します。

「知っている」けど、今は調べる方法がなくて、その知識や情報をきちんと把握できない場合は「わからない」を使います。

 

詳細はブログ記事「わかりません」と「知りません」はどう違う?

英語で学習者に説明したい方はこちらの記事をどうぞ。

誘いの「~ませんか」と「~ましょうか」は使う場面も似ており、意味や使い方の違いがわかりにくいですね。

基本的には下記の違いがあるといえます。

ーませんか は相手が初めて聞く・前提のない提案や誘いに使う
ーましょうか は2人が一緒にすごす、それをする了解がすでにある場合に使う

ーーーー

 

A:  明日一緒に映画をみませんか? – ①

B:     いいですね!みましょう。

A:      どこでみましょうか。 ②

B:      渋谷はどうですか?

A: いいですね!

ーーーーーーーーーーー
映画を見終わって
A: 面白かったですね。おなかがすきましたね。

B: そうですね。何か食べましょうか。③

A:    そうですね。何を食べましょうか。。。④
新しくできた、寿司の食べ放題の店にいってみませんか? ⑤

B:     いいですね。そうしましょう!
ーーーー

①、⑤は、相手にとって新しい提案であるため、ーませんか
②、③、④はある程度一緒に過ごすことや、それをする了解があるためーませんかを使っています。

これが間違えるとどうでしょうか。

「来週、映画を見にいきましょうか。」

お付き合いをしていて週末は一緒にすごすなどの前提がある場合はOKですが、初めて誘う相手に対しては「自分と一緒に過ごす前提がある」というように伝わり少し厚かましいような印象になってしまうので気をつけましょう。

初級の学習者によく聞かれる質問に「得意」と「上手」はどう違うのか、というものがあります。

得意や苦手がそれがよくできるという「本人の意識」を表し、上手や下手はその技術の良し悪しを客観的に言い表していると言えます。

△ 私は料理が上手です。→ ○ 私は料理が得意です。

○ 私は料理が下手です。 ○ 私は料理が苦手です。

△ メアリーさんは料理が得意です(だそうです)

○ メアリーさんは料理が上手です。

△ メアリーさんは料理が苦手です(だそうです)

○ メアリーさんは料理が下手です。

他人のことを言うときには「得意」、「上手」ともに用いることが可能ですが、「上手」を使った方がほめている感じがしますね。

自分の技能(サッカー、バスケなどのスポーツ、ギターやピアノ、日本語や料理)について述べるときは「得意」を使うことが多いですね。

「私は料理が上手です」は文法的には問題はありませんが、ちょっと厚かましい感じがしますね。

また「メアリーさんは料理が下手です」も文法的には問題ありませんが、相手への配慮からあまり使わないことが多いでしょう。

余談となりますがこのように日本語では社会的な配慮が言葉の使い方に大きく影響します。

レッスンの中で気になる表現がある場合は、何が原因なのか考えてみるとよいでしょう。

続きはブログ記事「得意と上手は同じ?違う?」へどうぞ。

学生さんは「たくさん勉強するつもりである」ということを言いたくて「も」を使ったのですね。

文法的には間違いではないですが、あまりこのような言い方はしません。

多い、長いということを強調する「も」は意外な状況や結果など自分でコントロールできない場合に使います。未来の自分のアクションをいうときにはあまり使いません。

A:12時間も寝ました。
B:ええ!12時間も寝たんですか?

A:宿題が8枚もある~(先生が決めた量)

「多い」は使い方がちょっと特殊な形容詞です。
文中で+名詞の形で使用するときは「雨が多い町」「休みが多い学生」のように、いつもその前に情報(主題)が必要です。

初級のときは形容詞として導入する時に、「多い」だけでなく

人が多い
車が多い

など主題と一緒に導入をするのがよいと思います。

もっと詳しく知りたい方はブログ記事「多い人」「多い雨」とはなぜ言えないのかへどうぞ

まずは基本的な意味と使い方の違いを紹介します。

「そうです」は見てすぐの印象だけで話す場合。
形容詞と動詞現在しか使えない。動詞は今すぐに起こりそうなことに使う。
動詞の過去形とは使わない。

ex) あの人が書いたそう -NG

「みたい」五感から得た情報をもとに、たぶんこうではないかと頭を使って予想するときに使う。だから見てすぐの物には使えない。
動詞の過去形とも使う

ex) あの人が書いたみたいにみえる

もっと詳しく知りたい方はブログ記事「そうです」と「みたいです」へ。

基本的に「は」「が」「を」は飛ばしても意味がわかるのですが、「で」や「に」は飛ばすと変です。

〇 私、ごはん 食べます (私は ごはんを 食べます)
×   私、レストラン 食べます (私は、レストランを食べます??)

〇   私 映画の時間 調べるね (私は映画の時間を調べるね)
×  私 映画の時間 スマホ 調べるね (私はスマホと映画の時間を調べます??)

「に」は、グレーゾーン
〇 よく渋谷 行く? (よく渋谷に行く)
〇 いす、座る?
× 友だち 会う?
× 12時 ごはん食べる

詳しくはブログ記事、助詞の省略についてへどうぞ

「なん」と読むのは
①後ろに「ですか」がくる「何ですか」の形
②後ろに助詞「と」「の」を伴う場合
何と言っていましたか?
何の本ですか?
③何回/階、何人など数を伴う場合と「何曜日」

「なに」と読むのは
①「何を食べますか」「何が好きですか」「何も買いませんでした」のように後ろに「を」「が」「も」などの助詞が来る場合
③「何色」「(電車の)何線」のように種類を問う場合
④相手の言ったことが聞こえず聞き返すときの「何(なん)ですか」のカジュアルバージョンは「何(なに)?」

どちらにもなる場合
「何か」「何に」のようにフォーマルな時は「なに」、カジュアルなときは「なん」と発音する

このケースではどちらでも使いますというお答えでいいかと思います。

「お願いします」はサービスを頼むとき、ものを注文する時の両方に使います。

「ください」はものを注文するときにしか使えません。

X 禁煙席、ください
X お会計、ください

ですから、お願いしますの方が幅広く使うことができます。

もっと詳しく知りたい方はブログ記事「お願いします」と「ください」は同じ?違う?へ。

場所や、ポイントという意味で使いますが、単独で使わないというのが特徴です。
前にいつも形容詞か名詞、連体修飾をつけて使います。

×「ところはどこですか」
〇「住んでいるところはどこですか」
〇「東京で面白いところはどこですか」
〇「友だちのところに行きます」

ちなみに「どんなところが好きですか」という質問の「どんなところ」は場所でなく、ポイントを表しますね。英語ではWhyと訳されることが多いようです。

人が物を自動詞、物が他動詞という説明が正しいかどうかという質問ですね。

を格の目的語をとる動詞を他動詞といいます。

A(主語)が B(目的語)を他動詞
B    が 自動詞   (Bが主語になる)

確かに下の例のように、Aには人、Bにはものが入ることが多いです。
例)
わたし(A)がドア(B)を あける
ドア(B)が あく

が、たとえばBに人が入るケースもあります。

親が子どもを育てる
子どもが育つ

母がこどもを風呂に入れる
子供が風呂に入る

他動詞は文の構造としてを格の目的語をとるかどうかで判断するのがいいでしょう。(自動詞で助詞の「を」をとるケースもあるので注意)

詳しくはこちらの自動詞・他動詞についての記事を参照ください。

クラスで「もうレポートは終わりましたか」と聞いたら、「いいえ、まだ終わりませんでした」という答えが返ってきたことはありませんか。

この答え方、よく初級の学習者から出てきますね。おそらくその学習者は「~ましたか」に対して否定なら「~ませんでした」と答える習慣があるので、「終わりませんでした」と言ったのでしょう。

「昨日、レポートをしましたか」「いいえ、しませんでした」は、過去のある時点についての応答としては適当です。

でも、「もうレポートは終わりましたか」「もうレポートをしましたか」は現在の状況についての質問ですから「~ませんでした」という答えは不適切です。

動作やイベントがまだ終わっていないことを言う時は、「いいえ、まだ終わっていません」「いいえ、まだしていません」となります。

「すぐ」も「もうすぐ」もどちらも時間が短いことを表す言葉です。

でも、「すぐ行きます」と「もうすぐ行きます」は、ニュアンスが違いますね。「すぐ行きます」のほうが時間的により早いような印象を受けます。何が違うのでしょう。この場合、「もうすぐ」は話し手の状態を表し、「すぐ」は話し手の意思を表しているので、このようなニュアンスの違いが生まれてきます。

次に、基準の時点に注目して、例文を見てみましょう。

例1:もうすぐ夏休みですね。

例2:この電車は、もうすぐ東京駅に着きます。

これらは発話した「今」が基準となりますね。「今からそう遠くない時期に夏休みがくる」と言うニュアンスがあります。また、「もうすぐ夏休みだ」「もうすぐ母の誕生日だ」のように、すでに時期が決まっているもの、予定されている行事などについて言う場合は「もうすぐ」が使われます。

例3:試験が終わると、すぐ夏休みだ。

例4:沸騰したら、すぐ火を止めてください。

例5:薬を飲んだら、すぐ頭痛が治った。

例3〜5は「試験が終わるとき」「沸騰したとき」「薬を飲んだとき」が基準の時点です。このように、ある基準から次の変化への時間の短さを表わすときは「すぐ」が使われます。

ということで、ある事柄が短時間のうちに起こるという発話時点の状態を表わす場合は「もうすぐ」、ある時点からことが起こるまでの時間が短いことだけを表わす場合は「すぐ」ということになります。

「先生、今学期の授業、とてもうれしかったです。」と学生に言われて、「ん?」と思ったことはありませんか。

「うれしい」「たのしい」は初級のわりと早い段階で学ぶことばですが、使い分けはけっこう難しいですね。

「うれしい」は一時的に湧き上がる感情を表すとき、「たのしい」は継続する感情を表すときに使います。したがって、例文の場合、今学期という期間がたのしかったということになるので、「先生、今学期の授業、とてもたのしかったです。」となります。

一方で、「10年ぶりに先生に会えて、うれしかった。」この場合は、先生に会ったという出来事に対して感じている一時的な感情なので「うれしい」を使います。「たのしかった」を使うことはできません。

もっと詳しく知りたい方はブログ記事 「うれしい」と「たのしい」はどんな時、どう使うの?

「~ています」と「~てあります」の違いはよく学習者から出る質問の一つですね。

例えば、「窓が開いている」と「窓が開けてある」という文章。

この2文はどちらも事実は同じで、同じ状態を述べています。

 

しかし、「~てあります」は何かしらの意図をもって何かを行うことを表し、

「~ています」はその意図をもたずに何かを行うことを表します。

 

したがって、「窓が開けてある」には「誰かが何らかの目的で窓を開けた」

というニュアンスが含まれていて、いつもその状態になっていると言えます。

 

一方、「窓が開いている」 にはそのようなニュアンスはありません。

なので、それを見た人は「窓が開いている」のを見て、「えー誰が開けたの?寒いじゃない。」とか

「あら、危ないわ。泥棒が入ったらどうするの?」などと思うことがあるのです。

 

ただ、初級の学習者にこのような説明をすると、かえって混乱させてしまう可能性があります。

「~てあります」はいつも、「~ています」は今だけと伝え、例文をたくさん紹介し理解を促すと良いかもしれません。

 

<クイズ>

  1. メアリーさん、カバンが[ 開いています・開けてあります ]よ。

2. この問題の答えは50ページに[ 書いています・書いてあります ]よ。

3. あれ、スカートが[ 汚れています・汚れてあります ]ね。

「どうしてこの場合は「は」なのに、このときは「が」なんですか。」

日本語を教えていると、全てのレベルの学習者に必ず聞かれる質問ですね。使い分けの全てを伝えると、逆に混乱を招いてしまうので、学習者のレベルに応じた説明が必要です。

初級の段階なら、「い形容詞文・な形容詞文・名詞文の中では原則として『は』を使う」「動詞文のときは「が」を使う」と説明してもいいでしょう。

「赤ちゃんはかわいい」「山田さんはハンサムだ」「田中さんは日本人だ」「ドアが開いています」

しかし、学習者のレベルが上がってくると、もう少し詳しい説明が必要になってきます。とっさの質問に答えられるように、「は」と「が」の基本的な使い分けについて一度体系的に整理しておくと良いでしょう。

詳しくはブログ記事 「は」と「が」の使い分け

「本日はお越しいただき、ありがとうございます」「本日はお越しいただき、ありがとうございました」

どちらも同じように使いますか?それとも、何か使い分けがありますか?ニュアンスが違いますか。

このような質問をたびたび受けることがあります。

たしかに、例の場合はどちらも使えます。文法的にも正しい文です。ただ、ニュアンスは少し異なります。

 

もう一つ、例文をみてみましょう。

A「お誕生日、おめでとう」B「ありがとうございます」○「ありがとうございました」×

この場合、「ありがとうございました」とは言いません。なぜでしょうか。

 

詳しい記事はこちらまで

「彼は親切な人です」「彼はいい人です」この2つの文をくっつけると、a「彼は親切で、いい人です」b「彼は良くて、親切な人です」という2通りの文ができます。でも、bのような言い方はおかしいですね。なぜ、aのようにしか言えないのでしょう。

次の2つの例文を見てみましょう。

例1

a.彼は親切で、いい人です。

b.彼は良くて、親切な人です。(?)

例2 「カバンが見つからないんですか。どんなカバンですか。」

a.「大きくて黒いカバンです。」

b.「黒くて大きいカバンです。」

例2は、aもbもかばんの特徴を表しており、その関係は並列です。この場合「大きい」「黒い」の順番は前でも後ろでもかまいません。

例1の「親切」と「いい」の関係はどうでしょうか。どちらも彼の特徴を表していますが、「いい」は総評的で何がいいのかよくわかりません。

2つの形容詞をつなぐ場合、狭い意味の形容詞と広い意味の形容詞があるときは、狭いものから先にいうのが自然です。

もし「いい」を先に使う場合には、狭い意味の形容詞にするために「性格が良くて、親切です」「頭が良くて、親切です」などと意味を狭めると2つの形容詞のバランスをとることができます。

さらに詳しい説明はブログ記事をどうぞ

初級のクラスで、「〜するのが好きです」と「〜することが好きです」の違いはなんですかと聞かれることがありませんか?

「の」と「こと」は動詞を名詞化する働きがあります。

・漢字を覚える(こと/の)は難しい。
・彼は朝早く起きる(こと/の)が苦手だ。

このように、基本的に「の」と「こと」はどちらも使えますが、条件によってどちらか一方しか使えない場合があります。

例えば、「です・だ・である」の前は「こと」しか使えません。

・私の趣味は絵を書く(○こと/ ×の)だ。

また、「見る・見える・聞く・聞こえる」の前は「の」しか使えません。

・さっき、田中さんが出ていく(×こと/ ○の)を見たよ。

つづきはブログ記事

日本語の文章は主語がよく省略されます。だいたいどの初級のテキストでも最初のページに

「メアリーです。イギリス人です。学生です。どうぞよろしく。」

と、いきなり主語が省略された文がでてきます。わざわざ「わたしはメアリーです」とは言いません。
また、相手を確認する時も「田中さんですか」とは聞きますが、「あなたは田中さんですか」とは言いません。
ちょっと大げさな感じがしますね。

日本語の文では「わたし」や「あなた」など言わなくても、誰の話をしているかわかる場合は省略します。
質問に答える際も、重複する情報は言わなくてもいいと伝えれば、これから出てくる動詞文の疑問を扱うときなども理解がスムーズにいくでしょう。

日本語の主語の省略について詳しい記事はこちらまで

一時期、日本語の乱れの象徴として叩かれましたが、ダメじゃないですね。

文化庁の調査でもありましたが、「ら抜き言葉」をつかう人はもはや多数派です。

 

この「ら抜き言葉」、私たち日本語教師の間では「理由のある現象」です。学習者に「ら抜き言葉」で質問されたときはこのように例文を挙げて説明しています。

例えば、この3文を見てください。

①ネズミがネコに食べられる。

②社長が朝食を食べられる。

③私はパクチーが食べられる。

この「~られる」という言い方は、可能表現と尊敬表現の両方で使われる少々厄介なものなのです。もちろん、助詞で用法の区別もつきますが・・・

ちなみに、①は受け身、②は尊敬表現、③は可能表現です。

 

「見られる」、「食べられる」のように「ら」がある動詞では、それが可能表現か、尊敬表現かの区別がつかないので、その区別を付けるために可能のとき「ら」の脱落が起きています。

日本語を勉強する外国人にとっては「食べれる」は「ら」がないから可能表現だとなれば、分かりやすいのではないかと思います。

同じではありません。「普通体」と「普通形」はまったく異なる概念です。

名前がとても似ているので、ときどき使い分けがわからなくなったりするかもしれませんね。

普通体は「丁寧かどうか」で文体に関わるものです。

普通形は文中で使われる動詞・い形容詞・な形容詞・名詞などの形に関わるもので、「丁寧かどうか」は関係ありません。

それでは、具体的に2つの違いについて見ていきましょう。

つづきはこちらの文法ブログからどうぞ 「普通体」と「普通形」は同じもの

よく学習者からこのような質問をされます。

「電車が遅れたので、遅刻しました」と
「電車が遅れたから、遅刻しました」は同じですか?

多くのテキストは「ますform+から」を最初に扱っています。普通形を習ったあと「普通形+ので」を紹介するというのが一般的ですね。すると、「~ので」も「~から」も同じ機能じゃないの?どこが違うの??となり、このような質問が出てきます。

「~ので、」と「~から、」はどちらも原因や理由を言うときに使う言葉です。

「~ので、」のほうが丁寧に感じる? 書き言葉の時は「~ので、」を使う?感覚的にそんな感じ、と日本人なら思うかもしれませんね。

でも、私たちは日本語教師ですから、なんとなくの感覚だと教えることができません。なぜそのように感じるのか一緒に考えてみましょう。

つづきはこちらの記事をご覧ください。

初級の学習者によく聞かれる質問に「得意」と「上手」はどう使い分けるのかというものがあります。これは、どちらも能力が優れていることを表す言葉です。特に、英語話者の場合、訳してしまうとどちらも”be good at”ですので、同じだと思ってしまうようです。

まずは、自分のことを述べる文から見てみましょう。前者の文はなぜ違和感を感じるのでしょうか。

「私は料理が上手です。」(文法的にはOKですが、なんだかちょっと厚かましいですね・・・)⇨○「私は料理が得意だ。」

次に、他人について述べる文を見てみます。

○「彼は料理が上手だ。」○「彼は料理が得意だ。」

こちらはどちらも問題がなさそうですね。というわけで、「上手」は自分に対して使うことができません。

 

△「リンさん、料理が得意ですね」○「リンさん、料理が上手ですね」

他人を褒めるときは「上手」の方がしっくりきます。

>>>つづきはこちらのブログ記事からどうぞ。「得意」と「上手」は同じ?違う?

 

 

 

 

先日、こんな質問がありました。

A:最近の子どもはあまり本を読まないと思います。

B:わたしも(a.そう思います b.そうだと思います)。

答えaなのですが、bは間違いだと言い切れるでしょうか?bも使えるような気がするんですが。
という内容です。

やはりbは違和感がありますね。
「そうだと思います」は名詞句およびYes/No疑問文に対する答えを受けるものだと思います。
一方、「そう」は前述のセンテンス全体を受けています。

この質問に関して、ユニークな回答をしていた先生の例文をご紹介します。
Q:1+2は?
A:3じゃない?
B:はい、僕もそうだと思います。・・・私は「◯◯は/が~だ」と思う。
A:簡単じゃない??
B:はい、僕もそう思います。・・・(あなたが思っているように)私もそのように思う。

このように学習者に例文で提示すると理解してもらえるのではないでしょうか。

Q:「店に入ってほしくない」と「店に入らないでほしい」だと「ないで欲しい」のほうが、なんとなく強く感じますが、この二つには何か違いがありますか。

A:「~ないでほしい」は「~しないでください」の依頼表現で、「~てほしくない」は聞き手のとった行動に対する非難する場合、または自分の望みを述べる場合に使います。

店に入ってほしくない。→非難
店に入らないでほしい。→依頼

<例文>

「〜てほしくない」子供には悪い子に育ってほしくない

「〜ないでほしい」このことは誰にも言わないでほしい。

「〜てほしくない」は自分の気持ちにフォーカスしていて、「〜ないでほしい!」は相手の行動にフォーカスしているとも言えるのではないでしょうか。「〜てほしくない」という気持ちがあるから「〜ないでほしい」と要求できると覚えておくと良いかもしれません。

 

Q:『げんき』の例文で「山下先生はあした大学に来ないつもりです」という第三者の文がありました。「つもりだ」は第三者の場合も使えるのでしょうか。

A:間違いではありません。

ただ、第三者の意志というものは、ふつう本人以外にはわからないものですよね。第三者の意志がはっきりとわかっている場合に限り、、、という条件付きで使えます。

第三者が使えたとしても、やはり一般的には「つもりだ」は話し手の個人的な意志(計画や予定など)を表す時に使われます。

もっと自然な文で言うのであれば、「山下先生はあした大学に来ないつもりだと言っていました」とか「山下先生はあした大学に来ないつもりのようです」にしたほうがいいでしょう。

教科書に載っていたとしても、やはり混乱を避けるために、初級の段階では「~つもりです」は自分の意志表現として教えたほうがいいですね。

Q:目上の人に「ほしいですか?」「~たいですか?」と聞くのは失礼ですか。

A:はい、失礼にあたりますね。

「~ほしいですか」「~たいですか」は、友だち同士なら使えますが、目上の人や親しくない人には使えません。

例えば、

友達同士の会話で「ランチ、何食べたい?」「そうだね。パスタかな。」

これは問題ありませんね。でも、

上司との会話で「あそこのパスタ美味しいんですよ。〇〇部長も食べたいですか。」

これは失礼です。たとえ、「〇〇部長も召し上がりたいですか」と尊敬語を使ったとしてもNGです。

日本語では目上の人に直接希望を聞かないのがマナーです。

それなら、このケースの場合どうやって聞くのか。

「〇〇部長もいかがですか。」のように聞くのがベストです。

Q「ラーメンが食べたい」と「ラーメンを食べたい」とでは、どちらが正しいのでしょうか。
A:これはどちらが正しいと一概には言えませんね。どちらも正しいです。
テキストは「が」が主流ですが、最近の調査・研究では「が」より「を」を使う方が多いという結果が出ているようですね。

ただ、「水が飲みたい」のような単純な文の場合には「が」が使われる傾向があります。「食べる」「飲む」といった日常的によく使う動詞は「が」の方が自然です。

また、「これだ」という意味を表現したいときは排他性の強い「が」を使う方が自然です。どちらも使える場合「が」のほうが、それはほかでもなく「ラーメン」「水」だというニュアンスが出ます。

日本語中級文法についての質問

例えば、「飲み物は足りていますか」という質問に対して
「とりあえず足りています」
「今のところ足りています」
確かにどちらでも同じような意味になります。

どちらも使える場合と、どちらかしか使えない場合があります。
「何か質問がありますか」に対して「とりあえず大丈夫です」でも「今のところ大丈夫です」でもいいでしょう。

しかし、「とりあえず」はもともと「とるものもとりあえず」、つまり急いでいるニュアンスがあります。

ですから「田舎の父が倒れたという知らせがあって、詳細はわからないがとりあえず東京駅に向かった」というとき、「いまのところ」はおかしいです。

弟は昼過ぎにでかけたまま帰ってきません
弟は昼過ぎにでかけたきり帰ってきません

確かにこのような分では「まま」と「きり」は同じように使えますね。

しかし基本的な意味は違います。「~まま」はその状態が続いており、「~きり」はそのあとしていないということです。

「靴を履いたまま入ってください」は履いた状態が続くということです。 「この靴、1回履いたきりだ」は、1回履いて、そのあと今まで履かなかったということです。 「彼は5年前から連絡がとれないままだ」「彼とは5年前に一度連絡したきりだ」というように使い分けもできます うまく図示すると伝わるでしょう。

「疲れて、立つことすらできない」
「疲れて、立つことさえできない」
確かにこのようなケースではいずれも使うことができますね。

「お金さえ払えば、誰でも入会できるよ」このパターンでは、「すら」は使えません。

「すら」は主に後ろの節に、ネガティブな要素が来る時に使い、対象をすこし低く見るようなニュアンスが含まれます。「さえ」はネガティブな場合、だけでなく、「〜さえ、〜ば」のように「ば」と一緒に使ってポジティブな文脈にも使うことができます。

○彼はまだひらがなさえよめない。
○彼はまだひらがなすらよめない
○ひらがなさえ読めれば、簡単な作業を手伝ってもらえる
×  ひらがなすら読めれば、簡単な作業を手伝ってもらえる

「冷める」は熱いものが常温になることです。
ホットコーヒーが冷める、ラーメンが冷める、というとき使います。

「冷える」は常温のものが冷たくなることです。冷蔵庫のビールが冷えている、冷えたスイカ、などです。

中級以上なら「愛が冷める」「肝が冷えた」などの抽象語彙や慣用表現も紹介できます。

どちらも形容詞を名詞化する表現ですね。
「~さ」というのはその程度がどれぐらいかということを表す文脈で使います。

使い方として多いのは「長さが足りない」「辛さのレベルはどれぐらい?」、大きさ、高さ、などほとんどの形容詞と一緒に幅広く使用されます。

一方で「~み」はその存在自体や、それがあるかどうかを伝える文脈で使います。「痛みがある」「うまみがない」「厚みがある」など、一緒に使う形容詞もかぎられています

これらは相互の入れ替えができるものもありますが、話者がフォーカスしたいことや話者の希望どおりにならなかったことには使えないものなど違いがあります。

「やっと」はここに至るまでが長かった、辛かったということにフォーカスしています。話者が望んでいた結果にのみ使えます。

〇何度も挑戦して、やっと合格できた
✕長い間通院していた祖父がやっと入院することになりました
→「努力して待ち望んでいた結果が手に入った」

「ついに」は期待されていた「大きな出来事でがおこる」ことにフォーカスしています。話者が望んでいたことにも臨んでいなかったことにも使えます。
〇何度も挑戦して、ついに合格できた
〇長い間通院していたがついに入院することになりました
→「起こるとおもわれていたあの出来事がついに」
「とうとう」はここに至るまでが長かったということにフォーカスしています。
話者が望んでいたことにも臨んでいなかったことにも使えます。

〇何度も挑戦して、とうとう合格した
〇長い間通院していた祖父がとうとう入院することになりました
→「長い長い時間をへて」

文章を読んでいる途中で、「先生、<~と> と <~たら> は何がちがいますか?」なんて急に聞かれたら焦っちゃいますね。

こんなとき、講師がしっかり理解していないと答えられません。

 

<例文> ボタンを押す、コーヒーがでます。

後件の文が起こるかどうかは、前件の文の事態が起こるかどうかにかかっています。

そういった関係を表す文を「条件表現」と言います。

条件表現は教師にとっても、学習者にとっても難しい項目です。

 

詳しい「と・ば・たら」の使い分けについてはブログ記事をご覧ください。

Q:「食事を問わず、何でも食べました」「野菜を問わず、何でも食べました」という文が学生から出てきました。なぜこの文はおかしいのでしょうか。

A:「食事の内容を問わず」「野菜の種類を問わず」であれば問題ありません。「を問わず」は野菜や食事など実体のあるものと一緒に使うと違和感があります。

学生には「を問わず」は限られた語彙としか使われないと説明をしておくと、誤用が防げるかもしれませんね。よく使われる単語が決まっていますので、いくつか覚えておくといいと思います。

例えば、経験 、 年齢、 性別 、 学歴、 国籍 、 天候、場所、季節など抽象的なものと、男女、昼夜、有無、大小などの対立関係にある言葉です。

【接続】名詞[辞書形]+を問わず   【意味】〜に関係なく