助詞の省略について

助詞の省略について

日本語ではとくにカジュアルな会話の場合、助詞が省略されることが多々あります。むしろ助詞を抜いて話したほうがより自然でリズミカルに聞こえるなんてこと、ありますね。

「あれ、日本人 助詞 省略してるじゃん!あんなに大切って言っていたのに!!」

学習者は比較的早い段階でこの事実に気がつきます・・・笑 カジュアル・スピーチを紹介するとき、やはりここは無視できない存在です。(どの程度どう扱うかは先生次第。学習者次第とも言えるかも。ここで「助詞の省略に関する取り扱い方」、ご自身のポリシーみたいなものを一度考えておくことをオススメします)

ちなみに、助詞が省略できるのは会話文においてのみで、書き言葉では省略できません。

あした、私 母一緒誕生日ケーキ 作る約束 あるから、映画 行けないわ。来週の土曜 どう?

ただ、会話文でも上の例文のように省略できる助詞と省略できない助詞があります。どんな助詞が抜けていますか。ルールがあるのなら、ちゃんと伝えなければなりませんね。

それでは早速、どんな助詞が省略できて、どんな助詞が省略できないのか見ていきましょう。

 

省略できる助詞

日本語の基本文型にはSO/Vという語順があり、助詞がなくても語の位置でその役割がわかるようになっています。ネイティブスピーカーは助詞がなくても文の意味がわかる場合、無意識に助詞を省略しています。

動詞の場合は「コーヒー(を)飲む?」「電池(が)切れてるよ」、形容詞の場合は「背(が)高くなったね」「そのジャケット(は)ステキ」などのように、語順がちゃんと決まっている場合は助詞がなくてもOK。また、「ランチ(を)食べ(に)いかない?」の「に」も語の位置が決まっているので、省略が可能です。

 

省略できない助詞

「何時、どこ、誰、何人、 どこから、どこまで 」などの助詞は省くことができません。これらは語順が決まっていませんね。一文の中で入れ替えをしても問題がありません。語の位置で役割を規定することができないので、助詞の力が必要になってきます。

「自由に入れ替えられるなんて日本語の助詞ってフレキシブルで便利だね。あ、でも省略はできないんだ・・・」自由は不自由。お気をつけください。

もっと詳しく!

助詞 例文:( )は省略可能 省略可・不可
は(主語・主題=S) ・お誕生日(は)いつ?

・山田さん(は)いる?

を(対象・目的=O)

が(対象)

が(動作や状態の主体)

・ケーキ(を)食べる?

・新鮮な魚(が)売ってるところ(を)知っている?

・ねこ(を)飼いたいと思ってるんだ。

・ずいぶん背(が)高くなったね。

へ(方向)に(方向・着点) ・天気(が)いいから、海(に)行こうよ。

・今から、飲み(に)行かない?

に(受け身・使役文) ・この傷(を)見て、猫にひっかかれたの。

・不注意で子供に怪我(を)させてしまった。

不可
に(時)で(場所)

と(いっしょ)

・7時に銀座で友達とご飯(を)食べるから、6時にうち(を)出ようっと。 不可
の(所有・所属) ・それ、私の時計。

・学校の先生なんだ。

不可
で(手段・期限・原因など) ・これ、1週間でできる?

・ハサミで切ったら?

不可
と・や(並列・添加) ・紙とペン(は)ある? 不可
が(その他) ・サッカーより野球のほうが好き。

・え、私がするの?

・この間、田中さんが行ったってレストラン、昨日テレビに出てたよ。

不可
は(その他) ・姉は背(が)高いんだけど、私は低いの。

・四国はまだ行ったことがないな。

不可

 

*英語で助詞の省略に関するコラムをご覧になりたい方はこちら

Update 11/18/2022

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