「多い人」「多い雨」とはなぜ言えないのか。

「多い雨」「多い人」とはなぜ言えないのか。

「多い」「少ない」は使い方が特殊!?

日本語教師になって初めて「多い雨」「多い人」という間違いをする学習者に出会った方もいるのでは?どうやら「多い」「少ない」は使い方がちょっと特殊な形容詞のようですね。

普通、イ形容詞は 「冷たい水が飲みたい」「難しい本を読む」「かわいい猫がいます」のように名詞に修飾します。でも、「多い人」「少ない宿題」とは言いません。

日本人であれば、例文のような間違いをすることはありませんが、日本語学習者はこのような文を作ることがあります。

×「駅に多い人がいる。」

×「今日は少ない宿題がある。」

×「多い人が会場に集まっている。」

この場合、下の例文のように副詞を使って「たくさん+動詞」「少し+動詞」などと言ったほうが自然に聞こえます。

○「駅に人がたくさんいる。」

○「今日は宿題が少しある。」

○「たくさんの人が会場に集まっている。」

なぜ「多い」「少ない」は名詞に修飾しにくいのか、この言葉の特徴について考えてみましょう。

なぜ「多い」「少ない」は名詞に修飾しにくいのか。

次の例文を見てみましょう。

○「3匹ネコがいます。」

○「ネコが3匹います。」

△「3匹のネコがいます。」

「3匹」「5人」これらを数詞と言います。日本語の数詞は副詞的な使い方をし、動詞に修飾します。

「多い」「少ない」はイ形容詞ですが、量を表すことばで、性質も使い方も数詞と似ています。

したがって、「多い」「少ない」も数詞と同じように、直接名詞を接続することがないのです。

×「多いネコがいます。」

△「多くのネコがいます。」

○「ネコがたくさんいます。」

また通常、イ形容詞は「かわいいネコ」「黒いネコ」のように、そのものの形状や性質や状態を形容する言葉です。でも、「ネコが多い」の「多い」はネコの特徴でも形状でもありません。

「多い」「少ない」がちょっと特殊な形容詞という理由がわかっていただけたでしょうか。

初級の学生にどのように導入したら良いか。

文中で「多い+名詞」「少ない+名詞」の形で使用するときは「雨が多い町」「休みが多い学生」のように、いつもその前に情報(主題)が必要です。

初級の学生にイ形容詞として導入する時は「多い」「少ない」だけでなく、「人が多い」「宿題が少ない」など主題と一緒に導入をしてみると良いでしょう。

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