日本語文法ブログ

助詞の省略について

助詞の省略について 日本語ではとくにカジュアルな会話の場合、助詞が省略されることが多々あります。むしろ助詞を抜いて話したほうがより自然でリズミカルに聞こえるなんてこと、ありますね。 「あれ、日本人 助詞 省略してるじゃん!あんなに大切って言っていたのに!!」 学習者は比較的早い段階でこの事実に気がつきます・・・笑 カジュアル・スピーチを紹介するとき、やはりここは無視できない存在です。(どの程度どう...

「お願いします」と「ください」は同じ?違う?

「お願いします」「ください」は同じ?違う? 「お願いします」も「ください」も、相手に何かリクエストをするときに使う表現です。ただ「どちらも ”Please”ですよ!」と言ってしまった日には大変。そのうち「禁煙席、ください」「もう少しゆっくり話してお願いします」「東京駅まで ください」などの誤用がわんさか出てきてしまいます。「やばっ。やっちまった」の瞬間です…。 「お願いします」「ください」は同じ?...

「得意」と「上手」は同じ?違う?

「得意」と「上手」は同じ?違う? 初級の学習者によく聞かれる質問に「得意」と「上手」はどう違うのか、というものがあります。 どんなときに使えて、どんなときに使えないのか。 まずは、具体的な状況をイメージしながら例文を作って考えてみましょう。 × 私は料理が上手です。→ ○ 私は料理が得意です。 ○ 私は料理が下手です。 ○ 私は料理が苦手です。 × 私は数学が下手です。→ ○ 私は数学が苦手です。...

どうして「多い雨」って言えないの?

どうして「多い雨」って言えないの? 「多い」「少ない」は使い方が特殊!? ときどき「多い雨」「多い人」という間違いをする学習者に出会ってビックリすることがありませんか。 通常、イ形容詞は 「冷たい水が飲みたい」「難しい本を読む」「かわいい猫がいます」のように名詞を修飾します。でも、「多い人」「少ない宿題」とは言いません。なぜ??? どうやら「多い」「少ない」は使い方がちょっと特殊な形容詞のようです...

自動詞・他動詞

自動詞と他動詞 日本語の動詞には自動詞と他動詞があります。 他動詞と自動詞は、話し手の動作主に焦点をあわせて述べるか、動作を受ける対象に焦点を合わせるかによって使い分けられます。 日本人が意識せずに使い分けている自動詞と他動詞ですが、学習者にとっては難しい項目の一つです。対応関係が複雑なので、最終的には一つ一つ覚えなければなりません。今回はペアがある自動詞と他動詞を中心に見ていきます。また、ある程...

ヴォイス

ヴォイス 出来事をどの立場(視点)から表現するかという点に注目したものをヴォイス(態)/voiceと言います。 たとえば、「誘う」行為をする太郎を主語とする能動態の文 (1) が、表現を変えると、(2)の花子を主語とする文(受動態)となったり、(3)の健太を主語とする文(使役態) となったりします。また、(4)のような可能態にもなります。 どれも太郎が花子を「誘う」ことには違いはありませんが、視点...

テンス・アスペクト

テンス・アスペクト 時間を表す表現には「テンス」と「アスペクト」があります。日本語では、その動作がどの場面に、どの段階にあるのかをいろいろな文法形式を使って表します。 完成相 継続相 非過去 スル シテイル 過去 シタ シテイタ   テンス(時制) 出来事がいつ起こったか。 出来事が起こったのが、過去なのか、現在なのか、未来なのかを表すのがテンスです。 <例> 非過去:「明日、ディズニー...

モダリティ

モダリティ 語形変化による意味の変化を分類したものを文法カテゴリーと言います。 文法カテゴリーにはヴォイス、アスペクト、テンス、モダリティがあります。 モダリティ: modality 日本語の文は命題(事実:客観的な部分)と、モダリティ(気持ち:主観的な部分)からできています。モダリティは日本語表記だと「法」、文法の「法」です。 例えば、「彼はパーティに来ないかもしれない。」の場合、「彼はパーティ...

日本語文法基礎 Ⅷ.疑問詞

日本語文法基礎 Ⅷ.疑問詞 ここではwhat, whoなど疑問詞を使った疑問文の作り方と、日本語の疑問詞を紹介する。 通常は文の知りたい情報を疑問詞に入れかえて、文末に「か」をつけるだけである。 whatを表す = 何(なに) 何が すきですか。     りんごが すきです。 何を 買いましたか。    本を 買いました。 what timeを表す = 何時(なんじ) 何時に おきますか。    ...