中級文法コラム2.「ないで」と「なくて」 どっちが正しい?

中級文法コラム2.「ないで」と「なくて」 どっちが正しい?

よく学習者が混乱しているのが「ないで」と「なくて」です。

何が違うか急に聞かれると、うまく答えられないという先生もいるかもしれませんね。

 

雨が降らなくてよかった。

雨が降らないでよかった。

 

「てよかった」を導入していて、学習者に「雨が降らないでよかったです」と言われたら、「おや?」と思いますね。

なぜ「おや?」と思うのでしょうか?

 

なくて

例文をあげて、考えていきましょう。

<例文>

あなたが来なくて、残念です。  ⇒ 相手が来ないことに対しての感情

 

飲めないなら、無理に飲まなくてもいいですよ。⇒ 飲む必要がないという判断

 

漢字が読めなくて、試験に落ちた。   ⇒ 漢字が読めなかったことが原因で、不合格という結果

 

*このように「なくて」は行為をしないこと、起こらなかったことに対しての感想や感情。判断や結果など。

「来なくて、飲まなくて、読めなくて」をひとつの形容詞と見立てています。

 

「荷物が重くて大変です」「部屋がせまくて不便です」「辛くて食べられません」などと同じように

形容詞のような用法をするのが「なくて」です

 

 

 

 

ないで

一方、「ないで」はどうでしょうか? 同じように例文をあげて、考えていきましょう。

<例文>

ここに入らないでください。                   行動をしないように要請。

 

歯を磨かないで、学校に来ました。        歯を磨くという行為をしていない。

 

本を買わないで、図書館で借りる。   ⇒         本を買うという行為をしない。代わりに、図書館で借りるという行為をする。

 

*「ないで」は行為をしない、ということを言っています。

「ないで」は動詞の活用形「入って、磨いて、買って」と対をなすカタチです。

「入らない、磨かない、買わない」これらは動詞の「ない形」です。

つまり、その動詞の行為をしないということです。

 

 

さいごに

ここまでを踏まえて、もう一度さっきの例文を見てみましょう。

雨が降らなくてよかった。

雨が降らないでよかった。

 

いかがですか。「ないで」と「なくて」の整理ができましたか。

「降らなくて」は形容詞「ない」の活用(降らない+て=なくて)、

「降らないで」は動詞「降って」の反対(降って ↔ 降らないで)と覚えておくと良いでしょう。

 

でも、実は私の地元では「雨が降らないでよかったね」って、普通に使っているんですよね・・・うーん。

方言って指摘されるまで方言ってわからなくて、困っちゃいます。

 

 

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