中級文法コラム３．「Vてしまいました」の意味がわからなくなってしまいました・・・

「てしまいました」の導入、みなさんやったことありますよね。

なんだ、今回のテーマは「てしまいました」か…

と思った、あなた。そうです。　今日のテーマは「てしまいました」です。

文型「Vてしまいました」の用法

まず、「てしまいました」の用法は、

①　財布を忘れてしまいました。・・・失敗や残念な行動をとった場面

②　もうご飯を食べてしまいました。・・・完了した場面

接続：（てform）＋しまいました

こんな時どうする？「Vてしまいました」編

いつかクラスで学生に例文を読んでもらっていたときのこと

「彼の話は面白くて、思わず笑ってしまいました」

S：「先生、『笑ってしまいました。』は残念ですか？」

T：（え？　…ええ⁉）「うーん、残念じゃないですね…」（何で？　何でや？　何で残念じゃないのー？？）

心の中ではパニックですが、笑顔を浮かべながら、頭をフル回転。

＊　＊　＊　以下、私の頭の中　＊　＊　＊

こんな時は、”とにかく例文をたくさん挙げる”でしたね！

残念・完了ではない「てしまいました」の例文を考えていきましょう。

＜例文＞

• このブランドのかばん、買おうかどうか迷ったけど、買ってしまいました。
• えへへ、来ちゃった♡（来る予定のなかった彼女が連絡もなく遊びに来た時の一言）
• これ、難しそうだな…　できるかな…　やってみよう。　…あ、できちゃた。やった！
• A：「これ、プレゼントです。」B：「え？　私の誕生日覚えててくれたんですか？　びっくりしてしまいましたよ。涙が出ちゃう…」
• ジムの入会プレゼントのギフト券がほしくて入会したんです。運動する気なんて初めからなくて、1か月経ったら退会してやろうと思っていました。でも、せっかく会員だし、と思ってちょっと通ってみたら楽しくなってしまって…　気がついたらもう5年も通っています。

こうやって例文を比べてみると、何か共通点が見えてきませんか？

「買うつもりはなかったけど買った。」「来るつもりはなかったけど来た。」「できると思ってなかったけどできた。」「プレゼントをもらえるなんて思っていなかったけどもらえてびっくりした。」「泣くと思っていなかったけど涙が出た。すぐ退会するつもりだったけど楽しくなった。」・・・

いかがでしょうか？

「そうなるとは思っていなかったけど、そうなった」特に、瞬間的な場面が多いようですね。

さあ、学生が読んだ例文に戻ってみましょう。

「彼の話は面白くて、思わず笑ってしまいました」

なるほど、「思わず」もヒントになってますね。

つまり、「予想外の突発的な行動、行為に行為者自身も驚いている」のような意味があります。

＊　　＊　　＊　　＊　　＊

T：「そうですね、残念の意味じゃないですが、笑うと思っていなかった場面で急に笑っていますね。

そうなると思っていなかったことを急にして、びっくりしている時にも『てしまいました』を使えるんですよ！」

S：「ああ、そうなんですか。なるほど～！」

T：（ふぅ…）

学生に予想外の質問を予想外の角度からされると、パニックになってしまうことがありますね。

その場での返答はできなくても、なぜだろうと感じたら、ぜひいろいろな例文を作ってご自身で意味を探ってみてください。きっと、今まで理解していた意味以外の用法が見つかると思います。