「使役」って難しい!? 「使役」は学習するのも教えるのもなかなかハードルの高い文法項目の一つ。苦手だなと感じている方も多いのではないでしょうか。 それでは、なぜ使役は難しく感じるのでしょうか。「いつ、どのように使うかわからない」「受け身と使役、使役受け身は形が似ていて混乱してしまう」「使役文に出てくる『を』と『に』の助詞の使い分けがよくわからない」「意味・機能がいろいろある」など理由は様々です。 ...
会話における「こそあ」の使い方 指示語には大きく分けて、現場指示と文脈指示があります。以前、日本語文法の基礎でも:指示詞「こそあど」を取り上げましたが、今回は少し違った視点で指示語の「こそあ」を見ていきます。 文脈指示の「こそあ」は指す対象が目の前にはありません。基本、「あなたの話=そ」「私の話=こ」「どちらも知っている話=あ」で使い分けられれば十分です。 ただ、ときどき誤用が見られるので注意が必...
中級文法コラム12.「ない」シリーズ 「わけにはいかない」・「ないではいられない」・「てはいられない」 今回の中級日本語文法は「~ない」を使用した文型を取り上げてみたいと思います。 A:「ねえ、ビリー・アイリッシュの来日コンサートだって」 B:「え? いつ? 行かないではいられないよ」 A:「えーっとね、〇月〇日」 B:「…私の結婚式の日だ…。招待状も送っちゃったし、今更キャンセルす...
中級文法コラム11.「ように」シリーズ:「~ようにする」「~ように~」「~ように言われた」 毎日暑い日が続きますね。昔、学校の部活の時間に練習中に水を飲まないように言われたことがあります。「練習中に水を飲む奴は根性がない」とか何とかいう理由で・・・。 でも、今は熱中症にならないように、練習中でも水分補給をするようにと言われていますね。 さて、今回は「ように」シリーズを取り上げてみよう...
終助詞「そうだね」vs「そうだよ」vs「そうだよね」 「そうですね」「そうですよ」「そうですよね」先日も学習者から使い分けについて聞かれました。おそらく日本語を教えている先生方もたびたび質問される項目の一つではないでしょうか。 先日、クラスで「最近、むし暑いですね」と学習者に言ったところ、「そうですよ」と言われて、ズッコケそうになりました。これが結構よくあるんです。 終助詞は、文末に...
受身② 直接受身と間接受身 今回も先週に引き続き、受身を見ていきたいと思います。前回は受身を有情の受身と非情の受身で分けました。 学習者に教えるときは、話し手の視点から述べるときの「〜は〜に〜られる」「〜は〜に〜を〜られます」、物事の状況や事実を受身表現を使って説明するときの「モノが〜られます」で、特別な言葉を使わずに教えたほうがいいです。イラストもたくさんあるので、そういったものもどんどん使うと...
受身① 有情の受身と非情の受身 受身には有情の受身と非情の受身があります。 有情の受身と非情の受身は受け手(主語)が、有生物(人・動物)なのか、無生物(モノ・コト)なのかで分けます。 有情の受身vs非情の受身。直接受身vs間接受身。受け身の分け方は色々あります。今回はひとまず有情の受身と非情の受身で分けてみます。 有生物が主語になる受身文を「有情の受身」といい、無生物が主語になる受身文を「非情の受...
中級文法コラム10.「ところ」シリーズ:「ところを」「ところに」「ところで」 今回は「ところ」シリーズを取り上げたいと思います。 盗みに入ったところを防犯カメラに撮られていたらしい。 盗んだ金を持ってドアを出たところに警察が来た。 警察に捕まったところで、この計画は水の泡と化した。 「ところを」「ところに」「ところで」、助詞が変わるだけで微妙に意味が変わってしまってややこしいですね。学生さんは「と...
中級文法コラム9. わけがわからなくなりそう!?「わけ」シリーズ 「帰りたくないわけじゃないですけど、帰るわけにはいかないんですよ。先に帰ったら部長に嫌われて、出世できなくなるわけですよ…」 「わけ」を使った文型ってたくさんありますね。学生も「わけ」シリーズを復習しようとまとめていると、だんだんわけが分からなくなってきてしまいます。でも、大丈夫! 学生に質問されたら、わかりやすく説明できるようにこ...