日本語レッスンの準備時間はどのくらいかけるべき?

日本語レッスンの準備時間はどのくらいかけるべき?

よく「日本語レッスンの準備時間はどのくらいかけるべきですか」という質問を新人の講師から受けることが度々あります。

う〜ん。正直、答えに窮します。

なぜかというと、私自身はあまり考えたことがなかったから。準備に時間を惜しむという発想も、わりに合わないと思うこともなかったからかもしれません。

私が新人だったころ(20年もの前の話ですが…)は教える時間の3倍、ときに5倍以上の時間をかけて準備をしていたかも。いや、はっきり言って無制限(笑)。私自身、それほど器用じゃないというのもありますが、養成講座時代に模擬授業で赤っ恥をかいたのがトラウマで、授業が終わったときに後悔をするのがただただ嫌だったから(今振り返ると、このときは学習者視点ではなく自分視点、完全に独りよがりでしたね〜)。まあ、単純に教えることも考えることも面白くて楽しくて時間を忘れて夢中になっていたというのもありますが。

ということで(!?)、今日は今年最後のコトハジメなのでフリースタイルで(笑)、私が好きなアルバート・アインシュタインのことばを3つ引用しながら、この問いにお答えしていきたいと思います。

 

The secret of creativity is knowing how to hide your sources.

この言葉、言い得て妙だな、と思いませんか。そして、ジョークだったとしても、想像力溢れるアインシュタインでさえそう思うのかと思うと、心が軽くなります。

今はYouTube やインターネットで検索したら無料で文法解説や例文が見られる時代です。国内外でよく使われる日本語の初級教科書であれば、まるっと教案まで見られます。イラストなども検索をかければサクッと見つかります。私たちコトハジメのような情報サイトがごまんとあります。

こうした便利で良質な情報はどんどん使えばいいのではないでしょうか。元ネタがわからないくらいちゃんと自分のものにできていて、学習者を満足させることができれば、それでOKなのです。

私たちの時代は、文法書などを見て試行錯誤しながら教え方や例文を考えたり、教材を作ったりするしかなかっただけで、今の日本語教師が同じ失敗や苦労をする必要はまったくありません。タイパも重要。いけるところまでビューンと行ってしまってください。情報は活用してこそはじめて価値がでるものなので、効率的&柔軟に!です。

 

Information is not knowledge. The only source of knowledge is experience.

今風に言うと「ほんと、ソレな!」で、これまた芯を食ったことばです。情報をいくら頭に入れても、それを実践するまで真の知識とはならないということです。

情報(日本語のレッスンで言えば、例文や教え方)の解釈の深さ、調理方法は人それぞれ。それに、相手がいる授業はナマモノ、想定外のことが次々と起こるので、情報を持っているだけではどうにもなりません。情報の正確さを見極め、頭の引き出しから出し入れ自由というところまで昇華させていくのは大変なことです。

じゃあ、日本語教師はこの溢れる情報とどう向き合えばいいのか。情報に対して「なぜ?」と自分なりに深く掘り下げ、因果関係を捉えることを習慣にし、それをどのように自分の授業に取り入れていくかを毎回考えるようにすればいいのかなと。そして、アウトプット(実際の授業で検証)し、うまくいかなければ改善していく、これを忍耐強く続けていくことにつきるかなと私は思います。それと、もう一つ忘れてはならないこと、それは授業は相手あってのものということ。「学習者の反応をよく観察すること」も大切です。

この考察力と観察眼を鍛え、そして数をこなしていくと「experience = 経験」が積み重なり、引き出しも増え、オリジナリティも生まれ、日本語教師力がついてきます。

 

Life is like riding a bicycle. To keep your balance, you must keep moving.

アインシュタインのような天才だって精進が必要だと言うくらいなのですよ〜。

情報はあるのでショートカットできる部分はありますが、やっぱり一筋縄ではいきそうもないですね。でも、そこが日本語教師という仕事の醍醐味なのではないでしょうか。簡単に誰でもできてしまったら面白くないかもしれません。

結局、私は「レッスンの準備時間はどのくらいですか」という問いに答えることができないみたいです。今は30分以内でパッとできちゃうこともあるし、あーでもないこーでもないと3時間くらい考えていることもあります。あ、そういう意味では毎回3時間はないですけどね。

 

日本語教師のお仕事をはじめて20年。楽しんで走り続けられているって幸せなことだなと思う今日この頃です。クラスでの学生とのやりとりが一番楽しいですが、自分の知的好奇心が満たされていくのも楽しいです。日本語教師はこれらの「楽しい」の部分が両輪であると走り続けられるのかな、最強なのかなと思います。

子育て期間などアイドリング状態の期間もありましたが、止まらずに走っていると、ある日突然パーっと何かが見えてくることがあります。コトハジメも走り続けたら、何か見えてくるかも〜と思っています。(わたしの場合はもはや「癖」にちかいですが・・・笑)

0→1で新たなものを生み出すのは難しい。アインシュタインのquotesより素晴らしいことばなど私からは出るはずもありません(だから今回の記事もそのまんま引用してしまいます)。でも私だったらこう解釈すると考えることはできます。ことばが心の支えになるかもしれないし、迷宮から抜け出すヒントとなるかもしれません。

来年もコトハジメで「日本語教師の面白さってこんなところだよ」「こんな見方もあるよ」「こんな教え方もあるよ」「こんな日本語教師がいるよ」「こんな働き方があるよ」を色んな視点で皆さんとシェアできたらと思っています。Enjoy Learning, enjoy life!

今年もありがとうございました。来年もコトハジメをよろしくお願いします!

Happy Holidays!!!

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