オンライン日本語教師の先輩体験談(プライベートレッスン) @Coto Academy #1

オンライン日本語教師の先輩体験談(プライベート・レッスン) @Coto Academy #1

定年退職後、オンライン日本語教師に

今週から3回にわたり、Coto のオンラインレッスンでご活躍の先生方へのインタビューをお届けします。1回目はリタイア後に日本語教師の資格を取られたFさん、2回目は愛媛からレッスンをされているHさん、3回目はタイからレッスンをされているEさんです。

第1回目はこの「オンライン元年」にオンライン日本語教師になられたFさんにお話を伺いました。

これまでの経歴を教えてください。

大学卒業後38年間、某大手メーカーで会社員をしていました。

会社員人生のうち約半分を海外(パリ、ロンドン、モスクワ、ジャカルタ、北京、シンガポール)で過ごしました。今まで色々な国々で多くの人にお世話になってきたので、リタイア後は何らかの形で恩返しがしたいとずっと思っていました。日本を知りたい、日本語を学びたい方たちのお手伝いをするなら日本語教師かなと、それが日本語教師になったきっかけです。

日本語教師養成講座を受講し、コロナ渦でしたがなんとか実習も終え、日本語教育能力検定試験に合格しました。現在はCoto Academyのプライベートレッスンをオンラインでしています。

 

オンライン授業の様子を教えてください。

Coto Academyでは多くのビジネス・パーソンがレッスンを受けています。ビジネス・コーチング×日本語教育ということでビジネス経験のある私に白羽の矢が立ちました。

現在、私が教えている学習者は6名で、レベルは中〜上級(N2以上)です。全員プライベート・レッスンです。このレベルになってくると、日本語を使うシーンも使用用途もかなり異なってくるので、一般的な中〜上級のカリキュラムやテキストに物足りなさを感じるようですね。ということで、私のレッスンは完全なカスタマイズ・レッスンです。

これまで「自分の会社が作っている商品をプレゼンしたいので、まずは商品説明の資料を一緒に読んでほしい。」「会社から出された課題図書がある。」「就活中なので、レジュメを見てほしい。面接練習をしてほしい。」「敬語が使いこなせるようになりたい。」などさまざまな要望がありました。日本人と一緒に働く時どういうことに気をつけるべきか、日本の組織はどのように動いているのか、日本語のレベルが上がったら上がったで表情行動などノンバーバルなコミュニケーション能力も求められます。レッスンでやることは尽きませんね。

資料や教材のやり取りはメールなどで行っています。また、授業中はzoomの画面共有を利用し、ホワイトボードなどを使って説明したりしています。ホワイトボードに書いたものは授業後に学習者に送っています。学習者からは語彙や表現のニュアンスの違い、この場面でこういう言い方をするかどうかなどの質問が多いです。「へえ、そんな見方をするのか」など私自身も日々色々な発見があり、レッスンの時間はとても楽しいです。

 

学習者の国籍や住んでいる場所は?

アメリカ、フランス、イタリア、香港など国籍はさまざまです。インターナショナル・スクール育ちの日本人もいます。授業を受けている場所もそれぞれで、東京はもちろん大阪や福岡、一番遠いところでローマからオンラインレッスンを受けている人もいます。

オンラインレッスンは場所を選びません。ネット環境が整っていて、パソコンかタブレットさえあればできます。時間とコストと労力がセーブできますから、そこは双方にとってオンラインレッスンの最大のメリットですね。

一般企業などでは機密情報のやり取りなどもあってオンライン化できない業務もあるかと思いますが、語学のレッスンではその心配はありません。語学学習にオンラインレッスンはうってつけだと思います。

ただ、オンライン授業なので設備が命。一度パソコンが壊れてしまったときは焦りましたね。慌てて代替えを頼み、zoomとブラウザーだけダウンロードして、なんとか乗り切ったことがあります。逆に学習者側でもディバイスの故障や回線上でのトラブルがたまにあります。

 

これからオンラインで日本語を教えたい方へアドバイスをお願いします。

まだはじめて1年くらいですので、日本語の教え方や言葉に関する知識などの引き出しは経験の長い先生に追いつかない部分が正直あります。

ただ、私のようにビジネスの経験が長い日本語教師は、それぞれのビジネス経験やバックグランドを活かした授業が展開できるという強みがあります。私のようにビジネス経験のある方は、ぜひ過去のビジネス経験や海外経験などのバッググランドを一度総ざらい、棚卸しして、自分の得意分野やコアコンピテンシーを見える化(可視化)しておくことをお勧めします。

学習者のニーズは多様化しています。自分の得意分野が詰まっている引き出しをいくつか持っておくことで、自分らしい授業ができると思いますよ。

 

インタビューを終えて「日本語教師+アルファを持つ」

オンラインレッスンが浸透した今、学習者は世界中にいます。対面からオンラインへと学び方も多様化しています。学習者のニーズも多様化しています。このような時代の流れの中で、私たち日本語教師も自身の働き方を見直す時期なのかもしれませんね。

Fさんの場合、ご自身が異国で働く大変さも楽しさも知り尽くしているからこそFさんらしいレッスンができるのだなと感じました。お話を伺って改めて感じたことは、今を生きる日本語教師は「日本語教師+αを持つ」です。日本語教師の資格だけでなく、ビジネス経験でも、別の語学でも、日本語とは関係ない趣味でもいいですが、「この分野のことなら私に任せて」ということ×日本語教育で仕事にするのがこれからをサバイブするのに大きな要素になります。皆さんはどのように感じたでしょうか。

Fさん、ありがとうございました。Fさんの今後のご活躍を期待しております。

 

Coto World 株式会社では現在、オンラインレッスンの講師を募集しております。ご興味のある方は、ぜひご応募ください。詳しくはこちらの求人情報をご覧ください。

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