使い分け・違い

初級教科書「げんき」の文型「あいだに」の導入例と注意点

「あいだに」を導入してみよう はじめに これからの日本語教育は、タスク遂行/can-do型のカリキュラム、教授法が主流となることが確実な昨今。しかし当面は、いままで通りの文型積み上げ式を続けていくという先生方もいらっしゃるかと思います。 カリキュラムは「積み上げ式」であっても、言語の基本は「話すこと」。学ぶ楽しみを考えれば、いかに身近な場面や状況においての導入、パターン練習、応用練習を行うことは、...

「んです」の教え方のエッセンス

「んです」は、どう教えたらいいか はじめに 「私は日本人です」「私は日本人なんです」この二つの文の違いは何?と学生に聞かれたら、みなさんはどう答えていますか。 初級文法の「~んです」に苦手意識のある先生方は多いと聞きます。しかし、講師側が知識として押さえておくべきポイント、また導入時に必要な文脈への配慮さえあれば、そんなに怖がることもないのではないか、というお話を今回はしたいと思います。 「んです...

チャレンジしたい学生、止めたい教師 ――N2文法「~げ」に見る指導のジレンマ

チャレンジしたい学生、止めたい教師 ――N2文法「~げ」に見る指導のジレンマ はじめに みなさんの考える「いい学生」とは、どんな学生でしょうか。 授業に主体的に関わり、学習意欲が高く、好奇心もある。宿題もきちんとこなし、グループ活動では他の学生への配慮も忘れない。こうした学生は、教える側のモチベーションを高めてくれる存在であり、まさに理想的な学習者像だと言えるかもしれません。 では、質問が多い学生...

「以内」と「以下」は何が違うのか

「以内」と「以下」は何が違うのか―日本語教師のための“意味機能”からの整理― 「以内」と「以下」はどう違うのですか。 授業中、学習者からこう聞かれて、少し考え込んでしまった経験のある教師は少なくないのではないでしょうか。どちらも数値の上限を示す表現であり、実際、次のような文では互いに置き換えても大きな問題はなさそうに見えます。 ・自己PR文は300字以内でお願いします。 =自己PR文の文字数は30...

日本語ならでは?の挨拶あれこれ

日本語ならでは?の挨拶あれこれ ところ変われば品変わる、ではありませんが、「こんにちは」「ありがとう」など、どの言語にもあるあいさつ以外にも、その国や地域の文化・慣習などが色濃く反映された固有の「あいさつ」表現というのは存在するように思います。 今回は、日本語学習者が、混乱しやすく、理解しにくい、また間違いやすいあいさつ表現について、それぞれ解説を加え、どう指導、説明していったらいいかを考えます。...

た形は「過去形」?

た形は「過去形」? 学習者から「先生、た形は過去形ですか?」と聞かれたとき、どのように答えるべきでしょうか。 答えは 「(条件付きで)はい」 です。では、その条件とは…、カジュアルな文体で、過去の動作・行動・状態を述べる場合 だということが言えるでしょう。 例)A:週末、何した?B:特に何もしなかったよ。ずっと家にいた。Aさんは?A:私は友だちに会って、ごはん食べたよ。 このように「た形」は時制と...

実は難易度が高い:初級文法「~たり、~たり」

実は難易度が高い:初級文法「~たり、~たり」 はじめに 「たり、たり」は日本語では日常的に使用頻度の高い文型の一つです。 例) ①休みの日は、たいていジムに行ったり、散歩したり、のんびりすごすことが多い。 ② A:日本のお正月って何するの? B:おせちを食べたり、近くの神社に初詣に行ったり、テレビをみたり…かなあ。 ③今日は子どもの行事で学校とうちを行ったり来たり忙しかった。 上記の例文にもあるよ...

【接続詞】「また」と「さらに」は、どう違う?

【接続詞】「また」と「さらに」は、どう違う? みなさんにとって教えるのが難しいと感じる文法事項には、何がありますか。私の筆頭は、接続詞。これは、教えるのも、学ぶのも難しいと感じています。接続詞はどの言語にもあり、もちろんそれぞれに訳語を与えることはできますが、それをそのまま適用して、うまく使いこなせているという事例を、私はあまり見たことがありません。 そこで、今日はどうやったら接続詞をうまく教えら...

誰がするのか(行為の主体は誰か):学生の質問から講師は成長できる、の巻

誰がするのか(行為の主体は誰か):学生の質問から講師は成長できる、の巻 教えるヒントはいつも学生から 日本語教師になってまだ2年ほど、日本語能力試験N4対策で、受身・使役・使役受身を教えていたときのことです。 「先生、これ、誰がしますか?(行為の主体は、誰ですか)」 ああ、そうか。使役や受身になると、行為の主体が分からなくなるのか…その質問を聞いて、ハッとしました。 そしてまた、受身や使役に限らず...