【日本語教員試験にも役立つ】
Can-doとは?日本語レッスンに取り入れる4つのメリット
Can-do(キャンドゥ)とは、日本語を使って「何ができるか」を示した到達目標のことです。日本語レッスンに取り入れると、学習者の成長が見え、授業に一本のストーリーができ、講師同士の評価基準もそろいます。登録日本語教員試験で学ぶ「日本語教育の参照枠」の考え方は、そのまま明日のレッスンに使える重要かつ便利なコンセプトです。
Can-doとは?
Can-doタスクによる学習目標は「〜ことができる」の形で書きます。たとえば「薬局で症状を伝え、薬を買うことができる」です。
大切なのは、「どの文型を知っているか」ではなく「何ができるようになるか」なのです。
日本語教育の参照枠とCEFR:6つのレベル
2021年10月、文化庁が「日本語教育の参照枠(報告)」を公開しました。そこでは「初級」「中級」といった言葉ではなく、「課題遂行能力」によってレベルを示しています。国際基準のCEFRを参照した、共通の6段階(A1〜C2)です。
| レベル | 位置づけ |
| A1・A2 | 基礎段階の言語使用者 |
| B1・B2 | 自立した言語使用者 |
| C1・C2 | 熟達した言語使用者 |
同じ「薬局」におけるタスク場面でも、レベルでできることが変わります。A1は「これください」「いくらですか」で買い物が成立します。B2になると、「午後に運転するので眠くなりにくいものがほしい」といった、成分や副作用を比べて相談することや、「病院に行ったほうがいいですか」と確認することもできます。
Can-doシラバスと文型シラバスの違いは?
日本語教育業界では、これまで「文型シラバス」での教育が主流でした。以下、「文型シラバス」と「Can-doシラバス」を、学習の起点と進め方から比較、まとめてみました。
| 文型シラバス | Can-doシラバス | |
| 学習の起点 | 文型を教える | タスク(何ができるか) |
| 進め方 | 文型を導入・練習→場面で応用 | タスクを決める→必要な語彙・文型を練習→タスクを実践 |
家づくりにたとえると、文型シラバスは「パーツ(木材、ネジ、タイル)が先にあり、何ができるかは後から決まる」やり方です。Can-doシラバスは「ウッドデッキ付きの家」という完成形を先に決め、必要なパーツだけを逆算して選びます。
ただし、Can-doシラバスが、文型や語彙の練習を軽視するというわけではありません。正しく切る技術がなければデッキは作れないように、口頭練習で定着させることは欠かせません。
日本語レッスンにCan-doを取り入れる4つのメリット
学習者の成長が見える:「初級を終えた」ではなく「薬局で症状を説明できる」と言えます。
レッスンに一本のストーリーができる:完成形から逆算するので、学習者の記憶に残ります。
講師同士で評価の目線がそろう:引き継ぎや代講でも「ここまでできる」と共有できます。
日本語力を外に伝えられる:就職や進学の場面で、CEFRなどの指標と照らして説明できます。
登録日本語教員試験の勉強とどうつながる?
参照枠が示す5つの言語活動(聞く・読む・話す[やりとり]・話す[発表]・書く)は、試験で問われる知識であり、教案づくりのチェックリストにもなります。
薬局の場面だけでも、薬剤師の説明を聞き、注意書きを読み、症状を伝え、順序立てて説明し、問診票を書く、と使う力が違います。「この活動はどの力を使うか」を意識するだけで、レッスンの抜けに気づけます。
まとめ
Can-doは、「何ができるか」から逆算してレッスンを組み立てる考え方です。試験で学んだ知識を現場で使う、最初の一歩にもなります。現在、ご担当のクラスや学生のレベルに合わせて、どう取り入れられるか、考えてみましょう。学生の顔を思い浮かべながらレッスン計画を立てることで、Can-doシラバスの輪郭がもっとクリアになるはずです。
よくある質問
Q:Can-doを取り入れると、文法は教えなくてよいですか?
A:いいえ。必要な文型・語彙を、Can-doの達成から逆算して選び、口頭練習でしっかり定着させます。
Q:Can-doは新しい考え方ですか?
A:場面や会話から必要な文型・語彙を考える方法は、以前から多くの現場で行われてきました。参照枠は、それを共通の言葉で整理したものです。
Q:何から始めればよいですか?
A:まず1レッスン分、ゴールを「〜ことができる」で書き、必要なパーツを逆算してみてください。
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