中級文法コラム19  「かわりに」と「にかわって」の使い分け

中級文法コラム19  「かわりに」と「にかわって」の使い分け

もうコラムも19回目をむかえました。だんだんネタ探しも難しくなってきましたが、ありがたいことにリクエストをいただいたので、今回は「かわりに」と「にかわって」を取り上げたいとおもいます。

<例文>本を読む(かわりに・のにかわって)、オーディオブックを聞き流す。

これってどちらもOKですか?「かわりに」も「にかわって」も「かわる」という言葉が入っていますから、きっと何かがかわるんでしょう。でも、何がどうかわるんでしょうね。さっそく例文を作ってみましょう。

 

かわりに

とりあえず代用系

  • 今日は朝から忙しいので、朝食のかわりにエナジーゼリーでチャージします。

⇒本当は朝食を食べたけど、エナジーゼリーを食べる。ゼリーでも結果は必要な栄養がとれている。

  • 急な雨で傘がない! 傘のかわりに雑誌を頭の上にかざしてしのぎます。

⇒本当は傘をさしたいけど、雑誌を頭上に。結果は雑誌でもなんとか雨を防げる。

  • 電車の中でパソコンが開けない。パソコンのかわりにスマホでレポートを書きます。

⇒できればパソコンのキーボードでレポートを書きたい。でも、いま開けないからスマホで書く。書きにくいけど、書けないことはない。

  • 膝を痛めたのでジョギングするかわりにプールでウォーキングをしている。

⇒もともとジョギングが好きだったけど、膝に負担をかけたくないのでプールでウォーキング。プールでも必要な運動量は消費できる。

 

まずは、シンプルに代用でしょうか。本来使うものが使えない(使いたくない)ので、とりあえず(不十分だけど、応急処置的に、今回に限って)別のものを使って同等の結果を得ようとするときに「かわりに」が使われます。

give and take系

  • 今週残業するかわりに、来週は5日間の休みを取る。

⇒来週の休みのために、今週は辛いけど残業頑張る。

  • 私と結婚するかわりに、家事はあなたが全部やってね。

⇒男性は憧れの女性と結婚できるなら、今後一生続く家事は大変だけど苦ではない。女性は大嫌いな家事をしなくていいなら、たいして好きでもない男性のプロポーズを受け今後一生彼と暮らすのも苦では…、いや、苦か…?  …まあ、いいとしよう。

  • 日本語のレポートチェックしてもらえない? そのかわり昼ご飯おごるから。

⇒友人に日本語をチェックしてもらうために、昼ご飯程度の出費は仕方がない。

 

こちらは、利益を得る(与える)ために、同程度の不利益を受ける(要求する)ということですね。“give and take” で、お互いが “win win” になるための取引としても使えますね。

 

にかわって

同等レベルに置き換え系

  1. 社長は海外視察中で不在なので、今日は社長にかわって常務が挨拶を行った。

⇒本来は社長が挨拶すべきだが、不在なので常務が同等の行為をした。

2. 月にかわってお仕置きよ。

⇒本来は悪事を天から見ていた月がお仕置きすべきだが、月がわざわざ地球まで来てお仕置きはできないので、月の世界のプリンセス(?)であるセーラームーンがお仕置きをすると宣言している。

3. ピッチャー、佐々木に変わりまして、益田。

⇒佐々木投手に完投させたいところだが、佐々木投手の負担を考えるとこれ以上の投球はさせたくない、これまでと同様の仕事を益田投手が引き継ぐ。これは責任重大な局面ですね〜

 

これらの例文は「かわりに」にも置き換えられますが、「かわりに」のときに漂っていた「不十分ながら」という雰囲気がなく、むしろ遜色ない雰囲気を感じます。

1や3の例文のように交代しても同等の内容が求められる時には「かわりに」より「にかわって」の方がよさそうですね。ちなみに、先生の代講だと「かわりに」「にかわって」どちらもとれるような・・・なんだかな。

 

新旧交代系

  • 内燃機関にかわって電気モーターがこれからの世界のスタンダートになりそうだ。

⇒ガソリンエンジンなどの時代は終わり。今後は電気自動車などが主流になる。

  • どつき漫才にかわってシュールなコントが受け入れられるようになってきた。

⇒どついたり叩いたりしてとる話題は、今は受け入れられない。シュールなコントの方がウケる。

  • 残業する社員はまじめな社員だという考え方にかわって、最近では残業する社員は効率が悪い社員だという考え方が広がっている。

こちらは、「前件の時代はもう終わった、今は後件だ」というときに使いますね。紙の本から電子書籍、TVからyoutube、現金から電子マネーなど、いろいろな例文ができそうですね。

 

「かわりに」と「にかわって」は「かわりに」のほうがやや不十分というニュアンス、「にかわって」のほうが同等以上というニュアンスがありそうだ、というのが今回の私の気づきでした。

 

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