現役日本語教師に聞いた!面接&模擬授業で押さえておきたい5つのポイント

現役日本語教師に聞いた!面接&模擬授業で押さえておきたい5つのポイント

私たち現役日本語教師も他の講師による授業見学などがありますが、他の講師の前で授業をするのは何年たっても、何回やっても緊張するものです。ましてや採用時の模擬授業です。模擬授業は本当の学習者の前でレッスンをするわけではないので、リアルなリアクションが感じられず、正直とってもやりにくい特殊な状況です。緊張するのも、やりにくいのも当たり前!そんな状況の中で何に気をつけて日本語教師の面接&模擬授業に臨めばいいか、現役日本語教師から押さえておきたい5つのポイントをシェアします!

参加型のレッスン

チェックポイント

模擬授業の中での第一関門が「導入」です!また基本練習や応用練習などでは、学習者に何を・どのように・どのくらい発話させているかをチェックしています。

これはNG

  • 講師がしゃべりすぎてしまう
  • 単調でつまらない

ワンポイント・アドバイス

すべてのプロセスで学生を巻き込んで進めることができているかがポイント!「習った文型がサラッと口からでてくるにはどうすればいいか」を考えながら教案を作ると良いでしょう。

 

学習者の立場に立ったレッスンプラン

チェックポイント

学習者が日常生活で使えそうな、興味がありそうなトピックを準備してきているか。興味がないと分かった場合に柔軟に、臨機応変に対応できるか。また、なぜその導入文を選んだのかもチェックしています。

これはNG!

  • 準備したものをよかれと思って強引にすすめてしまう。
  • 学習者の気を引こうと思って奇を衒った場面設定やトピックを選んでしまう。

ワンポイント・アドバイス

学校によっては、「国籍はXX、ビジネスマン、〇人のクラスを想定してください」と事前に言われる場合があります。学習者によって導入で使う文は変わってきます。もし事前に言われなかった場合は使用するテキストなどを含め、確認しておくと良いでしょう。導入や会話の場面は言葉で長々と説明しなくてもわかるようなシンプルな場面設定で行うと良いでしょう。

 

リラックスして参加できるレッスン

チェックポイント

声の大きさやトーン、話すスピード、質問がないかどうかの声がけが適切かどうか。アイコンタクトをしながら頷いたり相槌を打ったりして話を聞く、話を最後まで聞く姿勢があるかどうか。

 

知りたいことがちゃんとクリアになるレッスン

チェックポイント

実際のレッスンではよく学習者から質問を受けることがあります。もちろん講師でも質問に答えられない場合があります。答えられなかったとしても、対応の仕方で印象は大きく異なります。模擬授業では生徒役の講師がわざと間違えて、間違いの訂正の仕方や質問への対応力を見ることがあります。

これはNG!

  • しどろもどろになる、かたまる
  • 相手が間違えているのに、そのままスルーしてしまう
  • 質問に対してあいまいに答えてしまう、わかったふりをする

ワンポイント・アドバイス

質問や間違いを訂正するときは、的確に、短く、わかりやすい文で。語彙や表現なら説明でなく、例文で答えられるといいですね。

 

見た目にもわかりやすいレッスン

チェックポイント

見せ方、見やすさ、動詞の活用などわかりやすい板書ができているか。絵教材などを効果的に使っているか。

ワンポイント・アドバイス

口頭で文型導入の後に、対面レッスンなら例文などをホワイトボードに板書します。オンラインレッスンならスライドで見せたりします。伝えたいことだけを見せる(余計な情報を見せないこと)がポイントです。何をどう扱うか確認しておきましょう。

 

 

最後に、日本語教師の面接&模擬授業で最も大切な「印象」について

教え方などテクニカルな部分に関しては、後から研修を受けたり、これから勉強したりすれば、努力次第で上達します。レッスンに慣れれば実力もついてきます。事前準備や練習をした様子がしっかり伝われば、完璧でなくても大丈夫です!面接や模擬授業などでは事前準備&練習でカバーできる部分が大きいですから、やればそれなりに成果は出るはずです。

テクニカルな部分のほかに面接官が重要視しているのが「印象」です(最後の最後でフワッとしてしまいますが・・・)。日本語教師は人と接する仕事です。人に見られる仕事です。「この人に日本語を教えてもらいたい」「一緒に働きたい」「学校のカラーに合う」と思えるかどうか、もっと話したくなる印象の講師かどうかは、これからレッスンをお願いする上で非常に重要です。

メラビアンの法則(3Vの法則)を聞いたことがありますか。

影響力 チェックポイント
Verbal:言語情報 7% 内容
Vocal:聴覚情報 38%

 

声の大きさ、トーン、テンポ、声調、口調
Visual:視覚情報 55% 表情、顔つき、視線、服装、態度

 

これは人の第一印象は出会って数秒で決まるというものです。どんなお仕事でも当てはまることかもしれませんが、日本語教師にとっても非常に重要です。面接&模擬授業は特殊な状況ですから緊張するのは仕方がありません。でも、いつもよりちょっと「明るく、笑顔で、堂々と」を心がけ、模擬授業&面接に臨んでほしいと思います。

自分がどう見られているか、自分をどう見せたいかを面接・模擬授業の前にチェックしてみてください。ぜひ録画や録音などをして自分を客観的に観察することをおすすめします。気がつくことがたーくさんあると思います。客観的に観察する力、これは日本語教師としても必要なスキルですので、やっておいて損はありませんよー!

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