英語だと思っていたら違ってた・・・和製英語(前編)

英語だと思っていたら違ってた・・・和製英語(前編)

英語だと思って、外国人に言ったら、外国で使ったら「あれ〜、通じないーっ!!!違うの〜(泣)」なんて経験ありませんか。私自身、アメリカで子どもたちの文房具を買い揃えるときにリストを見て軽くパニックになったことが・・・。

日本人は昔から外来語を上手に日本語に取り入れてきました。今回は英語の言葉を中心に取り上げますが、カタカナだからといって全てが英語由来というわけではありません。ヨーロッパ圏だと、パン(pain)はポルトガル語、アルバイト(arbeit)はドイツ語、アンケート(enquête)はフランス語、ノルマ(norma)はロシア語、ブリキ(blikje)はオランダ語からきています。缶や硝子などは漢字で書くので一見日本語のようですが、実はオランダ語が語源の外来語です。

カタカナ語の取り入れ方には色々なパターンがあります。まずは、エネルギー、メディア、アルコール、テーマ、カオス、ウロトラ、バニラなどは意味は同じですが、そのまま発音しても英語として通用しないものがたくさんあります。

また、シーツ、パンツ、スーツ、ソックス、ピーナッツ、ドーナツ、スポーツ、ジーンズなど、単数でも複数形[s]の英語を使ったりするものも日本語にはあります。これらは音の問題(日本語は開音節言語なので、すわりがよかった?)でしょうか。それとも、先人が複数形で聞くことが多かった(日本語には単数形と複数形がないから、気にならなかった?)からなのでしょうか。ソックス、シーツ、パンツなど対になっているものはなんとなく分かりますが・・・。

それから、パソコン、エアコン、プレゼン、コンビニ、アポ、オペ、リストラなどの省略形もありますね。これももちろん英語話者には通じません。

このように英語由来のカタカナ語は山ほどありますが、独自の変化を遂げて日本オリジナルになっているものがたくさんあります。今回は和製英語にフォーカス、5つのカテゴリーに分けて前編・後編でご紹介します。

そもそも外来語とカタカナ語って同じ!?

「カタカナ語」・・・現在の日本でカタカナで表記される語。主に外来語を指すが、和製英語についても言う。

「外来語」・・・主として欧米諸国から入ってきた語で、自国語と同様に使用するようになった語

「和製英語」・・・日本人によって作られた英語に似ている語、日本オリジナルの言葉

 

人や性格を表す和製英語15

皆さんもクラスでカタカナ語だから通じるだろうと思って言ったらポカーンとした顔をされたこと、ありませんか。「〇〇さんはうちのクラスのムードメーカーですからね」「どうして今日はそんなにテンションが低いんですか」「〇〇さんのチャームポイントはなんですか」などなど

な、なんと、これら全て通じません。衝撃的事実です・・・。

ハイテンション 英語のtensionは緊張や不安という意味。ハイテンションという英語はない。「テンションが高い」もおかしい。英語ならhyper, very excited。
ユニーク 英語のuniqueは「唯一無二の、珍しい、独特な」という意味
英語には「面白い」の意味はない。
アグレッシブ 日本語だと積極的、勇敢、活発でポジティブなイメージで使われるが、英語のaggressiveは攻撃的とか喧嘩っ早いというネガティブなイメージがある。
ムードメーカー その場を盛り上げる人という意味だが、英語でピッタリくる言葉はない。英語ならicebreakerが近い!?
ナイーブ 繊細なという意味の英語はsensitive、英語のnaiveは世間知らず、幼稚な、だまされやすいなどネガティブなイメージの言葉
チャームポイント 魅力的なところといったニュアンスで日本語では使われる。英語ではmost attractive featureまたは best featureと言う。
スマートな人 日本では細身でモデル体型の人を言うが、英語では頭の良い、気の利いた人のこと(*日本語でもこちらの使い方もする  スマート家電など)
スタイルがいい 日本では細身でモデル体型の人を表すときに使うが、英語でスタイルは様式、やり方のこと。英語ならslim, slender, thinを使用。そもそも容姿に触れるのはNG!
インテリ The intelligentsiaの略だが、若干ニュアンスは異なる。
コンプレックスがある 日本語では「人と比べて引け目がある」「劣等感を感じる」というニュアンスで使われる。英語ならweak point。その反対はstrong point。
レッテルを貼る レッテルはオランダ語のLetter、英語ではlabel
メリット・デメリット meritという言葉には長所という意味はない。全く同じニュアンスではないが、advantage/disadvantage   pros and cons(良い点・悪い点)が類語。
マイペースな人 英語だとmy own pace。
*”my” がつくマイカー、マイホーム、マイブームも和製英語
センスがいい 日本では主にファッション、音楽、ユーモアなどを褒めるときに使う。You have a good sense of humor. という言い方があるが、tasteのほうがしっくりくる。you have good taste(in music).
セレブ celebrityの略。英語だと有名人・著名人で「豪邸に住んでいるお金持ち」というのとは少しイメージが違う。

 

 

学校・仕事の道具関係の和製英語15

ここでは教室や職場で使う頻度の高い言葉を取り上げました。何気なく毎日のように使っている言葉ですが、これも英語とはだいぶ異なります。これから日本国外(英語圏)で日本語教師をされたい方、同僚との会話で使うかもしれません。

カンニング 英語ではcheating、cunningには「悪賢い」「ずるい」といった意味があるが使い方が違う。
シャープペン mechanical pencil
ボールペン ballpoint pen
ホッチキス ホッチキスは開発者の名前、英語ではStaple
ダンボール ダンボールの「ダン」は日本語の「段」。英語ではcardboard(boxes)
シール sticker シールという英語はあるが、日本人の認識とは異なる。
セロテープ scotch tape(米)sellotape(英)
ガムテープ duct tape, packing tape
クリアーファイル plastic document folder, clear folder
ノートパソコン laptop (パソコンはpersonal computerの略)
ノートパソコンに対して、普通のパソコンはdesktop (computer)
スマホ smartphoneの略
アプリ applicationの略、英語ではAppと省略する
バージョンアップ updated、機械ごと帰る場合はupgraded
コンセント outlet, plug, socket
マンツーマン・レッスン private lesson, one-on-one lesson (一対一の)

 

乗り物関係の和製英語 15

かつてアメリカで運転免許を取ったとき、事故があったときに聞いた車関係の言葉。てっきり英語だと思って、堂々と使って全く通じなかった苦い思い出があります・・・イギリス英語だとまた違う表現かもしれません。

ハンドル steering wheel
ウインカー blinker
ブレーキ brake pedal
アクセル gas pedal (acceleratorの略)
ボンネット hood
サイドブレーキ parking brake
バックミラー rear view mirror
チャイルドシート car seat
ナンバープレート license plate
クラクション horn
ペーパードライバー 相当する名詞はない
パンクする 英語の punctureから来ているが、あまり使われていない。
I had a flat tireが一般的。
パーキング パーキングだけでは通じないので、parking lot, car park
ガソリンスタンド gas station, service station, SS(ガソリンはgas)
エンスト engine stallの略 (engine stopの略ではない)

 

時々「日本人はカタカナ語をたくさん使うのに、なんで英語が苦手なの?」という質問をされます。一方で、「英語話者だからカタカナ語ならわかると思って、、、でも通じないんだけど」なんてこともあります。こちらに挙げた例はほんの一部にすぎませんが、日本語のカタカナ語は英語とはまったくの別物、カタカナ語は日本独自のものだということが少しお分かりいただけたのではないかと。とりあえず、本日はここまで。後編に続きます・・・

update 2022/10/13

コトハジメニュースレター登録しませんか?

Invalid email address
会員向けのワークショップや、日本語レッスンのヒント、
会員向けの求人情報など様々な情報をニュースレターでお届けしています。

Customer Reviews

5
0%
4
0%
3
0%
2
0%
1
0%
0
0%

    Leave a Reply

    Your email address will not be published. Required fields are marked *

    You may use these HTML tags and attributes: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

    Thanks for submitting your comment!