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日本語レッスンで英語をどう使う?【後編】
1月後半のMs.Hidariの勉強会は「日本語レッスンで英語をどう使う?」でした。基本、cotoのレッスンは基本「直接法」で行います。が、実際のクラス(英語圏の学習車のクラス)運営では、最小限の媒介語(英単語)を用いたほうが有効な場合もあります。今回は、Ms.Hidariが英語(英単語)での指示や使用場面、文法用語などなどを紹介してくださいましたので、そちらの様子をシェアします。
「日本語レッスンで英語をどう使う?」の論点は3つ!
- 英語をどう使う? HOW?
- 英語をどうして使う? WHY?
- 英語をどうして使わない? WHY NOT?
長くなりましたので、前編・後編に分けました。こちらは後編です。前編 『1.英語をどう使う?』はこちらの記事をご覧ください。
2. どうして英語を使う? WHY?
英語(英単語)を使うメリットには以下のようなものが考えられます。
- 緊張を和らげる(ゼロ初級クラスの初日などは特に)
- 明確な指示出し(スムーズなクラス運営)
- 文法理解の手助け(「可能形」「辞書形」などの文法用語は覚える必要がない。)
- 時間の節約(一対一で対訳のあるものは粘らずに、「本=book」でOK。学生は毎日日本語の勉強をしているわけではないので効率の良さもときに必要)
3. どうして英語を使わない? WHY NOT?
「どうして英語を使わない方がいいのか」というより、、、日本語レッスンにおいて、日本語ゼロレベルの学生が対象であっても「ここは英語を使わないほうがいいよ」という場面・場合があります。また、英語を使うことでの弊害も確実にあります。
ほめる場面
せっかく日本語を習っているので、”great!”よりも習っている言語で「いいですね!」と言われた方が学生は嬉しいはずです。
<例>
- いいです!
- すばらしいです!
- かんぺきです (はじめは、”perfect!” だったとしても・・・)
- すごいです!
日本語で言えるようになってほしい
学生がクラスで毎日のように使うフレーズ、学生自身が意思をもって言えるフレーズは積極的に日本語で言ってもらいたいですね。
<例>
- おねがいします
- しつもん、ありますか/ありません
- もう一度(一回)、お願いします
- だいじょうぶですか/だいじょうぶです
- わかりました / わかりません
講師側の英語の発音に問題がある場合
講師側の英語の発音に問題があって、コミュニケーションやクラス運営に支障がでてくるのは問題です。カタカナ語の発音では通じない、なんてことありますね。だからといって、講師が英語の発音で「experienceです」と言うのもなんだか変な感じです。学生が講師の使うカタカナ英語の発音に慣れてくれるまでは、英語でホワイトボードに書いたほうがよいかもしれませんね。
<例>
- Verbs ≠ バーブ
- Library ≠ ライブラリー
英語を使う弊害
英語(英単語)をレッスンで使うのはメリットもありますが、デメリットもあります。勉強会に参加してくださった先生方からも以下のようなデメリットがたくさん挙がりました。失敗から学んだこと、気がついたことがいろいろあるようで、みなさん試行錯誤しながら日々レッスンをされているのがよくわかりました。
- 一方通行で講義調になってしまう(インタラクティブなクラスにならない)。
- 学生同士が英語で話し始め、クラスの進行が停滞しがちになる。
- 日本語を話そう、日本語で理解しようというマインドセットが失なわれる。
- 日本語を話す機会が失われてしまい、学生のレベルアップの速度が落ちる。
- 学生が日本語の世界に入るチャンスを逃す。
- 英会話の授業のようになってしまう(これがクレームにつながることもある)。
- 先生が(英語が得意でないと)伝えきれない、間違って伝えてしまうことがある。講師側に高い英語力が求め続けられてしまう。
- いつでも学生が英語で質問していい雰囲気になってしまう。(先生が英語がわからない、ということが学生に(あえて)わかるほうが、学生側ががんばって日本語を話そうとする)
- 直接法のメリット(せっかく日本人の先生に日本語を習っている!日本語を聞き、話すチャンスがある)が失われる。
- 学生が「母語で考えて頭のなかで日本語に訳す」という習慣がついてしまうかもしれない。
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