JLPT読解 N2 & N1 攻略法

JLPT読解 N2 & N1 攻略法

JLPTで学習者が最も苦労するのが「読解」です。「読解」の点が低くて合格できない人が多いと言われています。「漢字が難しい」「語彙を知らない」「文法がわからない」「長い文章に慣れていない」「解き方のコツを知らない」など原因は様々です。

「読解」は語彙・表現・漢字など日本語の総合力が試される内容になっています。漢字・語彙・文法はコツコツ積み上げていくしかありません。(N2漢字1,000 語彙6,000、N1漢字2000 語彙10,000)総合的な力が高まれば、JLPTにもある程度対応できます。

ただ、JLPT読解では限られた時間内にいくつもの文章を読み、内容を正確に理解し、設問に的確に答えなければなりません。一字一句文章の文字を追うような読み方では時間内に終わらせることはできません。また、分からない語彙表現が出てくるたびに止まってしまうようでは文章の内容は理解できません。

JLPTの読解を攻略するためには、できるだけ多くの日本語を読むことはもちろん、メリハリをつけてスピーディーに読むためのコツを習得する必要があります。今回はそのコツについてご紹介します。

 

JLPT読解文を読むときのコツ

①本文を読む前に

「タイトル→問題文→選択肢」の順で読みます。

そこで出てくる言葉から本文の内容を予測するためです。どんなトピックの文を読むか、何に気をつけて読むのかを意識をして読むか読まないかでは頭には入ってくる情報の質が異なります。だら〜っと、フワッと、自由になんとなく読むのではなく、何が大事なのか見極めるために、本文を読むための準備をします。

②本文を読むときに意識したい接続詞

「大意を掴む」「答えは必ず文中の中にある」という意識を持ちながら本文を読みます。

私は読解指導をする際、「必ず手を動かしましょう」といっています。メリハリをつけて文章をスピーディに読むためです。キーワードを○で囲ったり、キーセンテンスにアンダーラインを引いたりして、大事なところをチェックを入れながら読みます。接続詞、指示語や文末表現も大切ですね。「意識の見える化」をしていきましょう!その印をつけたところを読めば、文の大意を掴むことができます。

読解を読むときに、必ずやってほしいことが大切な「接続詞」に印をつけることです!接続詞に印をつけることで、文の構成など大事なポイントが見えてきます。「ここは大事だからしっかり読もう」「ここはフワッとでOK」というメリハリをつけて読めるようになると、長文がスムーズにスピーディーに読めるようになります。それでは、具体的にどんな接続詞に注目すれば良いか見ていきましょう。

「しかし」「けれども」

・・・絶対外せないのがこれ!「〜である。しかし、私は・・・」のように、筆者の主張は後ろにくることが多い!

「しかも」「さらに」「そのうえ」

・・・添加して筆者の考えを補強しているので、これらの接続詞の後ろは強調したい部分!

「つまり」

・・・言い換えなので前と後ろは同じ意味。「つまり」の後ろはより強調したい部分!

「だから」

・・・前の文が理由や原因の文なので、「だから」の後ろには結論がくる!

 

JLPT読解の問題形式を理解する

答えを探すために、読解の試験でよく出題される問題の形式を知っておくことが大切です。以下の5つがすべてではありませんが、必ず出題されますので、要チェックです!これらは本文の内容を理解する手がかりにもなります。

① 指示語「これは何を指していますか」

指示語の問題のほとんどは指示語の前の部分に指している言葉がある場合が多いです。指示語の近くから探すのが鉄則です。この場合、下線部だけを読むのではなく、下線部を含む一文にアンダーラインを引いて読むようにしてもらっています。話には流れがありますから、答えのヒントがその一文に隠れています。

② 下線部「下線部とは何を指しているか」

これも、下線部だけを読むのではなく、その一文を読み、そこにアンダーラインを引きます。そこに出てくる言葉が他の言葉で言い換えられていることがよくあります。「キーワードとなる表現(言い換えや対比など関連する言葉)は○で囲む」をお勧めします。

③ 理由 「〜のはなぜか」

接続詞の「なぜなら」、または文末の「〜から」「〜ので」「〜ため」「〜て」を探します。理由がありそうな場所が見つかったら、その一文にアンダーラインを引き、丁寧に選択肢と読み比べます。選択肢が他の表現に言い換えられていることもあるので注意が必要です。

④ 5W1H「〜とあるが、なにか」「〜とは誰のことか」

この問題も②の下線部の問題と同じような読み方をします。問題文に「〜とは、どんなときか」など、大きなヒントがある場合もあります。本文に「とき」という言葉があったらラッキーですね。なければ、「とき」を表すような表現を探していきましょう。

⑤ 筆者の主張 「筆者が最も言いたいことは何か」

本文の中で何度も出てくる言葉はその文章のキーになっています。筆者が最も言いたいことは文章の終わりの方に出てくることが多いです。その中にはおそらくキーワードが含まれています。

また、このような文章には「このように」「よって」など、全体をまとめるときの接続詞が使われていることがあります。また、文末に「と思われる」「べきだ」「ではないか」「わけだ」など筆者の意思や主張を表す表現があれば、さらに答えに近い感じがしますね。このように、根拠となる言葉があればあるほど正答である可能性が高いので、迷いが少なくなるでしょう。

 

最後に

いかがでしたか。なんだか学生時代を思い出しますね〜。笑

「伝えたいことをより分かりやすく書く」ということを意識すると、構成はだいたい決まった形になってきます。自分が書き手になるとこれがよく分かります。日本人の私たちが作り手なのですから、自然とそうなるのです。論理的な文章は必ず出題されます。論理的な文章ほど今回ご紹介したコツは当てはまってきます。コツで点が取れるものは確実にゲットしていきましょう。

私はJLPT対策クラスを担当するのが好きです。同じゴールに向かって、目的意識を持って勉強する姿を見ると思わず応援したくなります。どうせするのであれば、身になるものを、そして楽しくできたら良いなと思っています。

このような試験攻略のための勉強方法は賛否があります。もちろんテクニックだけではどうにもなりません。ただ、このような練習をすることにもメリットはあります。ある程度学習の積み重ねがある学習者なら、たくさんの文章に触れることもできるし、語彙も身に付くし、スピーディに大意を掴むためのコツも習得できるので得るものがあるでしょう。

学習者も講師も、ぜひ良い形でテストを利用してもらえたらと思っています。

 

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