日本語教師の先輩体験談~日本語教育能力検定試験を受ける~

日本語教師先輩体験談~日本語教育能力検定試験を受ける~

いわゆる日本語教師の資格を取得する方法にはいくつかあります。(詳細は「日本語教師になるには」をご覧ください。)そのうちの一つが年1回実施される日本語教育能力検定試験の合格です。今日はAさんに、なぜ日本語教師養成講座に通わず検定受験を選んだのかからお聞きしました。

なぜ日本語教育能力検定の受験を決めたか

手っ取り早く、お金がかからないと考えたからです!

まず、日本語教師として働くには、以下の条件のどれかを満たす必要があります。

①大学を日本語専攻(もしくは副専攻)で卒業した

②420時間の養成講座を修了した

③日本語教育能力検定試験に合格した

日本語教師になりたいと考えた当時、私は既に日本語専攻ではない学部を卒業し、フルタイムで働いていたので、①は現実的ではないと考えました。

大学院に入学して日本語専攻で卒業ということもできますが、私のように早く日本語教師になって働いてみたいという人にとって、大学院に入学して卒業というのは随分と時間がかかってしまいます。

更に、日本語養成講座を実施している学校が近くにはない地域に住んでいたので、②も現実的ではないと思いました。

そこで、勉強をして合格をしてしまえば、日本語教師になれるという③の条件を満たせるよう努力するのが私には一番合っていると考え、日本語能力検定試験の勉強を開始することにしました。

最短で2-3か月で合格ができるということも聞いていたので、一発で受かってしまえばとてもコスパが良い資格だと感じ、一発合格を目指し勉強を開始しました。

日本語教育能力試験に向かって~お勧めの勉強の進め方~

試験4か月前

まずは、過去問を1年分解くのがおすすめです。いかに自分に知識がないことを把握することが目的であるのと、今後どんな勉強をしていけば良いか検討をつけることが目的です。

ここで、全然わからなくても落ち込みません。これから勉強していけばなんとなく解けるようになっていきます。

試験3か月前

過去問を解いたら、日本語教育能力試験対策本を読みましょう。

一通り理解しながら読むのに、1か月以上はかかると思います。更に覚えることも必要となってくるので、根気強く勉強をしていく必要があります。

何度も読んで、分からない部分にはマーカーを引いたり、自分の言葉で書き直したりすることで、理解を含めていくと良いでしょう。

試験2か月前

過去問を最低3年分~5年分解きましょう。

過去問が一番大切です。3~5年分を3~5周します。ただ問題を解いていくのではなく、正解した問題も、間違えてしまった問題も、なぜそうなのかと説明できるようになるまで日本語教育教科書で調べてみるのが大切です。

最初は全くわからなくて、あきらめてしまいそうになりますが、一か月も解き続けてみると段々分かるようになりますので、是非あきらめずに過去問を解き続けてみてください。

試験1か月前

過去問は100%正解するようにしておき、日本語教育能力試験の本の内容も分からない部分は分かるまで調べ、人に説明できる程度になっておくと安心です。

各科目の勉強方法

試験Ⅰ対策

独学で進めていく人間にとって一番の難関が試験Ⅰだと思います。初めて問題を解くと見たことがない記号や言葉がたくさん並んでいるように見えますが、一つ一つ調べながら分からない問題をつぶしていくようにしましょう。

また、実際の試験でも難問が出題されますが、難問を見つけても焦らず、分からないのは自分だけではないはず、と落ち着いて次の問題にいくことが大切です。

試験Ⅱ対策

試験Ⅱにはコツがあり、コツをつかむとほとんどの問題が正解するようになります。ただし、コツをつかむまではとても難しい試験に感じます。コツをつかむために、日本語教育教科書や、日本語教育問題集の問題を含めて何度も解き、全問正解を目指しましょう。

試験Ⅲ対策

社会的な問題が多く、覚えるだけなのでしっかり対策をすれば点数が取れるセクションです。普段からどのくらい日本語教育に関するニュースなどを見ているかなども重要になってきます。

試験当日

長丁場の試験なので、前日に睡眠を良く取るようにしておきました。

途中で集中力が切れてしまわないように、前日ゆっくり休むのはとても重要です。

仙台で受験をしたのですが、既に寒くなり始めている時期でしたので、受講場所によってはきちんと試験中に羽織れるような防寒グッズを持っていくようにしましょう。

試験結果

私は、試験Ⅰはボロボロでしたが、得意の試験Ⅱでほぼ満点を取り、試験Ⅲも8割以上取れましたので、なんとか合格することができました。

試験Ⅰで、「全然わからない、、」という気持ちで焦ってしまいましたが、気持ちを切り替え、試験ⅡとⅢに臨んだので、この二つの試験では高得点が取れました。

分からない問題に永遠と時間が取られてどんどん焦ってしまうのは勿体ないです。分からない問題に出くわしてしまったら、マークをして飛ばしてしまい、全部終わった後に落ち着いて解いてみることをお勧めします。

独学での合格は可能か?

市販の教材を読み込んで独学で合格している人もたくさんいるので、独学での合格は不可能ではありません。

勉強の為のまとまった時間が取れる人や、試験勉強が得意な人、コツコツ勉強することができるという人は独学でも十分合格できるテストだと思います。

私は、定時で退社できる会社で働きながら、約3ヶ月の勉強で取れました。日本語教師という仕事はとてもやりがいのある仕事ですので、是非興味がある人はトライして欲しいです。

日本語教育能力検定試験を合格したら先生デビューは簡単か?

試験に合格したと言っても、すぐに教えられる能力があるというわけではありません。

特に独学で勉強を進めた人にとっては、外国人がどのようなプロセスで日本語を習得していくのかまだイメージができていない状態だと思います。

そのような場合であっても決して落ち込まず、入社や採用面接まで、様々な講師向けの参考書や、学習者向けの教科書を読み進めると良いと思います。

※参考HP http://www.jees.or.jp/jltct/

※予告なく内容が変更となっている場合がありますので、より詳細は上記サイトをご確認ください。

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