日本語教師の働き方~公的プログラムに参加する~

公的プログラムに日本語教師として参加する

日本語教師として公的プログラムに貢献したい!そんな人の働き方の場合、どのような選択肢があるのでしょうか。いくつかの公的プログラムについてご紹介します。

公的プログラムの種類と特徴 

青年海外協力隊  

https://www.jica.go.jp/volunteer/application/seinen/job_info/japanese/

JICAの海外協力隊といえば、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。海外協力隊では様々な分野での活動が可能ですが、人的支援の分野で「日本語教育」隊員というものがあります。さらに、主に中南米地域発展のために現地の日系社会で活躍する日系社会(青年)協力隊という種類のものもあり、JICAでは日本語教育の分野で活躍することが可能です。実務経験を条件としない案件もありますが、クラス単位での授業をした経験があれば即戦力としてすぐに活動できます。

日本語パートナーズ 

https://jfac.jp/partners/

独立行政法人国際交流基金 アジアセンターが実施しているプログラムです。アジアの中学・高校へ派遣され、日本語教師、生徒のパートナーとして日本文化の紹介をしたり、授業でのアシスタントを勤めたりします。

応募には条件がありますが、日本語の特別な知識はなくても大丈夫です。年齢が満20歳から満65歳で熱意のある人なら、特技や人生のキャリアなどを生かせるチャンスがあります。

米国若手日本語教員(J-LEAP)https://www.jpf.go.jp/j/project/japanese/teach/dispatch/voice/j-leap/

こちらも独立行政法人国際交流基金のプログラムです。米国日本語教育の強化を支援するために若手日本語教員をアメリカの教育機関等へ派遣するという趣旨のものです。毎年夏に派遣され、任期は二年です。

プログラムの名称からもわかる通り、年齢には制限があります。派遣される年の4月1日時点で35歳未満である必要があります。また、4年制大学卒業、日本語教師有資格者、健康で運転免許を所有していること、さらに渡米前の研修への参加が必須等、細かな条件があります。応募する前に条件を一通り、確認しておくとよいでしょう。

JICE 一般財団法人日本国際協力センター 

https://www.jice.org/

全国各地の多文化共生事業に取り組む、一般財団法人日本国際協力センター(JICE)でも日本語教育を実施しています。JICEでは、外国人就労者を対象とする登録制の日本語教師を全国各地域で定期的に募集します。地域により異なりますが、基本的には1日に2~4時間程度の授業を担当するイメージです。特に夜間に稼働できる方は歓迎されます。日本語教師の有資格者で、一定時間の日本語指導経験が求められます(ボランティアと個人教授を除く)。

公的プログラムの参加条件

年齢

まず各プログラムに共通して応募条件で確認したいのが、年齢です。特に気を付けなければいけないのがJ-LEAPです。これは若手の日本語教員をアメリカに派遣するというものなので、もし、自分が「満35歳未満」という条件に会わない場合は他のプログラムでの活躍を目指しましょう。それ以外では、20歳以上65歳、70歳位までの方なら応募条件を満たせるものが多いですが、気になるプログラムがあれば確認してしましょう。

日本語教育に関する知識の有無

日本語教育に関する知識等の条件も、各プログラムによって異なります。海外協力隊や日本語パートナーズなら日本語教師の有資格者である必要がない場合もありますが、その他の公的プログラムでは資格と実務経験が求められるものが多いです。

公的プログラムで即戦力として活躍するためには、まず日本語教師としてのキャリアを地道に積むことがとても大切だといえるでしょう。

その他

運転免許の有無、授業経験時間数等、細かな条件を挙げているプログラムもあるので、事前の確認は必要です。ただ、もし、条件を満たしていなくても、努力を重ねたり、経験を積んでいくことで解決できるものであればぜひ挑戦したいものです。

公的プログラムの良いところ

人と違う経験ができる

公的プログラムの日本語教師として、他の人とは違う経験ができるのは最大の魅力ではないでしょうか。海外に行って日本語教師をすることになれば、授業以外でも現地の人と触れ合あったり、現地の言葉を習得する機会もあります。それらの経験はどんなひとでも皆が必ずできるものではなく、人生を豊かにする経験となることは間違いありません。

キャリアアップの武器になる

公的なプログラムという大きな事業の一員として活躍できるのは大きなメリットです。公的な事業での経験はキャリアを積んでいくうえでも、その後必ず大きな武器となるでしょう。

国際社会に貢献できる

さらに海外・国内どちらのプログラムであっても、自分が関わった人が日本語を習得し、大きく成長していく姿を見ることができることも魅力です。自分が日本語を教えた人々が地域や社会、さらには経済の発展にも大きく貢献していく人材へと成長するのです。つまり、日本語教師として公的プログラムへ参加することは、国際社会の発展に寄与できるということなのです。

公的プログラムの大変なところ

どこの国へ派遣されるか選べない

良いところがあれば、大変なところも当然あります。特に海外へ派遣さる場合、行きたい国や地域をあらかじめ選択することができない場合があるので注意が必要です。派遣国・地域は大まかに示されていても、希望通りに派遣されるとも限りません。知らない国で、知人もおらず、その国の食文化が自分に合わないこともあるかもしれないので、「どこに派遣されても大丈夫!」という人としての強さがキ経験と視野を広げるカギになります。

国内であっても通勤に苦労する場所への派遣となることがある

例えば派遣先が国内であっても通勤に苦労する場合もあります。派遣先が駅から徒歩1分などというような場所ばかりではないので注意してください。また、例えば一言で「神奈川県」と言われても、それが横浜かもしれないし、箱根かもしれないといこともあります(横浜ー箱根間の差は約79Kmもあります)。

大変な経験は、自分の財産となる

環境や就業先の場所で苦労することはあるかもしれません。しかし、日本語教師としての使命感をもち、任務を遂行することは、自分自身の大きな成長になります。苦労した分の経験は自分の財産となります。だから大変な思いをした人は、教師として、また、人として成長したことをより実感できるでしょう。

 

まとめ

以上、公的プログラムでの日本語教師についてご紹介しました。各プログラムにそれぞれの特徴や応募の条件があることがお分かりいただけたかと思います。これから日本語教師になる人も、日本語教師としてキャリアアップを目指していく人も、公的プログラムに参加して、なりたい日本語教師を目指してみてはいかがでしょうか。

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