新出語彙の導入(「初級日本語 げんき」編)

新出語彙の導入(初級日本語 げんきVer.)

Cotoでは初級のメインテキストは「げんき」を使用しています。先日、何人かの講師から「語彙の導入に悩んでいる、飽きさせずにやる方法はないか」というご質問をいただきました。

皆様は日頃、どのように語彙導入をしているのでしょうか。「げんき」の語彙のボリュームは多く(60個弱/課)、Cotoではそのすべての語彙を初回でいっぺんに導入します。「あれを飽きさせず楽しくやれる方法ってないかしら」、「あんなに一気にやって学習者の記憶に残るのかしら」とお悩みの先生は少なくないかと思います。

本当は新出語彙は事前に宿題として、読む練習+暗記をしてきてもらえたらいいんですけどね・・・。つべこべ言っても仕方がありません。皆さんお忙しいですから、その部分をクラスで一緒にやると考えてもらえると良いのかなと思います。

新しい言葉を覚えるとき、何か印象に残ることや連想するものがあると覚えやすくなるものですが、まあこんなにたくさんあるとなかなか難しいです。長い語彙リストを長く感じさせないために大事なのは「メリハリ」というわけで、以下に私の工夫(どうメリハリをつけているか)を紹介してみます。

語彙導入するときの工夫

①先生自身のマインドセット

「先生が思うほど学生は退屈していない」講師側のこのマインドセットは大事です。私も新米講師のころは、語彙なんて自分で覚えるしかないし、クラスでわざわざやる意味があるの?という思いもありました。

でも、長く教えているうちに学生のほうから「この言葉はどう発音するのか?」「私のイントネーションは正しいのか?」という質問をよく受けるようになりました。そして徐々に学生は「新しい語彙を学ぶとき、その発音をしたがっている(のでは?)」と思うに至りました。

で、ふと、ネイティブの発話を聞き、それらしく真似ることは外国語を学ぶ楽しみの一つであることも思い出したのです。(思い出してみてください。みなさんも外国語学習をする際、フランス語をフランス語っぽく、中国語を中国語っぽく発音だけでも真似られたら、なんだが自分がペラペラに話せる人っぽく感じたりしませんでしたでしょうか)

②「先生の発話を真似る」に飽きたら、オーディオの力を借りる

げんきには「日→英」「英→日」二つのパターンで語彙にも音声が付いています。「動詞」は先生に続けて読む、「形容詞」はオーディオの続けて読む、など品詞でメリハリをつけるのもアリかもしれません。

ちなみに、私は教科書の語彙リストを学生にはあまり読ませません。文字を追うことにとらわれるより、まずは音でつかむというのがいいと思うのと、かなを読むのに時間がかかる学生もいるので、時間の節約という意味もあります。

③品詞への意識

語彙全部を読み始める前に「はい、名詞のことばを覚えましょう」「次、い形容詞です」などと品詞の認識を持って入る。語彙の品詞ごとのボリューム感をビジュアルで認識させる(今回は動詞がいっぱいだ~)のも多少気分のメリハリが生まれそう(か?)。

④語彙の周辺情報を提供する

対義語(「寒い」の反対は?)、語の構成(「映画館」は「映画」と「館」から成り立っている)を提示するのは、語彙を覚えるのに役立ち、記憶のフックになるものをつくるために、非常に必要な活動だと思います。「映画館」ほかに「館」がつくことばは?なんて聞いてみて、「美術館」、「図書館」、「水族館」などというのが学習者から出てきたら最高です。こんな感じで広げていけるといいですね。

⑤コロケーション、助詞の提示

不思議と語彙単位(例えば「紹介する」)で導入するより、「~を~に紹介する」と文単位で教えたほうが、語彙が定着しやすかったりします。「計画」→「計画を立てる」とか「入れる」→「お茶を入れる make」「コーヒーにミルクを入れる take」などと言うと、英語とは違う表現スタイルなんだ~という発見もあったりなかったり…

⑥一度に全部やらない、今日の文型で使うところのみ扱う

決まったカリキュラムや時間の制限のないプライベートレッスン限定のやり方かもしれないですが、、、例えば14課「ほしい」という文型を導入→練習する回であれば、「ほしいもの=名詞」の語彙が必要なので名詞だけをしっかりやるなど、です。本来はこの方法が学習者への負荷が少なく最もいいのでしょうね。

 

語彙導入のフロー例

「はい、名詞です。20個あります。」

「リピートしてください」(本をみながら)

絵カードでもリピート(周辺状況の紹介:上記④⑤なども挟みながら)。

絵カードだけ提示して学生に言わせる。

おまけ:「拾う」の復習で・・・

ものや絵カードで「なんですか」と学習者に言わせる方法もあります。

私だったら、どこかにペンなど落としておくかな、T「すみません、ペンを・・・」S「拾ってください」なんて言わせるかもしれません。仕込みは大切。

また口頭でキューを出しながら、覚えているかどうか確認するやり方もあります。

たとえば、

T:「財布が落ちています。どうしますか?」→ S:「財布を拾います」とか

みなさまの工夫もシェアしていただけると嬉しいです!

 

コトハジメニュースレター登録しませんか?

Invalid email address
会員向けのワークショップや、日本語レッスンのヒント、
会員向けの求人情報など様々な情報をニュースレターでお届けしています。

Customer Reviews

5
0%
4
0%
3
0%
2
0%
1
0%
0
0%

    Leave a Reply

    Your email address will not be published. Required fields are marked *

    You may use these HTML tags and attributes: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

    Thanks for submitting your comment!