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JLPT N3対策ってどうしてる?(言語知識&読解編)
N3レベルは日本語学習(とくに非漢字圏の学習者)が超えるべきひとつの壁となっていて、準備なしに試験に望むのは難しいです。
まず、N3を受けたいという学習者を担当することになったら、日本語能力試験(JLPT)のホームページや公式問題集をチェックし、試験の形式、試験で求められているものは何かをよく知ることが合格への第一歩です。まずはじめに学習者に問題を解かせると、実力が図れ、どこに抜けがあるか把握できますね。作戦会議はそれからです。
今回はCoto講師の皆さんから出たアドバイスをもとにまとめてみました。
JLPT N3とは
N3の認定の目安
「日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる」 漢字は600字、語彙数は3000
学習時間の目安
450時間~600時間と言われています。ただ、こちらは学習環境によって異なってきます。Cotoの学習者は主に日本在住のビジネスパーソン(非漢字圏)で週に2回ほどレッスンを受けているという学習者が多いのですが、彼らにはN4合格後、最低1年は準備期間が必要、クラス以外でも自分で勉強する時間をとってほしいと伝えています。
N3の得点配分
言語知識(文字・語彙・文法) | 0~60点 |
読解 | 0~60点 |
聴解 | 0~60点 |
総合得点 | 0~180点 |
※N3の合格点は95点です。どのレベルも同じですが、JLPTには足切り点数があり、19点以下の科目があった場合、総合得点が95点以上でも不合格になります。この点は注意しておきたいですね。
JLPT N3対策(言語知識と読解)
漢字
「漢字ありき」。はじめから「漢字」に興味が持てる人が一歩リード。
ただ「漢字ありき」とはいえ、週数回のレッスンを漢字に費やすことはできません。自分でどれだけ漢字の勉強ができるかがポイントになってきます。漢字はその漢字を使った言葉を一緒に覚えるようにすると、語彙の知識も増えるので語彙対策にもなります。
語彙
N3とN4のギャップは語彙量の違いです。ここでも「語彙ありき」と言いたいっ!
漢字と語彙は切り離せない関係です。そもそも漢字が読めないと、語彙がわからないと、文法問題も読解問題も解けません。ですから、N3では語彙力アップは必須です。N3では漢字語彙、抽象語彙(社会・経済・環境など)が増えてきます。一対一の訳語では追いつきませんから、日本語を日本語で考える脳を鍛える必要があります。
おすすめはコロケーションを意識した学習です。コロケーションとは「迷惑 ー かける」「試験 ー 受ける」などのように、2つ以上の単語の結びつきやすい表現のことです。実際、この名詞はこの動詞と一緒によく使われるということを知っていれば、答えられる問題も多くあります。
私のお気に入りのテキストは『にほんご語彙力アップトレーニング(アスク)』です。N3対策というわけではありませんが、イラストが多く「語彙」の勉強というハードルが低いのに、「語⇒句⇒文⇒文章」とへと使えるようになる練習・タスクが充実しているところが秀逸です!
文法
たとえば、「文の文法2」や「文章の文法」は、使われる文法もN3レベルのものだけでなく、N4・N5レベルのものも多く含まれます。ですから、N5・N4で学習してきた内容がしっかりと定着していないと、どれだけN3の内容を勉強しても正解を導くのは難しくなってきます。とくに、受身・使役、て形を使ったやりもらい表現などは、文章の中でよく出ますし、意味を取る上でとても重要です。日ごろから多くの場面や文に触れておく必要があります。
また、似ているけれど伝えたいニュアンスの異なる文型、接続や語彙の制限(自動詞しかとらない、意志動詞をとる)など文法ひとつにしても注意すべき点が増えてきます。
読解
読解は苦手という学習者は少なくありません。実際、「読解」の点が低くて合格できない人が多いと言われています。
読解は限られた時間内にいくつもの文章を読み、問いに答えなければなりません。本文には、上の3つの要素(漢字・語彙・文法)が詰め込まれています。やっぱり「漢字・語彙ありき」です。とはいうものの、文章を読んでいると、わからない言葉が出てきますね。でも、読解問題をするときに辞書を使ってはいけません。辞書を使わないで、漢字や文脈から意味を推測することが大切です。
繰り返しになりますが、、、読解が苦手、点数が取れない原因はN3レベル以上だと、①漢字が難しい ②語彙を知らない ③文法がわからない ④長い文章に慣れていない / 書き言葉に慣れていない ⑤解き方のコツを知らない の5つです。①から③は言語知識(文字・語彙・文法)のパートで求められることと同じです。
④⑤に関しては読解ならではの問題です。
④の「長い文章に慣れていない / 書き言葉に慣れていない」ですが、N4までは会話中心で勉強してきたのに、N3になると、長い文章を書き言葉でスピーディーに読むことを求められます。まずはこのような文に慣れる必要がありますね。ただ、苦手意識の強い人はいきなり長いものを読むとなるとしんどいので、短い文から段階的に長い文にトライしていくと良いと思います。難易度が段階的にアップするテキストなどを使うといいですね。たとえば、N4を合格したばかりでN3を受験するまで時間があると言う学習者とレッスンで使用するなら『必ずできる! JLPT「読解」N3』がおすすめです。
⑤の「解き方のコツを知らない」ですが、基本的に必要な読解テクニックは、N2読解のやさしいバージョンという理解です。注意すべき点(接続詞・指示詞・文中の語の省略・言い換えなど)はほぼ同じ、パターンは決まっています。接続詞の後ろの内容を予測させたり、指示詞が指すものを確認したりしながらレッスンを進めていくと、学習者の読解力は着実に伸びていきます。問いの答えは必ず本文の中にあります。「この本文のキーワードは何?」「言い換えをしているのはどこ?」と問いかけてみてください。また、接続詞・指示詞ができてきたら、○で囲んで意識するくせをつけると良いでしょう。そうすることでメリハリのある読み方ができるようになってきます。(関連記事:JLPT読解 N2 & N1 攻略法)
And more…解説用語
レッスンで読解問題の解説するときに使うことば「本文、○行目、問題文、選択肢など」をはじめに伝えておくと、スムーズにレッスンが進められます。JLPTの試験では言い換えの問題がよくあります。「本文の何行目に書いてありますか」などと確認することができますね。
ちなみに、私は先日担当する中級クラスの学生に1冊ですべて学べる『パターン別徹底ドリル N3(アルク)』をおすすめしました。彼らのレベルと準備期間を考えた上で、さらに海外在住ということで複数のテキストを買うのは大変というのが理由です。私たち日本語教師は学習者に合わせて適切なアドバイス、サポートができるように準備しておきたいですね。敵を知り己を知れば百戦危うからず!
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