日本語教師の先輩体験談~昼は正社員、夜は副業で日本語教師~

日本語教師の先輩体験談~昼は正社員、夜は副業で日本語教師~

今日お話を伺ったTさんは、正社員として働きながら、生活者向けの日本語学校で夜間のレッスンを担当されています。今会社勤めをされていて、退職して日本語教師の世界に飛び込むか、まず副業で始めるか?そんな悩みを持っている方にはすごく参考になるお話を聞くことができました。

日本語教師を始めたきっかけ

昔から日本語教師に興味はありましたが、人に何か教える仕事は向いていないと諦めていました。数年前、喫茶店で数名の外国人が『みんなの日本語』を使い勉強会をしているのを目にした時、あんなテキストがあるのか、やっぱり面白そうだな、どうしたら日本語教師の有資格者になれるのかなと気になり調べたところ420時間講座を知り、数ヶ月後には受講を開始しました。受講中に日本語教育能力検定試験に合格し、現在勤務中の日本語学校の面接を受け採用してもらいました。

副業として日本語を教える

働き方

一般企業に正社員として勤務する傍ら、非常勤教師として日本語学校に平日夜(週3日)と土曜日に勤務しています。

仕事内容

1コマ50分、週10コマ程度担当。1クラス2〜6名程度のグループレッスンやマンツーマンレッスンで、初級レベルを担当。グループレッスンは学校のフレームに沿って教案を考えます。授業後には学校グループウェアに出欠や授業内容を記録します。コロナ禍でレッスン形態は一部オンラインになりました。主な生徒は日本で生活するビジネスパーソンです。

待遇 

コマ給1500円。グループレッスンは生徒二人目以降一人につき50円手当がつきます。また他に交通費が支給されます。

副業で日本語教師をして大変だと感じるとき 

私の会社員としての業務には残業や休日出勤があまりありません。それでも突発的に残業しなくてはならない状況もまれに発生します。日本語教師と兼業になってから、平日授業のある日は絶対に残業出来なくなりました。そのために業務の優先順位をいつも以上に意識して、定時に退社出来るようにしています。どうしても時間内に処理できないものは代替措置を提案したり、学校勤務終了後メールでフォローしたりしています。

また、兼業なので担当出来る授業数が圧倒的に少なく、経験時間が伸びません。技術や知識が積み上がっているのだろうか、このペースで上達するのかと焦る気持ちがありますが、今出来る事に集中して少しずつ着実に進もう!と前向きに考えるようにしています。

日本語教師としてやりがいを感じるとき 

最初は今一つ文を理解できずにいた生徒が授業内でわかってくれた時や、なかなか口が動かずうまくフレーズが言えなかった生徒が、練習を繰り返すうちに上手に言えるようになった時の明るい表情は見ていて嬉しくなります。いい反応だけでなく、そうでない反応も直接見られる事が、満足してもらえる授業をしたいというモチベーションに直結しています。これまでずっと顧客の意見をダイレクトに聞く機会のない業務に携わっていたので、これが自分にはとても新鮮で励みになります。でもなんと言っても一番やりがいを感じたのは、生徒から「勉強したフレーズを使った!日本語でコミュニケーションができた!」と聞いた時です。

これからダブルワークで日本語教師を目指す方へ

今の学校に採用してもらってから、早いものでもう1年半が経ちました。当時会社で社員の副業を認める環境が出来つつあったこと、同じころ検定に合格したことが契機となりこの仕事にチャレンジしました。

今はオンラインなどで個人的に日本語を教えることも一般的ですし、時間や場所の融通も効くのでそれも検討しました。しかし確固たる指導方法も身についていない自分がいきなりその働き方をすると、ただ日本語が喋れるだけの“自称日本語教師”になってしまいそうだったので、学校で働いて実践的な教え方を身につけることを第一に考えました。丁度興味のあった日本語学校が採用合同説明会にブースを出すことを知り、履歴書を持参して訪ねました。それが今働いている学校です。

兼業で初心者の自分が採用されたのは本当に幸運でした。最初はマンツーマンの授業を担当するのかなと漠然と考えていましたが、すぐにグループレッスンを担当させてもらうことになりました。一度に数名教えることが自分にできるのか不安でしたが(実際最初に教室に入った時に一斉に生徒たちがこちらを見た時の緊張感は一生忘れないと思います)、やってみると、他の生徒の発言が理解の鍵になったり、協調して教えあったりすることで理解が深まる現場を目の当たりにして、これがいわゆるピア・ラーニングか!と、グループレッスンの面白さを知りました。担当した生徒たちには少しでも多く知識や経験を持って帰れる楽しい授業をすることを目標に頑張っています…が、現実は厳しく、毎回授業前は今でも緊張するし、授業後は「もっとああすればよかった」「それともこうすればよかったのか」と悶々と考えてしまいます。

ダブルワークになったことで、会社員としての職務を客観的に見ることができるようになり、その仕事の良い面にも気づくことが出来ました。けれども、やはり日本語教師はやりがいがあります。日本での生活をより楽しく快適にすべく日本語を勉強している人たちのために、自分が普段何気なく使っている言葉や表現についてとことん考える作業は本当に面白いです。いずれは日本語教師としての仕事を増やしたい、そのためにどうすればいいか考えていますが、今はとにかく勉強・実践あるのみです。

既にフルタイムの仕事をしているけど日本語教師に興味があるという方へ。私は学校で働くのは難しいかと思っていましたが、今こうして働けています。ぜひいろいろな情報を集めて、ご自身のスタイルにあった働き方を探してみてください。

 

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