留学生向け日本語学校を選ぶポイント

潜辉 韦によるPixabayからの画像
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留学生向け日本語学校を選ぶポイント

地方都市の場合には学校そのものの数が少なく、通勤の便が一番にくるかもしれませんが、もし選択肢がある場合は以下のチェックポイントから、自分に合った学校を選んでみてください。チェックの方法は、公式ホームページやFaceBookなどのSNSを見る、全国日本語学校データベースや日本語教育振興協会の日本語教育機関案内を見る、学校見学に行く、面接時に質問するなどです。

学校に関する客観的情報

公式ウェブサイト

公式ウェブサイトは、日本語学校の顔です。学校の理念や基本情報を得ることができます。きちんとアップデートされていると好印象です。

理念、設置コース

もともと日本語学校は大学・専門学校などの高等教育機関への進学準備のためという意味合いが強く、進学コースが一般的です。しかし最近は看護や介護、観光などに特化したコースや、留学生以外の地域の外国人向けのコースを併設している学校なども増えています。

設立年、歴史、設立形態

設立形態は株式会社が多く、一部には学校法人やNPOなどもあります。非常勤講師として働く場合は違いはないでしょう。専任講師(社員)として働く場合は保険の種類などが異なります。

設立年は古い学校だと1940年代の設立です。一方2016年あたりから新規校ラッシュと言っていいほど新しい学校が増えています。新しい学校には良い点もありますが、実績が少ないという事実は否めません。日本語学校の経営は行政の方針、国際情勢、学生の出身国の経済状態などによって影響を受けます。それらの影響で学生数が減少したりしたときにどう切り抜けられるかが未知数です。

学生数、学生定員と定員充足率

学生数が少ない場合は、1つのクラスの中でレベル差が大きくなる可能性があります。クラスをレベルで分けて少人数クラスを作るとコストがかかるため経営の観点からは避けたいのです。レベル差があれば当然教師の側には工夫が求められます。

定員充足率はもちろん年々変わりますが、高いほうが学生募集がうまくいっていると判断する材料になります。

日本語教育振興協会加盟校か否か

以前は日本語教育振興協会加盟校でないと留学ビザ(そのころは就学ビザと言いました)の申請ができませんでしたが、現在はその要件はなくなっており、加盟するかどうかは各学校の任意となっています。加盟していれば研修会の参加費用が割引されたり、各種情報が得られたりします。

自己点検自己評価、第3者評価

自己点検自己評価とは学校運営や教育活動について日本語学校自身が自己評価をし、レポートを作成するというものです。法務省告示基準で年1回の実施が義務付けられています。ただし公表の仕方にきまりはありません。学校の公式ウェブサイトにきちんと掲載されていると学校の取り組みが伺えます。

第3者評価は義務ではありませんが、より客観的な評価ですので、信頼度は上がります。

全講師に対する専任講師の割合

日本語学校の仕事は授業だけではありません。学生の生活指導や進学指導などの比重が大きく、それらを担うのが専任講師です。経営側から見ると専任講師を雇用することはコストがかかることですが、極端に少ないと専任講師が日々の仕事で疲弊している可能性があります。

進学実績とJLPT合格率

これらで講師陣の教授能力や、学生の取り組みを知ることができます。もちろん就職を目的としたコースは別です。

契約に関して

契約形態

雇用契約が多いですが、業務委託契約の場合もあります。働くうえで日常的に違いはありませんが、労災の適用の有無など厳密に言えば違いはああります。気になる方は調べて納得の上で契約するようにしましょう。

待遇

非常勤ならまず時給あるいはコマ給を確認します。テキスト代またはテキストの支給の有無、交通費はどのくらい支給されるか、会議やイベントなどに参加した場合の手当ての支給の有無は学校によって異なりますのでこれらも確認が必要です。収入源として考えた場合は年間を通して何コマ担当できる見込みかも重要ではありますが、ビザの交付状況次第なので確約はとれないでしょう。

常勤の場合は普通の会社員と同じです。基本給のほかに各種手当、昇給・賞与・退職金の有無、残業代の支給要件などが待遇として重要です。

日本語教師として働く環境

授業

授業は見学させてもらえれば一番いいですね。学生の様子、使用教材、IT化、学校独自の教授法など、自分に合うかどうかは大きなカギとなります。

学校の設備

非常勤講師として勤めるなら授業の前後に授業準備をするスペースがあるかどうか、参考書籍や教材教具、使えるパソコンや文具があるか、wifi環境が整っているか、教員用トイレの有無など。細かいことですが、できるだけ快適に過ごしたいものです。

在籍学生の国籍バランス、学生数

以前は中国人と韓国人がほとんどでしたが、2010年ごろからベトナム、ネパール、スリランカなどのアジア諸国の学生が増えてきました。欧米人の多い学校もあります。

日本語学校はそれぞれが持っている伝手やルートに頼って学生募集をしているため、国籍バランスは偏ることが多く、学生全員が同じ国の出身者ということもあります。いい悪いはないのですが、全員が同じ国だと授業中に母国語でのおしゃべりが多くならないよう注意が必要です。

研修や勉強会

経験の短い教師の場合は、研修の有無は重要です。新人向け研修以外にも、在籍している教師間でお互いに切磋琢磨できるような雰囲気がある学校のほうがいいでしょう。

人間関係

最後に人間関係です。実はここが一番大きなファクターではないでしょうか。しかし入ってみなければわからないというのも事実です。

日本語学校においては教務主任の人柄は全体に大きく影響します。ちなみに校長は主任が兼務できたり、複数の学校を兼務できたりするので、影が薄い場合も多いです。主任のほかには古参の非常勤講師も影響力を持っている場合があります。もし学校見学が可能なら講師室の雰囲気にも目を向けてみてください。

その他のポイント

地域との連携

学校によって取り組み方はさまざまです。公式SNSなどから活動の様子がうかがえます。保守的な地方なら近隣との友好関係を築いておくのは良い取り組みでしょう。

おわりに

以上、細かく見てきましたがいかがでしょうか。

全てが理想どおりにはいきませんし、最初に書いたように通勤の便が一番大きな決め手かもしれません。しかし、少しでも後悔のない学校選びに役立てていただければ幸いです。

 

 

 

 

 

 

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