日本と台湾のビジネス文化の違い

ご近所さんだけどちょっと違う?日本と台湾のビジネス面での文化の違い

日本にとって身近な台湾だけど…

台湾と聞いたら、どんなイメージが浮かびますか?

日本から近い、食べ物がおいしい…

ここ数年、日本でも台湾という文字を見る機会が増えましたよね。

日本人にとっては身近な台湾ですが、ビジネスの文化となるとちょっと違いがあるようです。

今日は、私の台湾の友人からヒアリングした、日本のビジネス文化で違いを感じること、驚いたことをご紹介します。

日本のビジネス文化、こんなところがわかりにくい!

不満や悪いことを直接言わない

これは、日本人同士でもわかりにくいと感じる時がありますよね(笑)

台湾の友人たちは、下記の実体験をシェアしてくれました。

  1. 日本人の上司に台湾の果物を勧めた。上司は「ありがとう」と言って受け取ったが、本当はあまり食べたくなかったようだ。
  2. ある仕事の成果物を日本人の上司に見せた。その時の上司の指摘は婉曲的だったため、少しだけ修正が必要なのかと思ったら、後から追加の修正を指示された。

これらは、この記事を読んでいる皆さんも多かれ少なかれ経験しているのではないでしょうか。

この話を話してくれた友人たちに、「もし相手にはっきりと断られたり、自分の成果物の悪い点を指摘されたら、傷つかないか?」と聞いてみたところ、

1.の例では、「海外の見慣れないものを食べるのは気が進まない、ということは十分ありえると思うので、断られても気にならない。」、2.の例については、「(上司の国籍に関わらず)自分の成果物にたくさん指摘が入ってがっかりしたことはあるが、経験を積むにつれて気にならなくなった」と言っていました。

台湾は日本に比べてはっきりと主張する文化なので、「意見や考えの否定」と「人格の否定」をしっかり区別しているのではないかと思います。

ビジネスメール

日本のビジネスメールでは、「いつもお世話になっております。」から始まることが多いと思いますが、そのような定型文から始まることに、少し効率の悪さを感じるそうです。

台湾のビジネスメールでは、宛名を書き、(もしあれば)相手を褒めたり、お礼を書き、そのあと本題に入ることが多いそうです。

また、1.2.1の「不満や悪いことを直接言わない」にも通じますが、メールの文面も婉曲的で分かりにくかったり、いざ自分が書くとなったときに非常に時間がかかると言っていました。

日本でも、新入社員向けのビジネスマナー研修の一環で、ビジネスメールの勉強をしたりしますから、日本人でもビジネスメールに苦手意識がある人はいるのではないでしょうか。

部下に決定権がない

台湾の職場の構造は欧米と似ていて、管理職だけでなく、スタッフ1人ひとりに裁量があてがわれていて、ある程度個々人で仕事を進めることができるそうです。

なので日本のように、部下の権限が小さく、事細かに「報・連・相」が求められたり、一つ一つの決定に時間がかかるのは効率が悪いと感じるそうです。

日本の職場はチームプレイが基本なので、経験が少ない社員にとっては面倒をみてもらいやすいというメリットもありますが、経験を積んだ社員にとってはスピードが遅いと思うこともありそうです。

確認が多い

日系の銀行に勤めたことがある人の話では、コピーをするにも1人ではできず、必ず同僚と複数人で確認しながら行わなければならなかったそうです。

これは銀行というお金を扱う業界柄、特に厳しかったのだと思いますが、日本の企業では基本的に確認作業はとても多いですね。これは「1.2.3   部下に決定権がない」こととも関係していると思います。

目標を達成する時の考え方の違い

日本では、目標を達成するために、そのための準備や段取りをしっかり行うことを重視する傾向にありますが、台湾では目標を達成できるならば、どんな方法であるかはあまり気にしない傾向にあるそうです。

台湾の方たちももちろん事前の準備はしますが、不測の事態が起こることもあるので、その場で臨機応変に対応することも必要、という考えだそうです。

私は今、別の職場で台湾の方と一緒に仕事をしていますが、確かにこういう傾向があることをよく感じます。例えば、イベントを開催することになった時、事前に当日の流れを打ち合わせておくのですが、当日その段取り通りにいかなくても、上司や同僚から責められたことはあまりありません。失敗の理由よりも、予測不能の事態が起きた時にどう対応するかを重要視しているようにみえます。

スモールトークで天気の話が多い

これは今回指摘されて、初めて気が付きました(笑)

私の台湾の友人たちによると、彼女たちの日本人の上司は、スモールトークで天気の話をいつもしていたそうです。

台湾の場合は、「週末に何をしたか?」等の話題で話すことが多いそうです。台湾は夏が長いので、毎回天気の話だとあまり変化がない、ということも、天気の話をしない理由の一つかもしれませんね。

形式を重んじる

私の友人たちが挙げていたのは、服装や名刺交換の作法です。

台湾では、仕事でスーツを着ている人は少数派で(暑い気候も関係していると思います)、女性の場合、髪の毛をまとめるように言われることもないそうです。また、ハンカチを携帯しなければならない、というマナーもないとのことでした。(「じゃあ、汗を拭きたいときはどうするの?」と聞いたところ、大抵服の袖で拭うとのことでした。)

名刺交換については、受け渡しの手順も特にないとのことでした。

これも、少し規模の小さい「1.2.5    目標を達成する時の考え方の違い」と言えるかもしれません。仕事がちゃんと遂行できていれば、形式的な部分はあまり気にしないということではないかと思います。

文化の違いを理解して、よりよいコミュニケーションを目指そう!

今回台湾の友人たちにヒアリングをしてみて、もともと気づいていたものも、言われてハッとしたものもありました。皆さんはいかがでしょうか。

文化には良し悪しや優劣はなく、皆が他者の文化を知って、理解し、歩み寄りや妥協点を見つけていくのが理想だと思います。

日本語教師として、日本の文化を伝えて、日本語学習や日本での生活に役立ててもらうと同時に、学生さんそれぞれの文化にも寄り添っていけるといいですね。

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