名詞節の「こと」と「の」はどちらを使ってもいいの?

名詞節「の」と「こと」

「の」と「こと」は動詞を名詞化する働きがあります。

例1:漢字を覚える(こと/の)は難しい。

例2:彼は朝早く起きる(こと/の)が苦手だ。

例3:彼女が怒っている(×こと/○の)を見たことがない。

「の」と「こと」は基本的にどちらも使えますが、例3のように条件によってどちらか一方しか使えない場合があります。また、どちらも言えるが「の」が使われやすいケースや「こと」が使われやすいケースもあります。

学習者からよく聞かれる質問ですので、聞かれたときにパッと答えらるように、一度体系的に整理をし、例文をストックしておくと良いでしょう。

それでは、さっそく例文で確認していきましょう。

「こと」しか使えない場合

① 「です・だ・である」の前は「こと」だけ: 私の趣味は絵を書くことだ。

 

② 定型表現

可能:この飛行機ではWi-Fiを使うことができます。(V辞書形+ことができる)

決定:明日から、毎日ジョギングをすることにしました。(V辞書形+ことにする/ことに決める)

経験:まだ、富士山に登ったことがありません。(Vタ形+ことがある)

反復:このバスはよく遅れることがある。(V辞書形+ことがある)

 

「の」しか使えない場合

①「の」+知覚動詞(見る・見える・聞く・聞こえる)

  • さっき、田中さんが出ていくのを見たよ。
  • 彼女が髪を切ったのに気がつかなかった。

 

「止める」「手伝う」「待つ」の前

  • 片付けるのを手伝ってくれない?
  • 全員そろうまで食べるのを待ちましょう。

 

強調構文「〜のは・・・だ」

  • 日本語を勉強するとき、一番難しいのは漢字だ。
  • この店で一番人気があるのは、ハンバーグだ。

「こと」より「の」が使われやすい場合

感想・評価:料理を作るのは楽しいです。 (V辞書形+のは~です)

嗜好・能力:絵を書くのが好きです。   (V辞書形+のが~です)

行為:   宿題をするのを忘れた。   (V辞書形+のを忘れた)

 

「の」より「こと」が使われやすい場合

「大切だ」「必要だ」「考える」「伝える」「約束する」の前

  • 健康のために、日常的に運動することが大切だ。
  • 連絡があったことをお伝えください。

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