日本語教師に求められる役割とは パート3
前の2回の記事では日本語教師に求められる下記の二つの役割についてお話ししました。(まだ目を通していない方はぜひこちらから⇨パート1:モチベーター、パート2:サポーター)
ここからは日本語教師として日々のレッスン準備でいっぱいいっぱい!というレベルを超えたあとの中級編です。
ガイド
今回紹介するのはガイドの役割です。
ガイドという言葉、「観光ガイド」「登山ガイド」などいろんなところで使われている言葉ですね。今回お伝えしたいのは、「日本語学習者の皆さんの目標達成への道のりを案内できる」という意味でのガイド役です。
みなさんが教えている日本語学習者のみなさんは、日本語を勉強してどうなりたいと思っているでしょうか。そして、今いる場所はその道のりのどのあたりにいるのでしょうか?
日本人と日本語だけでコミュニケーションが取れるようになりたい、日本語で仕事ができるようになりたい、他にもいろいろな目標をもって日本語を勉強しているはずです。
学習者の目標達成のために、私たちが日頃からできることはどんなことでしょうか。
(1)今どのレベルにいるのか。
(2)・目標のレベルに到達するには、どんな道を経ていくべきか。
・その道のりが長いのであれば、どのようなマイルストーン(小さな目標)を置いていくか。
今どのレベルにいるのか。
学習者が「今いる場所はその道のりのどのあたりにいるか」と聞いて、ぱっと思いつく評価活動といえばテストでしょう。
テストにもいろいろありますが、大きく分けると、学習した内容がどれくらいわかっているかを測る到達度テスト(Achievmet test)と熟達度テスト(Proficiency test)があります。熟達度テストでもっとも代表的なテストといえば日本語能力試験(JLPT)ですね。JLPTの他にも国内外でさまざまなテストが行われています。(※他にどんな試験があるか知りたい方はこちらのサイトへ)
ただ評価はテストばかりではありません。日常的なレッスンの場でもいろいろなフィードバックが行われています。テストでも日常的なフィードバックでも、私たちは「何のために」「どのような基準に基づいて」行うのかを常に考えて評価する必要があります。
そのために、私たち教師一人一人が評価について正しい知識を持ち、評価する技術を身につけておくことが大切ですね。
評価については次回の記事「エバリュエーター」で改めて書かせていただきます。
目標のレベルに到達するには、どんな道を経ていくべきか
学習者のニーズにあったよりカリキュラム作るとき、彼らがどこを目指し、今どのレベルにいるのか、何が得意で何が苦手なのか、などを正確に把握する必要があります。学習者自身のことや彼らを取り巻く環境を的確につかむことも重要です。教師は、その上で適切な目標を設定し、それぞれにあったカリキュラムをデザインする能力が求められます。
学校で働くと専門のスタッフが行うことが多いですが、CtoCではそのような機能はありません。学習者のニーズを最大限に尊重し、どんな項目を、いつ、どのように教えるか決め、ガイドするのは教師です。
どうすれば学習者にとってベストな道が探れるのか、これは日本語教師の腕の見せ所です。自分でもできるようになっておくと長期間にわかって学習者を文字通り”ガイド”できる日本語教師になることができるでしょう。
これらを教師として伝えることができれば、学習者の皆さんは安心してその先生との日々のレッスンに集中することができるでしょう。
Customer Reviews
Thanks for submitting your comment!