「形容詞+て、動詞」文について考えてみた 先々月の出来事。JLPT N1を受けるから1ヶ月頑張ってみると、ヨーロピアンの学生がクラスに来ました。彼女はバックパックひとつで世界中を転々とする旅人なのですが、「荷物が多くて入りません」と、いろんなものをバックパックからぶら下げていました。JLPTが終わったら、冬服は人に譲って身軽な状態でオーストラリアに行くそうです。「最近は飛行機代が高くて困る」と言っ...
意外とややこしい「~てしまった」を考える 以前『日本語教師のキモ!例文作成』でレッスン前には準備が大切ということで、例文作成から文型分析の手順について「〜てしまった」を例に挙げたのですが、今回は「〜てしまった」をもうちょっと深掘りしてきたいと思います。 本日の深掘りポイントは、「~てしまった」はどんな時に「完了」になり、どんな時に「残念・後悔」の気持ちを表すのか、です。 「〜てしまった」のポイント...
「~ませんか」と「~ましょうか」は同じ意味!? 人を誘うときの「ませんか」と「ましょうか」って、私たちはどう使い分けているのでしょうか。初級の最初のころに出てくる表現で一見簡単そうなのですが、対人関係に配慮した表現なので、実際使うとなるとちょっと注意が必要です。初級でどう教えたらいいか、いっしょに検証してみましょう。 例1 A:お1人ですか?いっしょに飲みましょうか。 B:いいですよ。 例2...
例トレ#8 なぜ「存在文」を習う必要があるのかを考えてみた 今回のお題は存在文の「ある・いる・ない・いない」です。「〜に~が あります・います」といえば、初級の初級に導入するど定番文型。みなさんはこれをどんな場面で導入してらっしゃいますか。公園?町?部屋の中?? 私たち日本語教師が日本語を教えるための基礎知識として習うのはこちら。 でも、この文型って導入したとき、必ずといっていいほど学生に「で?」...
英語話者に多い「行く」と「来る」の言い間違え 母「晩ごはん、できたよー」 娘「はーい、今行く(例1)」 この「今行く」、英語なら”I’m coming!” になります。 “I’m going.” とは決して言いません。もし “I’m going.” なんて言ったら「え、これから出かけるの?」と言って、片づけられてしまうかもしれ...
動詞の分類:意志動詞と無意志動詞 日本語の動詞はいろいろな切り口で分類することができます。(参照:日本語文法の基礎 動詞) たとえば、初級のレッスンの最初にでてくる「ある・いる」などの存在動詞、「行く・来る・帰る」などの移動動詞、初級中盤以降になると自動詞・他動詞がでてきます。 先日、「〜ように」と「〜ために」は一緒ですか?という質問を受けました。よくある質問です。この使い分けに関する質問を受けた...
例トレ#6「可能動詞」の意味・機能について今一度考えてみた 例文トレーニング、今回は「可能動詞」です。 先日、ある学生から「可能動詞って、いつ使うんですか?便利なんですか??」という、ある意味衝撃的な質問を受けました。(とはいえ、こういう質問する人、私の講師人生では初めてではなかったのですが…) 日本語教師としては「可能動詞」って最強じゃない?ぐらいに思っていたのですが、その学習者は...