【日本語教師】オンライン授業で使えるアイスブレイク10選― 日本語レッスンが盛り上がるアクティビティ ―
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心の距離を縮めるアイスブレイク
以前の記事 【日本語教師】オンラインレッスンの難しさとは?【前編】― 現場で感じた6つのリアル ― の中で、オンライン授業には、対面よりも心理的な距離が縮めにくい側面があることに触れました。
その際に、「オンライン用のアイスブレイクもいろいろ試してきたので、機会があればご紹介します」と書きました。
例えば、こんな場面ではアイスブレイクが有効だと考えます。
・授業の時間が少し余ってしまった
・クラスの雰囲気が、なんとなくよそよそしい
・心の距離を縮めて、場を温めたい
・学生の「日本語を話すのが怖い」という気持ちを和らげたい
・安心して発言できる場をつくりたい
・楽しみながら語彙を増やしてほしい
・日本語を話す楽しさを感じてほしい
今回は、このようなときに役立つ「オンライン授業で使えるおすすめのアイスブレイク&アクティビティ」を10個ご紹介します。
オンライン授業は、対面に比べて制限が多く、「できることが限られる」と感じる方もいるかもしれません。
でも実は、オンラインだからこそできるアクティビティもたくさんあります。
実際に私が授業で試してみて、「盛り上がったもの」もあれば、「ちょっとズッコケたもの(笑)」もあります。
アイスブレイクを使うときの注意点もお伝えしますので、授業づくりのヒントとして参考にしていただければうれしいです。
おすすめアイスブレイク&アクティビティ10選
PL(プライベートレッスン)かGL(グループレッスン)か、適正人数、必要な時間、学習者のレベルを載せましたので、参考にしてみてください。
①文字 or イラストあてゲーム
GL(グループ) / 人数:4人~ / 時間:10分~ / レベル:初中級~中上級
教師が提示した文字やイラストを、ヒントをもとに当てるペアゲームです。
ジェスチャーは禁止。3分間で一番多く正解したペアが勝ちです。
例:太陽(文字かイラストを提示)
教師が文字やイラストを提示している間、回答者には目をつぶってもらいます。その後、ペアになった人が回答者に、「空にあります」「大きいです」「昼です」などのヒントを出していきます。答えられたら、次の問題を提示…を繰り返していきます。
cotoには、単語&イラストカードがあるので、それを使うと、ほとんど準備の必要はありません。
②「これはなんでしょう」クイズ
GL(グループ) / 人数: 3人~(10人以上でも可) / 時間:10分~ / レベル:初中級~中上級
学生が順番に、問題を出したり、答えたり、リアクションしたりで、役割が交代していくゲームです。少人数でもできますが、6〜10人ぐらいでやった方が面白いと思います。
「家にあるもの」などの縛りをつけて、回答者がクローズドクエスチョン(YesかNoかで答えられる質問)をしていきます。一番少ない質問数で回答した人が勝ちです。
例:牛乳
出題者が回答者以外の人に、実物の牛乳を見せます。回答者にはその間目をつぶってもらいます。
回答者が「それは食べ物ですか?」「それは冷蔵庫にありますか?」「毎日使いますか?」などのクローズドクエスチョンで質問していきます。
質問に対して、回答者以外の人が、手で〇か×のジェスチャーをします。全員〇か×のときもありますが、人によって〇か×か分かれることもあり、それがこのゲームの面白さです。
以前、私がこのゲームに学生として参加した時に、問題に出されたのが牛乳でした。「それは冷蔵庫にありますか?」と質問した時に、〇の人と×の人とで分かれました。
「え〜!どっちなのよ~!」と混乱する私を見て、クラスメイトたちがニヤニヤ。「それは…白いですか?」と質問した時は、みんながサムズアップ!盛り上がりました。
③カメラ横からチラ見せクイズ
GL(グループ) / 人数: 3人~(10人以上でも可) / 時間:3分~ / レベル:初級~中級
これは、オンラインだからこそできるゲームです。
手に持てる大きさの何かしらのアイテムを用意します。パソコンのカメラの横からどアップで、ゆっくりスライドして見せていきます。一部しか映りませんし、カメラから近いのではっきり映りません。分かった人からどんどん答えていき、正解数が多い人が勝ちです。
語学レベルに差があっても楽しめるゲームです。
納豆パックでやったことがあるのですが、ぼんやり映っている白いものに「ティッシュ!」「ノート?」「え〜何〜(笑)」と、けっこう盛り上がりました。
④サイコロトーク
PL(プライベート)・GL(グループ)両方OK / 人数: 1~5人 / 時間:10分~ / レベル:初中級~上級
これは説明不要のアクティビティだと思います。
一人ずつサイコロを振って、別々のトピックで話してもいいですし、一回サイコロを振って、全員同じトピックで話すのもアリだと思います。
ただ、6つのトピックは、学習者のレベルに合わせる必要があります。
初級だったら「好きな日本の食べ物」「好きな日本の場所」のような答えやすいものが良いと思いますが、中級以上だとそれだと物足りないので、「恥ずかしかった経験」「困った経験」などのトピックが良いでしょう。
ちなみにサイコロは、サイコロWEBアプリなどのサイトを使うと便利です。
⑤しりとり(縛りあり)
GL(グループ) / 人数: 3人~ / 時間:5分~ / レベル:初級~中級
こちらの記事(日本語授業で時間が余ったときのアクティビティ3選【準備なし10分タスク】)でも紹介されている対面授業でもお馴染みのゲームです。
自分自身のことを話さなくてもいいので、心理的にも楽なゲームです。ある程度人数が多くても、テンポよく進むのも良い点です。非常にシンプルなゲームですが、意外と盛り上がります。
ただのしりとりではちょっと面白みに欠けるので、「名詞のみ」「漢字のみ」「3文字以上」など、縛りをつけるといいでしょう。
⑥嘘を見抜け!
GL(グループ) / 人数: 3人~ / 時間:10分~ / レベル: 初中級~中上級
お互いを知るためのアイスブレイクです。
自己紹介文を3文作ります。その中の1文に嘘を紛れ込ませます。どの文が嘘かをあてるゲームです。どれも嘘っぽい文を作るのが盛り上がるポイントです。教師が面白い例文を事前に作っておくと、スムーズに進みます。
⑦これを書いたのはだれ?
GL(グループ) / 人数: 4人~ / 時間:10分~ / レベル: 初中級~中上級
これもお互いを知るためのアイスブレイクです。かつ、文書作成や文型理解にも役立ちます。
作文を読み、誰が書いたかを当てます。文章を作るのにある程度時間がかかるので、宿題にしておくといいでしょう。作文に使う文型を指示しておくと、学習効果を高めることもできます。
おすすめのテーマは「昨日の一日について」です。時系列に沿って書けばいいので、書きやすいテーマですし、て形や接続詞の使い方をチェックすることもできます。
⑧数字早書き対決
GL(グループ) / 人数: 4人~ / 時間:5分~ / レベル: 初中級~中級
学生にノートや紙を用意してもらいます。教師が数字を言います。それを学生に書いてもらって、「せーの!」で同時に出して答え合わせをします。
「10万」は「十万」と書かず、100,000 と書いてもらいます。「ゼロは何個??(笑)」と笑いが起きます。という私も、millionとかbillionとか、大きな数字にいつも混乱します。
それから、「50500」と「50050」とか紛らわしい問題を出してもいいかもしれませんね。
⑨ビンゴっぽい数字読みゲーム
PL(プライベート)・GL(グループ)両方OK / 人数: 1~5人 / 時間:5分~ / レベル:初級
初級で数字の読み方が出てきますよね。もちろん普通にテキストで練習してもいいのですが、その練習に少しゲーム性を持たせたものです。
ネット上には、ビンゴルーレットマシーンのようなビンゴゲームができるサイトがたくさんあります。1〜99までの数字を読む練習に使えると思います。
⑩一致するまで終われまテン
GL(グループ) / 人数: 4人~ / 時間:10分~ / レベル:初中級~上級
まずはこちらのサイトをご覧ください。なんかクイズ番組で見たことはありませんか?
あれっぽいツールがオンライン上にいくつかあります。このツールは、クイズだけでなく、チームメンバー間で様々なゲームを楽しめるようになっています。
クイズ大会をしてもいいですし、「全員の答えが一致するまで終われない」というゲームにしても盛り上がります。
私がこのようなサイトを知ったのは、年末にあったcotoのオンライン交流会でのこと。集まった講師とスタッフさんで、今年の漢字一字を書いて掲示。そのあと、書いた漢字について語り合ったのでした。他にもいろいろな使い方ができそうですよね。
アイスブレイクで気をつけたいこと
ここまで、私が実際に参加して面白かったゲームや、授業で取り入れて盛り上がったアクティビティをご紹介してきました。
ただ、すべてがうまくいったわけではありません。
ゲームそのものの良し悪しというより、学生のレベルや性格によって、反応が変わることがあるからです。
オンライン・対面に関わらず、アイスブレイクを行う際には、いくつか気をつけたい点があると感じています。
① 勝負事が苦手な人もいる
まず、勝負事があまり好きではない人もいる、ということです。
例えば対面の授業で、カルタをやってみたことがあります。
日本の伝統的な遊びを体験してほしくて取り入れました。
本格的な競技カルタではなく、教師が読み上げる札の最初の音さえ聞き取れればできる遊びだったので、レベル面はそれほど気にしていませんでした。
しかし実際にやってみると、「他の人より早く札を取る」という勝負性が影響したのか、闘志メラメラの学生に押されて、遠慮して札を取らない学生が出てしまったことがありました。
② グループ活動が苦手な学生もいる
次に、そもそも他者とコミュニケーションを取ること自体を億劫に感じる学生もいる、ということです。
これも対面授業での例ですが、チーム戦のカードゲームに参加しない学生がいました。
私は参加するよう促しましたが、その学生は他の学生と目も合わせませんでした。
ところが、しりとりになると嬉しそうに参加していたのです。
おそらくですが、個人で行う活動は得意でも、グループでの活動が苦手なのかもしれません。
「そもそもコミュニケーションのためのアクティビティなのに…」と思うかもしれませんが、そういうタイプの学生もいる可能性がある、ということは知っておいた方がよいでしょう。
まとめ
アイスブレイクは、クラスの雰囲気をやわらげたり、学生同士の距離を縮めたりするための大切な時間です。ちょっとしたアイスブレイクが、クラスの雰囲気を大きく変えることがあります。
すべてを使う必要はありませんが、いくつか「引き出し」を持っておくと、授業がぐっと楽になるでしょう。
ただ、すべての学生に同じ形が合うわけではありません。
クラスの様子を見ながら、無理のない形で取り入れていくことが大切だと思います。
この記事でご紹介したものの中から、皆さんのクラスに合いそうなものが一つでも見つかればうれしいです。
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