Contents
スポット講師向け勉強会レポート クラスで英語をどう使うか?
3回目の合同勉強会テーマは「媒介語をどう使う?」
本年より月に1回スポット講師(※)向けの勉強会を開催しており、先日3回目の勉強会が終わりました。
※スポット講師とは
業務委託講師として、主に企業派遣レッスン(対面またはオンライン)、Cotoでの短期レッスン(キッズコースやプロジェクトなど)を担当
この勉強会は、Cotoで定期的に開催している内部講師向けの勉強会のうち、一部の勉強会の参加枠をスポット講師まで拡大したものです。なお、勉強会の詳細・お申込み方法などはこちらの記事(2025年、月1でオンライン勉強会を開催します!)でご確認ください。
1回目の勉強会は、1月22日に開催されました。Cotoでもおなじみのテキスト『Nihongo Fun and Easy 1』の使い方についての内容でした。
2回目は、2月19日に「活用形から学ぶ文型テキスト『Nihongo Fun and Easy 2』を使ってみよう」というテーマで開催。
勉強会の様子はコチラの記事(あなたも参加しませんか?オンライン勉強会【毎月開催】【要申込・無料】)に記載しましたので、よろしければご覧ください。
そして3回目は、3月19日(水)20:10〜21:00に「クラスで英語をどう使うか」をテーマに開催。講師は、Fun&Easy著者であり、Coto麻布講師でもある左弥寿子(ひだりやすこ)さん。助詞の説明やクラス運営でどのように英語を使うか、英語を使う際の注意点などのレクチャーの後で、誤用訂正の仕方についてグループに分かれてのディスカッションもありました。
実は私は、Cotoに入って間もない頃に、同じテーマの勉強会に参加していました。
その当時は初めて知ることばかりで、内容を吸収するのに一生懸命で、あまり余裕がなかったのを思い出します。あれから1年以上が経ち、あらためて同じテーマの勉強会に参加してみると、内容がスっと頭に入ってきました。「わかるわかる」「うんうん、私もそうしている!」と実感を持って参加できるようになり、自分自身の成長も感じることができました。
この記事では、参加者から事前に受け付けていた質問への回答と、参加者した方の声をお届けしたいと思います。
クラスでの英語について、Q&Aコーナー
では、参加者から事前に受け付けていた質問(一部)に対して、講師の左さんからの回答をご紹介します。
講師or学習者が英語が苦手なのですが…
Q1.文法の説明が、媒介語だと難しいなと感じることがあります。また、テキストに載っている英語に翻訳された例文が、自然な英語ではない場合があります。自分で自然な英語にすべきでしょうか。
A1.講師が英語ネイティブでない限り、積極的に説明・翻訳しないほうがいいかなと思います。日本語で例文や文脈をたくさん提示して、学生が自ら意味を見出すのがベストですね。
Q2.講師・学習者双方に、媒介語の習得度・修練度が怪しいとき、使わないほうがいいのでは?
A2.はい、そう思います。なお媒介語を使って教えるための英語力の目安は、英検だと2級以上、 TOEICだと550点以上でしょうか…(体感的に)
(ライター補足)
Cotoの学生さんは、英語ネイティブかそれに準じる英語力の持ち主がほとんどですが、まれに英語が苦手という方がいます。
レッスンで使う市販の教科書もCotoのオリジナル教材も、英語話者向けのものがほとんどなので、私自身も「学生は英語ができるもの」「教師も英語ができて当たり前」といつの間にか思い込んでいた節があり、英語が苦手な学生へのレッスンに苦手意識を持ってしまったこともあります。
英語での説明に慣れすぎてしまった弊害について、こちらの記事(日本語教師の働き方:告示校で働いてわかったCotoとの違い)に書きましたので、よろしければご参照ください。
学習者が子供の場合は?
Q3.子供に教える場合の媒介語の使い方が難しい。子供の母語で説明できるだけの語学力もないし、日本語で教えても分からない時はどうしたらいいか。
A3.子どもは自分の母語の文法を体系的に意識できているわけではないので、逆に日本語だけで進めるのがいいと私は思います。子どもには「門前の小僧習わぬ経を読む」力があるように思います。具体的な教え方について詳細はまた別の機会に改めて…
学習者が英語を話しすぎる…
Q4.媒介語である英語を使うことにより、必要以上に文法解釈を求められることがあります。適当に切り上げて授業を進めるのが不得意で悩むことがあります。
A4.英語を使う場合は必要最小限で。単語(キーワード)だけを言う、または日本語まじりで言う(例:「funtionはsimple requestです」)ぐらいにしておくと、学生からの追撃質問を減らすことができます。
Q5.既習の表現を使わず、基本的な会話を全て英語で話してしまう学習者がいて悩んでいます。
A5.アイスブレイクとして、通常は日本語での雑談から授業を始めるのが王道ですが、このようなタイプの人には、宿題チェックから始めるのはいかがでしょうか。宿題も学生に読ませて学生自ら直すようにさせます。授業の最初から「日本語モー ド」「お勉強モード」に仕向けます。
(ライター補足)
英語が通じる教師だ!と分かると、自分にとって楽な英語で会話をしようとしたり、英語での説明を求める学生がいるのは確かです。
雑談については、母語でするもの苦手な方がいますし、学生によってはアイスブレイク(緊張をほぐし場を温める)どころか、「日本語を話さなきゃ…!」と逆にプレッシャーに感じてしまう人もいるかもしれません。
左さんがおっしゃった「宿題チェックから始めて日本語モードにする」は、私も目から鱗で、その手があった!とメモを取りました。
なお、Cotoの教材には、レッスンの冒頭から「お勉強モード」への切り替えが自然にできるような「5分間トレーニング」というトレーニングもあります。英語との併用で文を生成する力が養えます。
また、私は「Topic Conversation」など、見本フレーズに倣って自分のことを話してもらうTopic系の教材をアイスブレイクに使うことがあります。
こういったものを上手く活用できれば、学生・教師ともにプレッシャーが減るのではないかと思います。
参加された方の声をご紹介します!
次に、今回の勉強会に参加された方のお声を一部抜粋してご紹介します。
- 助詞の説明について、とても参考になりました。媒介語で説明してしまった方が効率良いと思っていましたが、やはり媒介語の使用は極力控えた方が良いのだなと改めて考えさせられました。ブレイクアウトルームで色々な先生方とお話できたのも、とても良い機会でした。
- 一番最後の質問コーナーの内容が参考になりました。
- グループワークの時間をもう少し長くしてほしい。もっとたくさん他の先生の意見や経験を聞きたかった。
- 英語で効率よく誤用を訂正するコツが得られました。ワークショップもあったのがよかったです。あっという間の50分でしたが、肝心なところが凝縮されていて大変勉強になりました。
- 無料でこのようなワークショップやコンテンツをシェアしてくださり、本当に感謝しております。
次回の勉強会日時および内容(予定)
最後に、4回目の勉強会の日時と内容のご案内です!
4月17日 木曜日 20:10-21:00
「例文を作ってみよう(中級文法編)」
講師自身が文作練習をすることで、文法の肝、制限など、教えるときに必要なこと、注意することが見えてきます。文法脳を育てるトレーニングをいっしょにやってみませんか。
お時間の都合がつく方はぜひご参加くださいね。詳細はコトハジメニュースレターなどでお知らせいたします。5月以降の勉強会についても順次告知していきます。
お楽しみに!
◆スポット講師についてもっと読む→コチラ
◆登録フォームはコチラ
Customer Reviews
Thanks for submitting your comment!