日本語文法ブログ

英語訳が難しい日本語語彙:「工夫」って…なに?

「工夫」の訳語、ついに現る?! 「工夫」って…なに? 日本語と英語、1対1の対訳がつけにくい語彙はたくさんあるかと思いますが、その最たる例としてコトハジメでもしばしばとり挙げているのが「工夫」という言葉です。(⇒コチラ) たしかに、英語ネイティブの上級学習者に聞いても「そのものズバリ!という英訳はなさそうだ」という反応が多く、あえていうなら、ある人は「”well-prepared...

日本語文法:「そう よう みたい らしい」の違い

「そう よう みたい らしい」ってどう違う?に簡潔に答える方法 学生に聞かれて冷や汗をかく質問、第3位(coto調べ) 「そう よう みたい らしい」って何が違う?この質問にフリーズしたことのある先生はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。cotoで簡単なアンケートをとったときにも、「は・が」の違い、「と・ば・たら・なら」の違いに次いで、答えるのが難しい質問の第3位でした。 「そう よう みた...

日本語文法:条件節「と」「たら」「ば」「なら」はどう違う?

「と」「たら」「ば」「なら」どう違う、への応急対応<First-Aid Kit> 短時間に網羅的な説明は難しい… 日本語の条件節は、初級で学ぶものでも「と」「たら」「ば」「なら」と多様で、その違いを説明しようとすればするほど、沼にはまった先生も学生も多いことでしょう。それぞれの文型の差異を明らかにするには、どのような状況の下でそれが成立するのか、その前提となる条件が微細になりがちで、た...

日本語文法:「動詞て ある」の文作から文型の意味と機能を探る

「動詞て ある」の文作から文型の意味と機能を探る 例文作成トレーニングで例文脳を鍛える cotoでは先生方のための「例文作成トレーニング」という勉強会を月一で開催しています(1回50分)。そもそも、どうして例文作成トレーニングをやるか。それは、もちろん例文の引き出しを増やすため!ということもありますが、何より文作への瞬発力を養う!というのが第一義の目的なのかもしれません。 勉強会では、その場で「今...

アクティブな日本語クラス活動のヒント

練習のための練習をさせない クラス内での「楽しくて」、「役に立つ」練習とは 言語学習指導の基本は、導入⇒練習というシンプルなフローです。もちろん、練習には、入れ替え練習、活用練習、スピーチやロールプレイといった応用練習など、いろんなパターンがありますが、基本は導入して練習する、この繰り返しです。 その過程を、学習者に少しでも楽しいと思ってもらえるか、つまらないと感じさせてしまうか。 そもそも「楽し...

日本語文法:終助詞の「の」は、単なる疑問詞の「の」なのか。

終助詞の「の」は、単なる疑問詞の「の」なのか。 「~の?」って言われると、こわくない?! いつかの講師室での雑談。 明日早いの? うん早いの。 終助詞「の」には、1)疑問と2)断定の意味がありますが、1)疑問の場合、単なる疑問文というより、場合によっては尋問されているように聞こえて「こわく」感じることがない?という話が出ました。 また、学生から、どういうときに「の」を使えばいいのか、フォーマルスタ...

日本語文法:「苦手」と「下手」の違いをどう教える?

「苦手」と「下手」の違いをどう教える? 「苦手」か「下手」か、誤用はどこから? 初級の学習者からよく「苦手と下手の違いは何ですか?」と質問を受けることがあります。また、「わたしは辛い食べ物が下手です」「わたしは勉強が下手です」といった誤用も耳にします。 英語に訳すと「苦手」も「下手」も「be bad at doing」や「be poor at doing」などになりますが、これだけだと説明が足りま...

日本語文法「〜とき」:こんなところにトラップが!?

日本語文法「〜とき」:こんなところにトラップが!? みなさんはこれまで「〜とき」を教えるときに、困ったことってありませんでしたか? 学習者の中には「“When=とき” 言葉を置き換えればOK!簡単だね!」と思っている学生もいるのではないでしょうか。でも実際に勉強してみると「あれ?うまく作れないじゃん・・・」。がっかりしている学生を何度か見かけたことがあります。 日本語母語者はこのテンス(時制)の微...

日本語文法:「〜つもりだ」だれが、どんなとき、どう使う?

「〜つもりだ」だれが、どんなとき、どう使う? 3年前「〜つもりだ」の記事を書いていたのですが、これがあまりにあっさりしていた・・・(自分で書いておきながらビックリ)。今回、校内で例文トレーニング勉強会をファシリテートするにあたりもう一度整理整頓しました。また先日開催した勉強会でさらに先生方から学びを得ることができたので、まるっと記事を書き直すことにしました。 『げんき』では「Verb(short,...