アニメを日本語クラスで使う 第2弾(前編) 

アニメを日本語クラスで使う 第2弾(前編)
~教材向きのアニメの条件は?~

使い方次第では効果絶大!

以前、コトハジメの読者さんから「学生のモチベーションUPのためにアニメを授業で使いたいが、何かお勧めのアニメや教授法があったら、ぜひ教えていただきたい」というお声をいただきました。そこで、リクエストにお応えする形で、以下の記事を書きました。

日本語クラスでの生教材の扱い方:アニメやマンガを使うメリット&リスク

この記事にも書きましたが、私はアニメを授業に取り入れるのに慎重な立場です。

アニメ好きの学生さんとのプライベートレッスンならまだしも、アニメ好きではない学生もいるであろうグループレッスンでは、失敗するリスクが大きいです。それに、教師の準備も大変です。

とはいえ、上手くハマったときの効果は絶大です。それにアニメなどの生教材は、その目的に応じて使い方が無限大というもの魅力的です。授業を自分なりにアレンジしたい!という教師にとっては、「創意工夫したい欲」を満たしやすいのも事実でしょう。

そんなこんなで、私は(半分は自己満足ですが)アニメを授業に取り入れることがあります。

今回は、その取り組みの中で、比較的教材として使いやすかったアニメと実践例をシェアさせていただこうと思います。

私の体験談ベースのクセの強い(笑)内容となりますことをご了承くださいませ。

どんなアニメが教材に向いているか

星の数ほどあるアニメの中には、やはりどうやっても教材としては扱いにくいものがあります。

そのため、アニメに疎い学生も混ざっているクラスでグループレッスンをする場合、以下の条件を満たしたアニメを選定することをおすすめします。

①ストーリーが単純で人間関係がシンプル

物語の背景がわからないと、内容理解どころではありません。そのアニメについて詳しく知らなくても、少しの説明で背景が理解できるようなシンプルなストーリー・人間関係である必要があります。

いわゆる「伏線回収」の回や、登場人物が入り乱れるようなものは、作品としては面白いかもしれませんが、教材としては避けるべきでしょう。

②一話完結型

長くても20分ぐらいまでの話で、その回で話が完結するものが望ましいと思います。前話を見ていなくても無理なく内容が頭に入ってきますし、一話で完結するので、続きが気になって仕方がない!というフラストレーションも起こりません。

「背景がわからなくても大丈夫」というのがポイントです。

③日常を扱っている

実際に使う場面がイメージしやすいため、日常を取り扱っているアニメが無難です。日本の学校文化、家族関係、上下関係や敬語、季節行事や生活習慣といった文化説明にもつなげやすいです。

学生にとっては使いどころがわかり、「これ、使ってみよう!」とモチベーションアップにもつながります。

教師にとっては普段の生活でよく使う表現がちりばめられているため、準備の負担が多少は軽減されます。

④知名度がある

「タイトルを聞いたことも、キャラクターデザインを見たこともない」「まったくそのジャンルを知らない」というのでは、さすがにとっつきにくいかと思います。「人気があることは知っている」ぐらいの知名度はほしいところです。

日本のアニメは、流行語や社会現象にまでなることがあるので、学生が人気のアニメを見ておけば、周りの日本人との雑談のネタにもなるかもしれません。そういった意味でも、知名度が高い作品の方が望ましいでしょう。

⑤ペットが登場する

ペットが登場していた方が教材として扱いやすい理由は、アニメで出てくるペットは、飼い主や周りの人間に何かを伝えようと、表情や鳴き声・動きといった「ノンバーバル」なコミュニケーションをとるからです。

仮にセリフに聞き取れないところがあったとしても、ペットの動きなどでストーリーをつかみやすくなります。

それから単純に、可愛くてコミカルなペットが出てくると和みます。

⑥笑いがある

シリアス、スリル、お涙頂戴…など、様々な内容がありますが、授業で扱うなら笑いが起こるようなコミカルな内容が良いと思います。ポジティブな気持ちで授業を終えた方が後味が良いですし、笑いの共有をすることで、クラスに一体感が生まれます。

また、人によって、あるいは文化によって「笑いのツボ」が違うと知るのも、良い体験になるかもしれません。

⑦話し方のクセが強すぎない

アニメを教材にするのが難しい理由の一つが、キャラクターの話し方のクセ。あまりにもクセの強い独特な話し方のものは避けるべきでしょう。意味が分からなかったり、聞き取れなかったりで、ストーリーが入ってこなくなります。

また、学生がアニメでしか使わない「変な日本語」を覚えてしまうのも困りものです。

ただ…多くのアニメに、話し方にクセがあるキャラクターが登場するんですよねぇ。…悩ましいところです。

「いい教材」≠「アニメとしての面白さ」だが…

ここまで、「どんなアニメが教材に向いているか」のポイントを7つ挙げてきました。

アニメの人気ジャンルとして、「戦闘もの」「スポーツもの」「ファンタジーもの」「恋愛もの」などがありますが、ストーリーが長く複雑で登場人物も多く、日常ではあまり使われない言葉のオンパレード…というものが多いんですよねぇ。

学生のモチベーションアップも狙うなら、作品としての面白さは大切です。

ただ、この辺りのジャンルは、好き嫌いが分かれてしまい、言語レベルの調整(難易度のコントロール)もしにくいため、教材として扱うハードルが高いです。

好みの話をすると、私は流血があるシーンが苦手ですし、恋愛ものにはアレルギーがあります。哲学的示唆や繊細な心理描写を含む作品が私の好みですが、話が長く、語彙も極端に難しくなるため、ほとんどの作品が除外されます(悲)

というわけで、条件すべてを満たすアニメとなると、かなり少なくなってしまうのが現実です。でも、ないわけではありません。

では、次に教材におすすめのアニメをご紹介…といきたかったのですが、私のオタク気質が災いして長くなってしまいました!

次回、教材としておすすめアニメと実践例をお届けしたいと思います。

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