中級文法コラム5.「らしい」と「っぽい」は「みたい」みたい?
「みたい・らしい・っぽい」もよく学生が間違える紛らわしい文法ですね。
学生に「先生、春らしい日ってどんな日ですか?」と聞かれたとき、つい、うっかり「春みたいに暖かい日のことですよ」なんて答えてしまいそうです。
さっそく「みたい・らしい・っぽい」を例文をあげて比べてみましょう。
<会話>
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比べてみると、なんだか「っぽい」はおかしい感じがしますね。
今日は暖かくて春みたいな日だ。
⇒ 実際には春ではないが、春の気候に似ている。
*実際には違うもの(こと)だが、「~に似ている」
今日は暖かくて春らしい日だ。
⇒ 暖かい春のイメージの通りの春の日。
*あるもの(こと)が一般的なイメージのとおり。
今日は暖かくて春っぽい日だ。
⇒ 暖かいということから「春」の印象を受ける・・・
*もの(こと)から「~という印象を受ける」。
ということで・・・
「みたい」は実際は違う物
「らしい」はそのものズバリ!
「っぽい」は印象
と覚えるといいのではないでしょうか。
そう考えると、「今日は暖かくて春っぽい日」というのは、春の日から春の印象を受けるって、当たり前のことを言ってるだけですよね。
「このショコラ、チョコレートっぽいですね」って言われたら、当たり前だろ!って感じです。
「今日のシャツは春っぽいですね。」とか、「さくらさんの名前って春っぽいですね。」とか
こんな例文だったらおかしい感じはしないと思います。
じゃあ、今度は違う例文を見ていきましょう。
<会話>
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全部良さそうな・・・ でも、なんだか「みたい」はおかしいかも・・・
その服、子供みたいだね。
服は実際には子供じゃないから・・・ いえいえ、服と子どもは比べる対象ではないですね。
服を見て「あ、子供に似ている」とも思わないですね。
この文を見て何となく正しいと感じてしまうのは、頭の中で「その服(を着ているあなたは)、子供みたいだね。」と無意識のうちに言葉を補完しているからではないでしょうか。
大人なのにその服を着ると子供に見える。実際は大人用の服ですが、子供の服装に似ている、と判断しているのでしょう。
その服、子供らしいね。
子供が着ている服のイメージって、どんなイメージでしょうか。
こんな感じですかね。まさに子供が着る服です。
その服、子供っぽいね。
その服を見たとき、大人用の服であっても子供服の印象を受ける。
または、その服を着ているあなたからは、子供の印象を受ける。
いかがでしたか。
学習者から質問されたときに、パッとこたえられるように日頃から準備しておきましょう!
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