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日本語教師の先輩体験談~フランスで日本語を教える~
今日はフランス南部在住のMさんにお話を伺いました。最近、パリからお引っ越しされたそうです。日本で教えていらっしゃったときも超人気だった素敵な先生です。
日本語教師を始めたきっかけー誰かのために役に立ちたいー
きっかけはよくある留学経験からなのですが、私は大学時代、オーストラリアへ留学をしました。そこで出会ったインドネシアの友達が一生懸命日本語を勉強していて、「この文型はどういう時に使うの?」と言われ、答えられなかったのを今でも覚えています。情けないなーと思い、帰宅後なんとなくネットで調べ、翌日彼女に教えたら「あなたのその教え方、分かりやすかった!もっと勉強して、いつかあなたと日本語を話したいわ」と言ってくれました。その後も趣味感覚で教えていたのですが、こうやって異国の人の役に立つ仕事が将来できたらいいな、と思うようになり、日本語講師は一生使える資格で一石二鳥!と思い、この道を決めました。
フランス(パリ)へ渡ったきっかけ
最初はワーキングホリデーを使用して渡仏しました。現場を知らなければ物事は進められないので、まず、現地学校を下見したり、問い合わせしたり、情報集取をし、「未知の世界で教える」というワクワクした思いを抱きながら週1程度ですが、現地のアソシエーション校で教えたりもしました。実際、日本で教えていた「日本語」とフランスで教える「日本語」はかなり違い、学生のモチベーションも180度違いました。
フランスで日本語を教える
学校にもよりますが、ほぼ間接法です。フランス語を少しでも知らなければ教えるのは難しいとも言えます。当初、私のフランス語は超初級だったので、理解してくれた学生に感謝です。また、私が通っていたアソシエーションのクラスは1年以上勉強している学生も1ヶ月前に勉強した学生も同じクラスにいました。この理由は「開校できるクラスの場所がない」「講師が足りない」という理由なのですがそれでも学生は満足してました。「話す機会がほしい」「少しでも日本語を勉強したい」という前向きな学生さんがたくさんいました。
個人主義の代表国とも言われているフランスと社会主義の日本とは生活の仕方も考え方も違い、「フランスから見る日本」「フランス人が考える日本語」は非常に面白いです。例えば、フランス人には”謙る”という概念が希薄な気がします。謙譲語を教えたとき、「つまらないものですが」という表現に、「つまらないものを人に贈ったら、送られた人は困らないの?」という意見が出てきました。相手に気を使わせないためだと説明しても、もちろん納得はいかず、文化の違いを感じました。
また、カリキュラムはなく、使用教材は古く、練習量も日本の学校に比べると少ないと感じました。「日本に行って日本語を話したい」という学生が多いのも分かる気がしました。
まとめ
日本語教師を目指すきっかけは人それぞれでで、10人いれば、10通りのきっかけがあると思います。日本語を教えたい、日本語や日本のカルチャーを他の人にも伝えたい、上達する学習者の手助けをしたい、身近にいる外国人の役に立ちたい、日本語講師で新しい人生を切り開きたい等。どのような背景があっても、日本語教師になりたいという想い、ここは皆さん変わらないと思います。
フランス人にとって日本語と日本文化は魅力的で、日本語は第二言語の選択にはあまりございません。ですが、自分で選んで日本語を学ぶ人が多く、彼らの目はいつも輝いています。私は現地でそんな彼らに教えがいを感じました。
一方、物価が高いフランスで日本語講師としての収入だけで生活していくのは簡単なことではありません。経験がなければ尚更ですが、いきなり現地に来て、自活だけでの収入は厳しいかと思います。パリは魅力的ですが他の地方と比べると生活費も跳ね上がります。どんなところで、自分がどういう形で働けて、働きたいのか、しっかりと調べる必要があるのではないかと私は思います。
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