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日本語の助数詞はおもしろい!
今日は存在文の導入の前に助数詞をしました。日本語の助数詞はたーくさんあって大変ですよね。約500種類も助数詞が存在するとも言われています。
たとえば、魚の場合、生きているものは「匹」、水揚げされて取引されるものは「本」、 頭と背骨を落とした半身の、さらに半分は「丁」で、ころと呼ばれるブロック状の肉片を小さく切り分けると「さく」になるそうです。さらに刺身や鮨 (すし) にするひと口大に切り分けたものは「きれ」、にぎりずしになったら「貫」・・・OMG!!!
まあ、授業で取り上げるのは魚の場合は「匹」くらいなのでご安心ください!
助数詞ってどこの国にでもあるの?
「1、2、3・・・」は数詞といいます。日本語ではものを数えるとき、数字だけではなく、その名詞に独特の数えるための単位としての助数詞が必要になっています。助数詞は数詞の接尾辞として数詞の一部としての役割をしています。
助数詞には名詞を類別する(=何を数えているか)という重要な役割があります。
助数詞を持つ言語としては日本語のほかに、中国語、韓国語、タイ語などがあるそうです。これらの言語を話す学習者に助数詞を教える場合はその概念がありますから問題がありませんね。母語にこのような概念を持たない学習者にはある程度時間をかけて指導する必要があります。英語の場合もa cup of coffee, a glass of water, a pair of shoesなど助数詞の感覚に近いものはあります。
日本語の初級レッスンで助数詞を取り扱う場合・・・
さて、日本語のレッスンでは「1つ」「2人」「3個」などの助数詞による表現をひとつの学習項目として扱っています。まず、助数詞がつく数詞に「ひとつ」「ひとり」などの和語系、「1個」「1枚」などの漢語系の区別があります。また、数詞との組み合わせによって 音に変化が生じたり、またものによって使い分けが必要であったりするため、やや負担の重い学習項目です。
初級で知っておきたい基本の助数詞15
助数詞 | 特徴 | 音が変化するもの
(1−10のみ) |
? |
つ | 小さいもの、子供の年齢、抽象的なものも可
(人・動物は❌) |
和語(全て覚えなければならない) | いくつ |
人(にん) | 「ひとり」「ふたり」のみ和語
あとは基本「にん」をつけるだけだが、4(よにん)は変化あり |
何人 | |
枚(まい) | 薄いもの | なし | 何枚 |
円(えん) | お金 | 4(よえん) | 何円・いくら |
番(ばん) | なし | 何番 | |
台(だい) | 乗り物・電化製品 | なし | 何台 |
度(ど) | 気温・体温 | なし | 何度 |
個(こ) | 小さいもの | 1(いっこ)6(ろっこ)8(8こ)10(じゅっこ) | 何個 |
階、回(かい) | 1(いっかい)6(ろっかい)8(はっかい)10(じゅっかい)
*階の場合:3(さんがい)も可 |
何階(なんがい)
何回(なんかい) |
|
冊(さつ) | 本・ノート・辞書 | 1(いっさつ)8(はっさつ)10(じゅっさつ) | 何冊 |
歳(さい) | 1(いっさい)8(はっさい)10(じゅっさい) | 何歳・いくつ | |
本(ほん) | 細長いもの、映画、飛行機やバスの運行数、ホームラン | 1、6、8、10(ぽん)
3(さんぼん) |
何本(なんぼん) |
匹(ひき) | 小さい動物、虫 | 1、6、8、10(ぴき)
3(さんびき) |
何匹(なんびき) |
杯(はい) | 器に入った飲み物 | 1、6、8、10(ぱい)
3(さんばい) |
何杯(なんばい) |
助数詞を教えるときに知っておきたいポイント
*数えるものの形や性質をある程度反映しています。
*「つ」「人」「杯」「本」「枚」がどのテキストでも扱われるものです。「度」はありませんが、最近は学校や職場などで体温を聞かれることが多いので加えました。
*数量をたずねるとき、「いくつ」「何本」などの疑問詞の代わりに「どのくらい」「どのぐらい」を使うこともできます。
*おおよその数や量を表わす場合には、「数詞+助数詞」のあとに「くらい(ぐらい)」をつけます。
*助数詞が無声子音(か行・さ行・た行・は行)で始まるとき「1・6・8・10」は促音便を起こします。(「8」は促音便を起こさないこともある)。助数詞が「は行」で始まっている場合は「ぱ行」に変化します。口の動きに注目してみましょう!
*数詞が3のように撥音「ん」で終わる漢語の場合、連濁を起こして「さんぼん」「さんばい」「さんびき」となります。この時の「ん」の発音は唇を閉じて発音する鼻音[m]になります。「何(なん)」の時も同様です。
*語順と注意点
数+助数詞 のあとには助詞をつけません。1匹のネコ、5冊の本なら問題ありませんが、初級の段階では前者で指導します。
① N(数えるもの)が 数+助数詞 あります・います。
<例>ネコが1匹います。本が5冊あります。
② Nを 数+助数詞 V。
<例>ビールを3杯飲みました。
もっと助数詞について知りたい方へ
日本語の助数詞って面白い!と感じる学習者も少なくありません。そんな方におすすめのサイトと本を3つご紹介します!ぜひ学習者とシェアしてください。
- 助数詞のオンライン辞書『数え方単位辞典』
- 助数詞について勉強したい学習者におすすめのサイト『JOSHU』
- 書籍『絵で見る「もの」の数え方』(富士書房)
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