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中級文法コラム6. 『ばかり』ばかり
同じ読みでも用法がいくつかある文法は混乱しますね。
今回は「ばかり」を取り上げてみましょう。
<会話例>
*参考 『新完全マスター文法 日本語能力試験N3』 P80、81 |
「ばかり」だけでもいろいろありますね。
「Aさん、ふつう朝から朝食にさそうか?」なんてことは考えずに、用法・意味を確認していきましょう。
(たform)ばかりだ ⇒ 朝食を食べたばかりです。
*何かをした直後、あまり時間が過ぎていないという話者の心理。
*話者の心理なので、実際の経過時間ではない。
<例>
先月日本に来たばかりです。
先月日本に来てまだ日本の生活に慣れていない。今後の日本での生活の期間を考えれば、1か月は短い。
この会社は2年前に創業したばかりです。
創業何十年という会社はたくさんあり、そういった会社と比べれば、創業2年なんて短い。
人類は生まれたばかりです。
人類の誕生はおよそ700万年前ということですが、地球の歴史46億年から考えれば人類の歴史なんて今始まったようなものです。
(Noun)ばかり ⇒ ハンバーガーばかり食べていた。
*同じ物(事)がいくつも/何回もある。
*否定的なニュアンスで使うことが多い。
<例>
毎日雨ばかり降っています。
数日間雨が降り続いていて気分が沈んでいる。
何で私ばかり怒られなきゃなんないのよ!
怒られるのはいつも私。嫌になっちゃう。
(てform)ばかりいる ⇒ ハンバーガーを食べてばかりいる。
*何度も同じ行動をする。
*否定的なニュアンスで使うことが多い。
<例>
彼は失敗してばかりいる。
何度も同じ失敗をする彼にイライラしている。
息子は朝からゲームばかりしている。
朝からずっとゲームをしている息子に不満。
(dictionary form)ばかりだ ⇒ 体重は増えるばかりで・・・
*ある変化が続く。
*変化に勢いがある。
*否定的なニュアンスで使うことが多い。
<例>
景気は悪くなるばかりです。
景気の後退が止まらず悲観的になっている。
老後の不安は募るばかりです。
年金、増税、高齢化、医療費負担… 老後の不安は止まりません…。
さいごに
意味の整理ばかりでなく、このように例文をいくつも作っていくことで理解は深まります。
他にも「ように」とか「ところ」とか「わけ」とか似ているけど、いろいろな意味がある文型はたくさんあります。
「今ご飯を食べたばかりです」と「今ご飯を食べたところです」の違いは何でしょうか?
「日本人でも毎日寿司を食べるわけではない」と「日本人でも毎日寿司を食べるわけがない」の違いは何でしょうか?
学習者に聞かれたとき、どうしたらわかりやすく違いを説明できるか、時間があるときに理解を深めてみてください。
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