中級文法コラム2.「ないで」と「なくて」 どっちが正しい?
よく学習者が混乱しているのが「ないで」と「なくて」です。
何が違うか急に聞かれると、うまく答えられないという先生もいるかもしれませんね。
Q: 次の2つの選択肢、どちらも使えますか?
① 雨が[降らなくて・雨が降らないで]よかった。
② 昨日は疲れていて、ごはんを[食べないで・食べなくて]、寝てしまいました。
③待ち合わせ場所に、彼女が[来ないで、来なくて]、心配した。
④まずは辞書を[使わないで、使わなくて]問題を解いてみましょう。
学習者に「雨が降らないで、よかったです」「ごはんを食べなくて、寝てしまいました」と言われたら、「おや?」と思いますね。間違いではなさそうだけれど、ちょっと違和感があります。なぜでしょうか?
どちらも「て形」の動詞の否定形ですが、どうやらどちらかしか使えない場合があるようですね。
今日は「ないで」と「なくて」を例文をあげて、少し掘り下げてみましょう。
「なくて」VS「ないで」
なくて
例文をあげて、考えていきましょう。
<例文>
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*このように「なくて」は行為をしないこと、起こらなかったことに対しての感想や感情。判断や結果など。
「来なくて、読めなくて、できなくて」をひとつの形容詞と見立てています。
「荷物が重くて大変です」「部屋がせまくて不便です」「辛くて食べられません」「お財布がなくて買えませんでした」などと同じように
形容詞のような用法をするのが「なくて」です。
ないで
一方、「ないで」はどうでしょうか? 同じように例文をあげて、考えていきましょう。
<例文>
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*「ないで」は行為をしない、ということを言っています。
「ないで」は動詞の活用形「入って、磨いて、買って」と対をなすカタチです。
「入らない、磨かない、買わない」これらは動詞の「ない形」です。
「〜ない状況で…する」。つまり、その動詞の行為をしないということです。
最後に
ここまでを踏まえて、もう一度さっきの例文を見てみましょう。
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いかがですか。「ないで」と「なくて」の整理ができましたか。
「降らなくて」・・・形容詞「ない」の活用(降らない+て=なくて)
「降らないで」・・・動詞「降って」の反対(降って ↔ 降らないで)
と覚えておくと良いでしょう。
最後の最後に、、、
「ないで」と「なくて」が両方使えるものもあります。たとえば、「宿題を[しなくて、しないで]先生に怒られた。これはどちらも可っぽいです。
実は、、、私の地元では「雨が降らないでよかったね」って、普通に使っているんですよね・・・うーん。
これって方言!?方言って指摘されるまで方言ってわからなくて、困っちゃいます。あ、なんと「ないで」と「なくて」は「Vず(に)」に変換できちゃいます。まよったらこちらで(って、冗談です・・・言い換えても硬さが違いますからね、ダメですよ。笑)。
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