自動詞・他動詞

自動詞と他動詞

日本語の動詞には自動詞と他動詞があります。

他動詞と自動詞は、話し手の動作主に焦点をあわせて述べるか、動作を受ける対象に焦点を合わせるかによって使い分けられます。

日本人が意識せずに使い分けている自動詞と他動詞ですが、学習者にとっては難しい項目の一つです。対応関係が複雑なので、最終的には一つ一つ覚えなければなりません。今回はペアがある自動詞と他動詞を中心に見ていきます。また、ある程度の傾向から自動詞と他動詞の見分け方をまとめてみます。

自動詞

自動詞・・・『主語(自分)がやる動作』を示す動詞

ドアが開く

火が消える

お皿が割れる

パソコンが壊れる

この「開く」という動詞ですが、何が開くのでしょうか? もちろん、ドアですね。じゃあ、誰かがやったのでしょうか? この文章ではそこまでわかりません。

自動詞はらのきを表す(ことば)で、自然に(勝手に)起こったようなニュアンスに聞こえるものが多いです。

 

他動詞

他動詞・・・『誰かが作用して起こる動作』を示す動詞

(私が)ドアを開ける。

(母が)ガスコンロの火を消した。

(弟が)大事にしているお皿を割った。

(友だちが)パソコンを壊した。

ドア「自」身ではなく、「ドア」に「他」である「わたし」が作用して「開ける」のです。他動詞は誰かが意志をもってやった行動に使われることが多いです。

 

ペアを持つ自動詞と他動詞の見分け方

 

その1:助詞で見分ける

〜が+自動詞」 ドア開く

〜を+他動詞」 ドア開ける

*ただし、この考え方は万能ではありません。

例えば、「鳥が空を飛ぶ」「公園を走る」の「飛ぶ」「走る」は自動詞ですか。他動詞ですか。

これらは自動詞ですね。

この助詞「を」は空や公園という場所を示すものです。動詞の直前の助詞だけを見て判断してしまうのはキケンです。「を」の部分を省略しても文が成立するのであれば自動詞です。

 

 

 

その2:因果関係で見分ける

「他動詞」と「自動詞」は原因結果の関係になることが多い。

車を止める →  そうすると →  車が止まる

りんごを落とす →  そうすると →  りんごが落ちる

 

 

その3:発音で見分ける

自動詞 他動詞
パターン1 -aru

あがる  かかる

-eru

あげる  かける

パターン2 -iru

いきる  おきる

-asu   -osu

いかす  おこす

パターン3 -reru

こわれる  たおれる

-su

こわす  たおす

 

 

その4:意味で見分ける

例:すみません、この本(a.汚れてしまった b.汚しちゃった)んです。

*aとbではニュアンスが異なりますね。この場合、aはものの変化にフォーカスしていて、責任を感じていない、自分のせいじゃないよ、というニュアンスがあります。一方のbは自分がしたことに責任を感じている、申し訳ないと言うニュアンスがあります。

例:風邪が治って、よかったね。(自動詞)

*上の例文のように、誰がしたかを言う必要がない場合、自動詞表現が使われます。

 

<追記>

*一つの動詞で他動詞・自動詞の両方を兼ねているものもあります。

*対を持たない自動詞・対を持たない他動詞もあります。対になる自動詞・他動詞がない場合は、代わりに使役や受身を使うことがあります。

自動詞 他動詞 使役 (泳ぐ、走る、座る、光るなど)

受身 自動詞 他動詞 (感じる、忘れる、ほめる、嫌うなど)

 

 

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