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オーストラリアで日本語を教える
自然豊かな多国籍国家、オーストラリア。そんなオーストラリアで日本語を教えたい、というみなさんに、オーストラリアでの日本語教師の働き方をご紹介します。
民間の語学学校
オーストラリアの民間の日本語学校では、主に大人の学生が、平日夜や週末に趣味として日本語を学んでいます。まれですが、日本語を勉強している現地大学生や、受験を控えた高校生が、日本でいう塾として通っていることもあります。
民間学校の日本語教師応募資格としては、一般的な日本の日本語学校と同じように、日本語教師養成講座修了、または4年制大学での日本語教育過程専攻修了が求められることがほとんどです。
小学校・中学校・高等学校
すべての学校ではありませんが、オーストラリアでは第二言語として日本語が勉強できる学校があります。学校にもよりますが、小学校〜中学校低学年までは必須科目、中学校高学年〜高校からは選択科目になることがほとんどです。高校生で日本語を選択して勉強してる生徒は大学入学のための受験科目として勉強していることもあります。
日本語アシスタントであれば、一般的な日本語教師の資格が必要なこともあれば、全く必要でないこともあり、ある程度の英語力さえあれば誰でも応募しやすいポジションだと言えます。一方、正規職員として勤務するためには、オーストラリアの大学、または大学院で教員免許を所得することが必要条件になります。
大学などの教育機関
求人は少ないですが、修士以上の学位と、高い英語力があれば、オーストラリアの大学や大学院で日本語を教えるポジションを目指すこともできます。
オーストラリアで日本語を教える準備
オーストラリアのビザ
民間の日本語学校や公的教育機関の日本語アシスタントの仕事では、学校からビザが支給されることはほとんどなく、すでに就労可能なビザを持っている人に採用が限られます。ほとんどがワーキングホリデービザか学生ビザ保持者で、その他は配偶者ビザや永住ビザ保持者です。配偶者ビザや永住ビザを持っていない場合、ワーキングホリデービザだと最長3年間はオーストラリアに滞在することが可能です(2020年9月現在)。ビザ費用や渡航費、滞在費は自己負担であることがほとんどです。
住むところ
日本語アシスタントとしてオーストラリアに行く場合は、まれにホームステイや家を手配されることもありますが、大抵の場合は、自分で住む家を手配する必要があります。オーストラリアで一般的なのはルームシェアです。キッチンや浴室、リビングなどが共有で、料金はだいたい週に150ドル~200ドルほどです。
英語
民間の日本語学校では直接法間接法に関わらず、採用において「最低限度、または日常生活程度」の英語力を求められることがほとんどです。小学校、中学校、高等学校でアシスタントをする場合は、さらに高い英語力が求められることもあります。TOEICやIELTS等のスコアは求められず、面接等で判断されることが多いです。一方で大学や、小中高校で正規雇用で働く場合は、一般的にIELTS 7.0点以上相当の高い英語力が必要になります。
その他
生活に必要なものはほとんど手に入るので、特別日本から持っていかないといけないものはありません。少し高めですが、アジアのスーパーマーケットやダイソーなどもあります。
日本の教科書などは手に入れることが難しく、あっても高額なことがほとんどなので、教科書や文法書などは日本から持っていくことをおすすめします。
日本語教師の資格についてですが、オーストラリアの民間の日本語学校では、日本語教師養成講座を実施している学校もあります。資格がなくても、オーストラリアで養成講座を取得し、そのままオーストラリアで日本語教師デビューすることも選択肢の一つです。
オーストラリアでの日本語レッスン
直接法と間接法
小中高校では間接法で行われる学校が多いです。一方、民間の日本語学校は直接法で授業が行われることがほとんどです。とはいっても、初級の学生に対しては英語を使ったり、英語で質問を受けたり答えたりすることが必要なこともあります。
漢字指導
小中高校では受験のための漢字指導が行われます。受験生は200字程度の漢字の読み書きが必要とされています。大学でも、漢字の勉強があります。
一方、民間の日本語学校では趣味で日本語を勉強している学生が多く、プライベートレッスンなどで学生からのリクエストがない限り、授業では漢字は扱わないことがほとんどです。
オーストラリア人の日本語の学習目的
小中高校、特に高校生で日本語を選択している生徒は、大学入学を目的として受験科目として勉強しています。一方、民間の日本語学校は、趣味や旅行などを目的に勉強している人が多くいます。大学での日本語学習者は、趣味で勉強している人や、ビジネスで使いたい人など多岐に渡ります。
まとめ
オーストラリアは、日本語学習者が世界第4位を誇り、英語圏だとトップの国ではありますが、残念ながら、就労ビザを出している学校や機関は少なく、長期的に働きたい人にとっては門戸が狭いと言えます。オーストラリアで長く日本語教師をしていきたいという人は、オーストラリアの大学、大学院で教員免許を取得し、小中高校、大学等の公的教育機関で働くことが最も現実的な道です。
しかし、そうはいっても、アジアだけではなく英語圏の国で日本語を教えてみたい人にとって、オーストラリアは間違いなく広くチャンスが開かれている国であり、日本語教師として幅広い現場で経験を積みたい人にもぜひおすすめです。
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