中級以上こそ基礎練習を(日本語中級話者以上を教えるときに注意しておきたいこと) 日本語の中級レベルとは 日本語は中級に入ってからが道が長い、停滞が起こりやすい言語だと言われています。それは、語彙の多さ、文法の機能の細分化、接続の制限の多さ、など気を付けなければいけないことが急に増えるのが一因とも言えるでしょう。 そういう現実にも関わらず、中級以上になると講義式の授業になることがほとんどです。漢字や...
動画メディアによって見えてきた、日本語文型「~ていく」の機能!? いま使われている言葉を注視する 私は言葉の移り変わりを観察するのが好きです。いいとか悪いとか、正しいとか正しくないとかを見るのではなく、語彙にしても文法、文型にしても、「お、なんだこの使い方、新しい~☆彡」と気づくことに喜びを見出しています。そのような意味でも、YoutubeやInstagramは、新しい表現の宝庫です(今のところ、...
終助詞「よ」が気になる「よ」! 「よ」「よ」「よ」って何回言うの~ 今日は、私が最近気になっている表現について、ちょっとお話ししたいと思います。それは終助詞の「よ」について。もともとはYoutube界隈の、Youtuber用語だと思うのですが、「新しい××食べるよ」「新しくできた××、行くよ」「いま注目の××するよ」etc…ビデオの中には「よ」「よ」「よ」のオンパレード。 例えば簡単・...
「工夫」の訳語、ついに現る?! 「工夫」って…なに? 日本語と英語、1対1の対訳がつけにくい語彙はたくさんあるかと思いますが、その最たる例としてコトハジメでもしばしばとり挙げているのが「工夫」という言葉です。(⇒コチラ) たしかに、英語ネイティブの上級学習者に聞いても「そのものズバリ!という英訳はなさそうだ」という反応が多く、あえていうなら、ある人は「”well-prepared...
終助詞の「の」は、単なる疑問詞の「の」なのか。 「~の?」って言われると、こわくない?! いつかの講師室での雑談。 明日早いの? うん早いの。 終助詞「の」には、1)疑問と2)断定の意味がありますが、1)疑問の場合、単なる疑問文というより、場合によっては尋問されているように聞こえて「こわく」感じることがない?という話が出ました。 また、学生から、どういうときに「の」を使えばいいのか、フォーマルスタ...
「~ないことはない」と「~ないわけではない」って同じ? 先日cotoのチャットでこのような質問が投稿されました。 <質問内容> 「~ないことはない」を勉強した生徒さんから、「~わけではない」とどう違うのかと質問をされました。この2つに意味の違いはあるのでしょうか。置き換えできない場合もありますか。 「~ないことはない」と「~わけではない」…。見た目はそっくりですね。 少し例を挙げて見てみましょう。...
例文トレ#19 「べき」ってどう扱うべき!? 今回の例文トレーニングでは、助言・忠告の「べき」の例文を募ってみました。 これは、初級の学習者から(訳語につられてだとは思うのですが)「~たらどうですか」「~たほうがいいですよ」はアドバイスとしては弱すぎないか?(あまりシンパシーや思いやりがないのではないか?)という指摘を受けたことから始まります。 「べき」は中級で登場しますが、これはこれでどうなので...
「〜たびに」と「〜と」って同じ!? 「〜たびに」と「〜と」は同じかと学生から質問がありました。 先日レッスンで「たびに」を扱ったのですが、そのとき「アメリカに帰るたびに、ハンバーガーを食べます」と「アメリカに帰ると、ハンバーガーを食べます」は同じですか?と学生から質問がありました。 「~と」の特徴、「前件が起きるときはいつも後件が起きる」から作った文だと思いますが、この文は同じじゃないような気がし...
「私でできることがあれば」の「で」って何? 先日、Cotoのオンラインコミュニティーでこんな質問がありました。「私でお役に立てることがあれば、遠慮なくご連絡ください」の「で」ってなんですか。 たしかに、この「で」ってなんだろう…。どう説明すればいいのかな…。 「私に役に立てることがあれば」、「私が役に立てることがあれば」、どの言い回しも日本人にとっては聞き馴染みのあるフレーズですが、どんな違いが...