「と」「たら」「ば」「なら」どう違う、への応急対応<First-Aid Kit> 短時間に網羅的な説明は難しい… 日本語の条件節は、初級で学ぶものでも「と」「たら」「ば」「なら」と多様で、その違いを説明しようとすればするほど、沼にはまった先生も学生も多いことでしょう。それぞれの文型の差異を明らかにするには、どのような状況の下でそれが成立するのか、その前提となる条件が微細になりがちで、た...
「動詞て ある」の文作から文型の意味と機能を探る 例文作成トレーニングで例文脳を鍛える cotoでは先生方のための「例文作成トレーニング」という勉強会を月一で開催しています(1回50分)。そもそも、どうして例文作成トレーニングをやるか。それは、もちろん例文の引き出しを増やすため!ということもありますが、何より文作への瞬発力を養う!というのが第一義の目的なのかもしれません。 勉強会では、その場で「今...
練習のための練習をさせない クラス内での「楽しくて」、「役に立つ」練習とは 言語学習指導の基本は、導入⇒練習というシンプルなフローです。もちろん、練習には、入れ替え練習、活用練習、スピーチやロールプレイといった応用練習など、いろんなパターンがありますが、基本は導入して練習する、この繰り返しです。 その過程を、学習者に少しでも楽しいと思ってもらえるか、つまらないと感じさせてしまうか。 そもそも「楽し...
日本語教師は「心」を使う仕事?! みなさま、日々のレッスンお疲れ様でございます!いきなりですが、みなさま心身ともにお元気でしょうか?今回の記事は、日本語教師の「メンタル」についてです。 俗に仕事は3つに分かれると言います。肉体労働、知的労働、感情労働です。もちろんきれいに分かれるわけではありませんが、日本語教師という仕事は、感情労働の比重が非常に大きいと感じています。 感情労働は相手の心に向き合う...
終助詞の「の」は、単なる疑問詞の「の」なのか。 「~の?」って言われると、こわくない?! いつかの講師室での雑談。 明日早いの? うん早いの。 終助詞「の」には、1)疑問と2)断定の意味がありますが、1)疑問の場合、単なる疑問文というより、場合によっては尋問されているように聞こえて「こわく」感じることがない?という話が出ました。 また、学生から、どういうときに「の」を使えばいいのか、フォーマルスタ...
「苦手」と「下手」の違いをどう教える? 「苦手」か「下手」か、誤用はどこから? 初級の学習者からよく「苦手と下手の違いは何ですか?」と質問を受けることがあります。また、「わたしは辛い食べ物が下手です」「わたしは勉強が下手です」といった誤用も耳にします。 英語に訳すと「苦手」も「下手」も「be bad at doing」や「be poor at doing」などになりますが、これだけだと説明が足りま...
日本語レッスンでの、楽しく学ぶ会話練習のコツ 時間が余ったらどうしよう…という不安 日本語教師であるみなさんにとって、いちばん怖いものは何でしょうか。学生のつまらなそうな顔?学生からの質問に答えられなかったらという不安?準備が間に合わないというあせり?… 私は昔から一貫して怖いのは、授業中に「時間が余ること」、「やることがなくなってしまうこと」です。 というわけで、その不安をぬぐうために、私は時間...
グラウンドデザインを描こう (初級学習者編) 学習者にとって「日本語教師」とは、なんぞや? 「学習者にとって『講師』とは、なんぞや?」とシンプルな問いをされたとして、みなさんは何と答えますか。 私はたぶん「船頭さん」かな。目的地を知り、そこまでの最適に辿り着く方法を知り、舵取りをする、そんな役目をするのが講師なのでは、と私は思っています。また、そうでありたいと日々思っています。 そこで経験豊富な先...
「やさしい日本語」は本当にやさしいのか検証してみた 分かりやすさが重視された地震報道 2024年1月1日夕刻、能登半島地震発生。お正月にダラダラとTVを見ていた私に飛び込んできたのは、避難を促す目立つテロップと「津波からの一刻も早い避難」をとの女性アナウンサーの力強い呼びかけでした。一気に緊張が走りました。 その後もTV画面には日本全国の地図テロップ、津波の到達予想時刻の表が表示され続けました。 ...