日本語教師になるには資格は必要?
令和元年に「日本語教育の推進に関する法律」が施行され、日本語教育界は大きな動きを見せています。
従来は日本語教師というと留学生向けの学校で働くというのが一般的なイメージでした。
しかし、当サイトの「日本語教師の働き方」をご覧いただけばおわかりになるように、日本語教師が活躍する場は非常に多様化し、また、それに対応できる日本語教師が求められています。
日本語教師の資格とは?
通常、日本語教師の資格と言っているのは、「在留資格「留学」に係る日本語教育機関で教えるための条件を満たすこと」のことです。(2020年11月現在、日本語教師の国家資格はありません。国家資格創設の動きはありますが、スケジュールは未確定です。)
以下にその条件を法務省告示基準から抜粋します。
- イ 大学(短期大学を除く。以下この号において同じ。)又は大学院において日本語教育に関する教育課程を履修して所定の単位を修得し,かつ,当該大学を卒業し又は当該大学 院の課程を修了した者
- ロ 大学又は大学院において日本語教育に関する科目の単位を26単位以上修得し,かつ, 当該大学を卒業し又は当該大学院の課程を修了した者
- ハ 公益財団法人日本国際教育支援協会が実施する日本語教育能力検定試験に合格した者
- ニ 学士の学位を有し,かつ,日本語教育に関する研修であって適当と認められるものを 420単位時間以上受講し,これを修了した者
- ホ その他イからニまでに掲げる者と同等以上の能力があると認められる者
つまり、留学生向けの学校以外で日本語を教える場合、資格は必須ではありません。
ただ、留学生向けの学校以外のところでも、一定の日本語教育に関する知識とスキルを有していることの担保として、上記の条件を満たすことが求められる場合も多いです。
そこで、当サイトでも上記の「ハ 公益財団法人日本国際教育支援協会が実施する日本語教育能力検定試験」と「ニ 学士の学位を有し,かつ,日本語教育に関する研修であって適当と認められるものを 420単位時間以上受講し,これを修了」について、以下の記事でご紹介しています。ぜひご参照ください。
資格なしで日本語教師になるには
上記のように、いわゆる日本語教師の資格が必要なのは、留学生向けの学校だけです。よって日本語教師資格がなくても日本語教師として活躍できる機会も多くあります。
留学ビザ以外で日本に滞在している方向けの学校、ボランティア日本語教室、海外の日本語学校、また近年急増している日本語のオンラインレッスンスクール、CtoC語学のサイトなどで個人で日本語を教える場合などは、資格は必須ではないことが多いです。
ボランティアとオンラインレッスンに関しては以下の記事に詳細があります。
ブログ記事:日本語教師になるには~オンラインレッスン日本語教師になる~
ブログ記事:日本語教師になるには~ボランティアで日本語を教える~
ただし、資格がいらなくても日本語教師としての知識やスキルは必要です。
独学で学ぶも良し、また資格のためでなく勉強のために養成講座に通うことを検討してもよいでしょう。
本サイトでは未経験の方、資格がないかたでも日本語が教えられるようになるための実践的な日本語教師になるためのオンライン動画講座を用意しています。
420時間も通う余裕はない!という方のために実践に必要な知識だけを凝縮した自分のペースで進められるコースとなっています。是非ご活用ください。
定期的にワークショップも開催していますのでぜひご活用ください。
公認日本語教師ー新しい日本語教師の資格ができる?
新しい日本語教師の資格は、「公認日本語教師」と呼ばれるそうです。まだ議論が始まった段階で、詳細も実施時期の目処もたっていないようです。
これまで日本語教師の資格、養成には法務省、文化庁、大学などがかかわり、国として一本化した政策、教育の質への責任があったとは言えない状況でした。まだ道半ばではありますが、国としてしっかり取り組み始めたことは日本語教育界にとって、また何より日本語を学ぶ学習者にとっては良いことでしょう。資格にご興味のある方は引き続き動静に注目してみてください。