選ばれる日本語教師になりたい!

選ばれる日本語教師になりたい!

日本国内で暮らす外国人が増え、日本語教育の需要が高まり、日本語を学ぶ目的やニーズが多様化する昨今ですが、皆さんはどんな日本語教師でありたいですか。

学校の講師でも企業派遣講師でもオンライン日本語講師でも、やっぱり「選ばれる」日本語教師でありたいですよね。そして、働く場所は自分で「選びたい」ですよね。そんな日本語教師であるためのキーワード、私は「専門性」かなと思っています。

皆さんは日本語教師ですから、「専門性がある人」というと、「日本語教育の関する専門知識をもっている人」をイメージするかと思います。でも日本語教師で専門知識をもっていないのに活躍している人なんていませんから、もちろん日本語教師の専門知識があるのは大前提とします。

ただ昨今、日本語教師は増加しています。つまり、日本語教師としての専門性をもっている人が増えているということです。ですから、私たちがより選ばれる/選べる日本語教師になるためには、他の講師との差別化を図ることが求められます

今日は「選ばれる/選べる日本語教師になるために差別化を図るってどういうこと?」「私の専門性って何?」をテーマに考えてみたいと思います。

①「日本語教師×〇〇」で広げる

日本語教師の皆さんは、なにかしらの「日本語教師×〇〇」を持っている人が多いかと思います。皆さんの「〇〇」はなんですか。パッと思いつくでしょうか。

まずパッと思いつくのが「日本語教師×外国語」ですね。教え方が直説法だったとしても外国語の知識があるというのは大きなプラスです。英語は話せる方も多いですが、中国語、韓国語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、タイ語、ベトナム語と話せる人が少なくなるにつれて希少価値が高まるので、より差別化が図れますね。まあ需要と供給のバランスはあるので、そんなに単純な話ではありませんが…。

でも、話せる言語は何語でもいいのかなと私は思っています。日本語教師を目指すきっかけを先生方に伺うと、ご自身の留学経験や駐在経験(または帯同)がきっかけという方が多いです。

もちろん外国語が「話せる」ということ自体にも価値がありますが、価値はそれだけではありません。彼(彼女)らは外国語を学ぶ大変さや面白さ、素晴らしさを知っています。そもそも「外国語を学ぶこと=その国の文化や歴史を学ぶこと」です。これはある程度真剣にその国の言葉と向き合わないと感じることができません。

外国語を学ぶことが他国/他者を知り自分の世界を広げることになることだと知っている人は、私たちの目の前にいる日本語学習者にもそれを感じてほしいと思っていたり、学習者の視点でものごとを捉えることができます。これが「日本語教師×外国語」の付加価値だと私は思います。

今回は「日本語教師×外国語」を取り上げましたが、他にも「日本語教師×金融」「日本語教師×幼児教育」「日本語教師×キャリアコンサルタント」「日本語教師×ICT」「日本語教師×ライター」などなど「日本語教師×〇〇」はたくさんあります。

日本語教師は何歳からでも目指せる職業と言われます。他の業界でプロとして活躍した経験は必ず日本語教師としての幅を広げる上でプラスになるからです。転職で日本語教師になった方は「×〇〇」を複数持っているはずです。この「×〇〇」=自分の強みを理解し、活かし方や活かす場所を考えている人は、選ばれる/選べる日本語教師にぐっと近づけるのではないでしょうか。

 

②「自分にしかできないこと」を深める

ちょっとここで私の話を少し・・・。

20年前、私の日本語教師のキャリアのスタートは日本の専門学校でした。その学校は学生の入学条件がN2合格、私は中〜上級クラスばかりを何年も担当していました。そして、次に働いた学校でも担当するのは上級ばかり。「初級をちゃんと学校で教えたことがない」が長年のコンプレックスでした。

今でこそ初級から上級レッスンまで一通り教えられるようになりましたが、一通りやってみてわかったことは、私は上級レベルの日本語を教えるのが好きで得意ということです。そして、これは「自分にしかできないこと」かもということにも気がつきました(ちょっと大袈裟ですが…笑)。

もちろんゼロ初級〜上級レベルまで満遍なく教えられることには大きな価値があります。対応できるレッスンの幅が広いというのは強みです。でも、すべてを極めるのはそれなりに時間がかかります。上級クラスのスペシャリストとかJLPTのスペシャリストがいてもといい思いませんか。(※注:ニーズがないところには仕事もありませんので、所属先の方針や業界のトレンドは知っておいてくださいね)

「自分にしかできないことがある=代替する人材がいない」には価値があります。なんでも極めれば、唯一無二の存在になれ、そこに価値が生まれます。なので、自分の付加価値を高めるために、得意や好きを見つけて専門性を深める決断するのも一考です。

 

日本語教師としてどうありたいか

私は日本語教師になって20年がたちますが、立ち返るところはいつもココかなと思っています。つい日々のレッスン準備などに追われて忘れがちですが、皆さんにもときどき思い出してほしいなと思います。そして、自分の強みや好きも再確認して、ぜひキャリア戦略を立てていただきたいです!

日本語教師に限らずですが、専門職やフリーランスで働く人たちは「どういう存在でありたいか」と日常的に考え、専門性を磨いて差別化を図っています。

この「日本語教師としてどうありたいか」がクリアーだと、「求められていることは何か」「私にはどんな価値が生み出せるのか」「プロとしてどんな価値を提供できるのか」「そうするために私はなにをすべきか」が見えてきます。ゴールが定まれば取り組み方が変わります。その方法は①の「広げる」でも、②の「深める」でも、①と②のハイブリットでもいいのです。そうやって縦糸と横糸を紡いでいくうちに、面になって守備範囲が広がってきます。

自分の専門性を追求しながら、ぜひ「私らしい働き方」を見つけてください。Enjoy working, enjoy life!

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