「つつ」ってどんな時、どう使う？

「つつ」は「ながら」とほぼ同じ意味だけど、書き言葉的。

と言ったそばから、非文が出てきてしまい「チーン」なんてこと、ありませんか。でも、先生、テキストには同じってあるから・・・。

そうなのよ、でも、ちょっと違うのよ、、、（汗）

皆さんは、こんな時どうしますか。非文を訂正する際に「これは逆説のときに、、、」みたいな文法説明をすると余計にわかりにくいので、例文で違いを見せていく必要があります。

「どの文法項目とどういう動詞とがセットになりやすいか」レベルが上がるにつれて、ここが重要なポイントになってきます。

まずは、Coto講師の皆さんに例文をバーっと挙げてもらったあとで、２つに分類してみました。

「つつ」意味と例文

逆説

1. ダメだと思いつつ、お菓子を食べてしまう。
2. 臭いと知りつつ、つい嗅いでしまう。
3. よくないと知りつつ、ネットの記事をコピペしてしまった。
4. 早く寝なきゃと思いつつ、ゲームがやめられない。
5. 宿題をすると言いつつ、youtubeを見ている。
6. 甘いものは太るとわかりつつ、食べてしまう。
7. 学生の文を前に違和感を感じつつ（も）、棚上げにしてしまう（ことなきにしもあらず）。
8. 既婚者と知りつつ、会ってしまう。
9. 信じつつも、一度嘘をつかれたことがあるから、どうしても疑ってしまうんだよね。
10. もうこれでやめにしようと思いつつ、ついつい手が伸びてしまう。

※ 前件・後件の主語は同じですね。話し手の心理と行動が違うときに使います。「前件、でも後件」、たとえば「思っているけどできなかった」、「わかっていたのにやってしまった」などといった状況です。

というわけで、前件は話し手の心理がくることが多く、「感じる、思う、知る、考える、わかる」などの言葉がよく使われます。後件は話し手の後悔や我慢できずにしてしまったことを述べます。「逆説」かつ「同時進行」であり、両者の関係は不可分のようです。

こちらは「ながら」でも言い換えられますが、逆説の意味で使う場合、「つつ」のほうが多く使われているような気がします。

同時進行

1. 眠気と戦いつつ、ドラマの最終回を見ている。
2. 親と相談しつつ、留学先を決めようと思う。
3. 失敗を重ねつつ、一人前の日本語教師になっていく。
4. 感染者数を睨みつつ、今後の営業展開を考えて行きたいと思っております。
5. 大切な人の無事を祈りつつ、急いで帰国便に乗り込んだ。
6. 海外の情勢も確認しつつ、今後の対応を考えたい。
7. 素材のよさを活かしつつ、新しい形の日本料理を提案してきたい。
8. 当館ではのんびりと食事や温泉を楽しみつつ、ゆったりと寛ぐことができます。
9. 今後、台風は速度を速めつつ北上を続ける予想です。
10. 少数意見にも配慮しつつ、考えていかなければいけない。