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日本語由来の外国語『外行語』
先週のコトハジメでは英語由来以外のカタカナ語(外来語)についてのコラムを書きましたが、今週はその逆、日本から外国に渡った言葉(外国語に借用された日本語)『外行語』をシリーズ番外編ということで、見ていきたいと思います。一般的に日本独自のものや風習、コンセプトなどが「外行語」になっているようです。ちなみにこの「外行語」、読み方がわからないし、変換も一発ではできません・・・。
オックスフォード英語辞典にはこの『外行語』が約500収録されています。今回はアルファベットになっているものを中心に見ていきますが、もちろん欧米圏だけではありません。日系人などが多い地域や東南アジア諸国でも日本語由来の外行語が多くみられますし、和製漢語などもそうですね。こちらはまた次の機会に。
というわけで、まずは日本の魅力を総称する「クールジャパン」の代表選手、日本の食と文化を見ていきましょう。みなさんはどんな『外行語』をご存知ですか?
食べ物編
「washoku=和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されたのが2013年。また、2002年に5番目の味覚として認定された「umami=うま味」も国際語として認知されつつあります。現地風にアレンジされているところも多いですが、和食が食べられる”izakaya”は海外でも人気です。そして、食いしん坊な友人が “betsubara” もあるよ、と教えてくれました。笑
ほかにも、食材から料理名までたくさんあります。例えば、、、
wasabi(わさび)・tempra(てんぷら:でも元はポルトガル語 or スペイン語)・ramen(ラーメン:”ramen” は日本スタイルのものを指す。中国のものとは別物)・udon(うどん)・soba(そば)・miso(味噌)・edamame(枝豆)・shitake(椎茸)・daikon(大根)・teppan-yaki(鉄板焼き)・yakitori(焼き鳥)・teriyaki(照り焼き)・tonkotsu(とんこつ)・matcha(抹茶)など。
このジャンルはいっぱいありすぎて挙げきれませんね。和食が世界中で愛されていることがよくわかります。
日本文化編
日本の伝統文化やスポーツのkabuki(歌舞伎)・ikebana(生花)・bonsai(盆栽)・kendo(剣道)・karate(空手)・judo(柔道)などは広く知られています。日本人の美意識を表すwabi-sabi(侘び 寂び)も有名です。
geisha(芸者)・samurai(侍)・ninjya(忍者)あたりは定番の人気キャラ!? でも、欧米系の方は拗音が言えない人が多いようで、「にんじゃ」は「にん(に)ゃ」のように発音されています。
そして、今回取り上げたいのはサブカル系(日本で言うサブカルチャーとはアニメやアイドルなど大衆的文化のこと)です。otaku(オタク)・manga(漫画)・anime(アニメ)・seiyuu(声優)・kawaii(かわいい)・sugoi (すごい)・cosplay(コスプレ:和製英語)・hentai(変態)・emoji(絵文字)・tsundere(ツンデレ)など。
これは先日、同僚の先生に聞いたのですが、最近 “isekai”(異世界)ということばが浸透しつつあって、異世界転生することを“get isekai’d” というそうです。世界に誇る日本のオタク文化、推し活ブームもキテますね〜。
その他、ぜひシェアしたい外行語5選
ikigai
先週のコラムの続きになりますが、同じニュース記事の中に「いきがい」という言葉がありました。これを見た欧州出身の学習者が、『Ikigai』という本がヨーロッパで流行っているんですよ〜と教えてくれました。インドにいた先生もここ最近ずっとベストセラーだと言っていたので有名なことばのようですね。クラスのメンバーに”Ikigai chart”なるものをシェアしてくれました。非常に興味深い概念図ですので、ぜひググってみてください。
kaizen
別の中級クラスで「改善する」ということばを導入したところ、英語でも”kaizen”といいますよ〜と。”kaizen”は日本の製造業界で使われている考え方でトヨタ自動車が発祥の言葉。業務やプロセスを見直す言葉として日本はもちろん海外でも重要視されてきた概念です。日本語の「改善」は一般名詞ですが、カイゼンおよび”kaizen”は固有名詞として使われているという点で違います。
karoshi
“karoshi”は文字通り働き過ぎて亡くなることを指します。このような言葉が外国に広まるのは、、、という感じは否めませんが、不名誉な言葉もいくつかあります。”hikikomori” などもそうですね。コロナ禍で外国人の新規入国を制限してきている日本を学生は「鎖国だ!」とよく言っています。この状況を表すのにこれ以外の言葉は見当たらないといった感じです。”sakoku” が辞書に載る日も近いのでは。
mottainai
環境分野で初のノーベル平和賞を受賞したケニア人女性ワンガリ・マータイさんが、環境を守る世界共通語として「MOTTAINAI」を提唱したことがきっかけで世界に広まった言葉。これも、英語に変換できないわけではないけれど100%同じ意味ではないとか説明が長くなるということで、日本語のまま使われている言葉ですね。”mottainai”が地球環境保護の言葉として使われているのは日本人としては誇らしいことではないでしょうか。
tsundoku
こちらも学習者に教えてもらった言葉です。これは漢字にすると「積ん読」で、買ったのに読んでいない本がたくさんあるという意味です。本好きの方ならあるある〜とうなずいてしまうような事象ですね。はじめて聞いた時は「とりあえず積んどく?」みたいなことかなと思ったのですが(笑)。誰が広めたのか、いやあ面白い。なんと2018年にBBCでも取り上げられ、市民権を獲得しつつある言葉です。
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