「太り気味」と「太りがち」は同じ意味!?
- 最近、太り気味なので、ダイエットしている。食事制限のせいか、ちょっと疲れぎみ・・・貧血気味だし・・・。
- 冬は動かないので、太りがちです。巣ごもり生活は運動不足になりがちですね。座りっぱなしの生活は足がむくみがちになります。そんな疲れがちの体にこの一本!
おっとっと、なんだか絶不調・・・実にネガティブな文になってしまいました。「がち」と「ぎみ」、どんなことばと一緒に使うか、どのような状況で使うか、もう少し例文を出して見てみましょう。
がち
- 助詞の間違いは日本語学習者にありがちだ。とくに、この動詞は助詞を間違えがちだ。
- スミスさんは宿題を忘れがち、遅刻もしがちで、どうも勉強に身が入らないようだ。
⇨間違い、宿題忘れ、遅刻などの回数が多い、何回も…という感じがしますね。
- 季節の変わり目は体調をくずしがちです。
- 夫は牛乳を飲むとお腹をこわしがちです。
- 最近野菜が不足しがちのせいか、お腹の調子が悪い。
- 外食ばかりだと栄養がかたよりがちだから、気をつけたほうがいいよ。
- ストレスが溜まっているせいか、自律神経が乱れがちだ。
⇨マイナスの意味を持つ動詞が使われることが多そうですね。
職業「あるある」
- ラーメン屋さんは、タオルはちまきしがち。写真にうつる時、腕組みしがち。
⇨ 決して、ディスっているわけではありません。でも、そう聞こえてしまうのは気のせい?!
- ちょっとしたことでも深刻に受け取ってしまいがち。
- くよくよといつまでも悩んでしまいがちです。
気味
<例文>
- 先生、今日は風邪気味なので休みます。
- 歓送迎会など飲み会が続いていて、少し太り気味です。
- ヨーロッパで行われているワールドカップの中継を見ているので寝不足気味です。
- 最近、うちで仕事をしているせいか、公私のバランスが崩れ気味です。
- ちょっと日本語の勉強をサボり気味じゃない?
- ちょっと前まで大人気だった高級食パン、最近では人気が下がり気味だね。
- 最近ちょっと貧血気味で、立つとめまいがするんです。
- 最近、昔の友達の名前を忘れ気味…。まずい、お年頃!?
⇨こちらも「がち」同様、マイナスの意味がある動詞がよく使われます。例文をあげていくと、どの例文も「最近」ということばと相性が良さそうです。どれも今の状態を言っていますね。
⇨「風邪気味」は「あれ、なんだかだるい」「熱っぽい」、「太り気味」は「あれ、ズボンが入らなくなった」「やばっ、きつい」など、「なんかいつもと違う感覚なんだけど〜」「あれ、変わっちゃった!?」と、自分の体や心で感じた感覚、変化を表現するときに使われています。
⇨「今日は風邪なので休みます」「貧血で・・・」と言われたら、聞き手は「病院でそう言われたのね」と思いますね。「ぎみ」をつけると、はっきり言い切ることを避けられます。日本語独特な曖昧な感じになって、日本人にとっては便利な表現です。
⇨「ちょっと」「少し」「やや」と一緒に使うことが多く、その変化は低程度にとどまっていることが多そうです。
「太りがち」と「太り気味」のニュアンスの違い
というわけで、タイトルの「太りがち」と「太り気味」、どちらもマイナスのイメージで「〜という傾向がある」という点では共通していますが、やっぱりニュアンスが違います。
「太りがち」は一般的な傾向を客観的に述べているのに対し、「太り気味」は自分の体や心で感じた一時的な状態の変化を主観的に述べています。
いろいろ例文を書き出して見ていったら、ニュアンスの違いの正体が見えてきました。みなさんのモヤッと、晴れましたか?最初の例文に出てくる「疲れがち」と「疲れ気味」、「忘れがち」と「忘れ気味」もこちらで説明できそうですね。
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