英語だと思っていたら違ってた・・・和製英語(後編)

英語だと思っていたら違ってた・・・和製英語(後編)

和製英語をリストアップしはじめたら、スポーツ、医療、職業など幅広いジャンルでたくさんあり大変なことになってきました。いやあ、キリがない。外来語まで含めたカタカナ語と言ったら、もう膨大で数えられません。

カタカナ語の使用については「カタカナ語の氾濫」「日本語の乱れ」「伝わらない」など否定的な意見も多々ありますが、、、そんなことはお構いなしにカタカナ語は日々増大しています。コロナにまつわる言葉ひとつとってもそうですね。「オーバーシュート」「ロックダウン」「クラスター」「パンデミック」「ステイホーム」「東京アラート」「ソーシャルディスタンス」などなど。

国際化の進展や新技術の開発などに伴って、新しい概念やニュアンスの提示などカタカナ語を使用せざるをえない場合があります。また、カタカナ語を用いた方がその日本語訳よりも分かりやすい場合もあります。

日本人の中でも和製英語は誤用として否定的に捉えられることが多いです。でも、これは歴とした日本語、日本の文化と言えるのではないでしょうか。ある程度柔軟にいきたいものです。

今回は『英語だと思っていたら違ってた・・・和製英語(前編)』の続きをお届けします。

 

和製英語を造る際にパターンがあるもの

冒頭で使用した「リストアップ」も和製英語ですね。

「〇〇+アップ」「ノン+〇〇」「ノー+〇〇」「マイ+〇〇」などは和製英語をつくるのが簡単で、しかもどんなものか簡単に想像がつくので、よく使われています。

「〇〇+アップ」「〇〇+ダウン」

レベルアップ、スキルアップ、モチベーションアップ、ランクアップ、キャリアアップ、バストアップは和製英語です。もちろん「ピックアップ」「キャッチアップ」のように正しい英語がそのままカタカナ語として使われているケースもあります。

「レベルアップ」「スキルアップ」はその応用形と言えるでしょう。

「〇〇+ダウン」だとイメージダウン、コストダウン、スピードダウン、ペースダウン、レベルダウンなどが和製英語です。

 

「ノン+〇〇」

ノンシュガー、ノンカフェイン、ノンオイル、ノンカロリー、ノンアルコール、ノンスモーキング、ノンキャリ、ノンストップなどがありますが、これらも和製英語です。

英語で「〜抜きの」と言いたい場合は“free”を使います。sugar free, caffeine free, alcohol free, 100% smoke freeとなります。コーヒーの場合は”decaf”もよく使われていますね。

「キリンフリー」、サッポロの「プレミアム アルコールフリー」など日本でも商品名に“free”がついているものもあります。これが正しい言い方です。

 

「ノー+〇〇」

ノースリーブ、ノータイ、ノーメイク、ノーカウント、ノーコメント、ノータッチ、ノーヒットノーラン、ノーカラーファンデなど「ノー〇〇」という言い方を日本ではよくしますが、これらも和製英語です。日本語と組み合わせて、「ノー残業デー」などもありますね。ノーマスクで歩ける日が来るのはいつのことやら・・・

 

番外編

「〇〇+シップ」・・・スキンシップという言い方はありません。これはかなり違和感があるようです。スポーツマンシップ、リーダーシップ、メンバーシップという英語の影響なのでしょう。スキンシップは英語ではphysical contact、body contactと言います。

 

食事・台所関連の和製英語15

買い物や食事、生活で使う和製英語はあまりにも私たちの生活に馴染んでいるので、全く違和感がありませんが、英語話者にこれらの言葉を言っても通じません。同じ言葉でもニュアンスが違うことがあるので、注意が必要な場合があります。

アイスコーヒー iced coffeeか、今流行りの水出しコーヒーならcold brew coffeeです。ちなみに、”hot coffee”も言いません。hotとわざわざ言わなくても、通常は熱いコーヒーが出てきます。
レモンティー tea with lemon(ミルクティーも同様で、tea with milk)
そもそも紅茶にレモンはおかしいという説も・・・
ミネラルウォーター ペットボトルに入っている(買った)水はbottled waterです。bottled waterでも普通の水はstill water。これは海外ではsparkling waterを頼む人が多いから!?水道水から出る水(無料の水)はtap waterです。
ジュース 英語で”Juice”と言ったら、果汁を使ったフルーツジュースや野菜ジュースのこと炭酸が入っているもの(ジンジャーエールやコーラ)は”soda”と言います。
ゼリー イギリス英語ならjellyで問題なさそうですが、アメリカ英語だとジャムのようなものになります。いわゆる日本のゼリーは ”jello”、アメリカでは『Jell-O』という商品名での言い方が定着しています。
レトルト食品 “retort”という言葉はありますが、レトルト食品という言葉はほとんど使われません。英語だとready-to-eat meals, instant meals, microwave mealsなど色々な言い方があります。
ショートケーキ 英語では全くの別物で、ショートブレッドやビスケットを意味します。海外には生クリームとイチゴを使ったお馴染みのふわふわのショートケーキはありません。

最近は漫画やアニメの影響で日本のものが海外でも普及しているので、Japanese strawberry shortcakeと言えば、通じることもあります。

アイス 英語でアイスは氷のこと。棒付きのアイスキャンディーはpopsicle、アイスクリームは英語でもice cream。ちなみに、シャーベットは英語でsorbet。
パン bread(フランス語の「pain」、スペイン語でも「pan」)ちなみに、ホットケーキは英語だとpancake(パンケーキ)
コンロ stove (gas stove:ガスコンロ / electric stove:電気コンロ)ちなみに、暖房器具の「ストーブ」は “heater”
電子レンジ microwave
ビニール袋 plastic Bag、紙袋はpaper bag, マイバッグは和製英語ですが、エコバッグは英語でもeco-bagなので通じます。
テイクアウト 英語だとto go, take away が一般的。(「お持ち帰り」の“take out”は一般的ではないというだけで、一応通じる英語です)
店内で食べるときは “for here”ということが多いです。
バイキング buffet(フランス語からきている)
ペットボトル plastic bottle

PETはpolyethylene terephthalate(ポリエチレンテレフタレート)の略。これは英語でもPETと略されますが、普通「ピー・イー・ティー」と読まれていて、「ペット」と読むことはありません。

 

服関連の和製英語15

海外旅行などに行って服を購入される方は知っておくといいですね。

ズボン フランス語の”jubon”が由来、英語ならpants, slacks
トレーナー sweatshirt
パーカー hoodie
ノースリーブ sleeveless
英語では-less「…のない」で終わる言葉が多くあります。
ワンピース ワンピースもドレスも英語ではdress
ワイシャツ white shirtの略のようですが、スーツに合わせるならdress shirt
チャック・ファスナー zipper
YKKによると、「巾着(きんちゃく)」をもじって、ファスナーを「チャック印」として販売したところ評判になり、「チャック」という名前が定着したとのこと
ビーチサンダル flip flops
パンツ underpants, underwear
マフラー scarf
オーダーメイド made-to-orderからきていますが、tailor-mad、custom-madeが一般的
ラフな格好 casual clothing, comfortable style
英語でrough clothesだと「汚い服装」や「汚れてもいい格好」というイメージになってしまいます。
ジャストフィット! just fitには「私にピッタリ」「ちょうどいい」というニュアンスははありません。fit well, fit perfectlyという言い方をします。(*参照)
フリーサイズ 英語ではこの言い方はせず、one size fits all
サイズの言い方

(S・M・L)

Sサイズ、Mサイズ、Lサイズとは言わず、英語ではsmall size, medium size, large sizeと言います。
「Sサイズ」と言っても最終的には通じると思いますが・・・

*”just”(ジャスト)のニュアンスは日本語と英語でだいぶ違いがあります。日本語では12時ジャスト、1万円ジャストなど「ちょうど」という意味で使いますが、英語のjustは「ほんの」という意味です。

update 2022/10/13

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