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日本語文法の基礎 動詞
日本語の動詞(分類)
動詞はいろいろな切り口で、分類することができます。
1.能態動詞・状態動詞 「走る」は能態動詞・「ある」は状態動詞
2.意志動詞・無意志動詞 「食べる」は意志動詞・「降る」は無意志動詞
3.自動詞・他動詞 「(ドアが)開く」は自動詞・「(ドアを)開ける」は他動詞
4.本動詞・補助動詞 「食べている」では「食べる」本動詞で「いる」が補助動詞
5.単純動詞・複合動詞 「取る」は単純動詞・「取り出す」は複合動詞
6. 瞬間動詞・継続動詞 「楽しむ」「成長する」は継続動詞・「座る」「発見する」は瞬間動詞
7.その他
授受動詞「あげる・もらう」移動動詞「行く・飛ぶ」相互動詞「結婚する・約束する」
日本語の動詞は他の言語同様、動作・作用・状態・存在などを表す。
日本語では動詞がさまざまな形に変化する(活用する)。
丁寧な形(「食べる」→「食べます」)、否定や過去などの時制(例:「食べます」→、食べません、食べました)だけではなく、可能・使役・意向など(例:「食べます」→ 食べられます、食べさせます、食べよう)も動詞の活用、「動詞の活用形+文型表現」で表す。
また、2つの節を接続するとき、前の節の動詞が関係に応じて形を変える。(例:「食べます」→ 食べるとき、食べたら、食べるので)
動詞のグループ分け
動詞の活用の観点から、動詞は3種類に分類される。ここでは、「Ⅰ・Ⅱ・Ⅲグループ」と呼ぶが、テキストによっては「u-verb、ru-verb、 irregular verb」などという呼び方もある。
また、文末は丁寧体: polite from(例:食べます)と普通体:plain form(例:食べる)のいずれかの形で表現できる。
Ⅰ:「ます」の前の1字が「i」で終わるもの 例:行きます、待ちます、買います
Ⅱ:「ます」の前の1字が「e」で終わるもの 例:食べます、寝ます
※例外「ます」の前の1字が「i」で終わるもので、Ⅰグループではないもの
例:見ます(「ます」の前が1音の時)、起きます
Ⅲ:2つのみ ・・・します、来ます
日本語教育では、動詞のグループ分けの仕方をルールで教え、大きく1)動詞の「ます形」からグループ分けをする、2)動詞の「辞書形」からグループ分けをする、の二つのパターンがある。
*日本人がグループ分けをしたいときは、ない形(否定形)を作った時に、ないの前の文字(活用語尾の先頭)が変化すれば1グループ、しなければ2グループと判断するのが一番簡単である。
<例>
「食べる」→「食べない」2グループの動詞
「飲む」→「飲まない」変化するので1グループの動詞
初級前半ではじめに学習する動詞の活用
動詞の活用ー基本的な4つの形
・ます形: 食べます
・辞書形: 食べる
・て形 : 食べて
・ない形: 食べない
外国人が日本語を学習する際は、これらの活用形をひとつひとつ順番に学んでいく。テキストによって提出順は下記の2種類がある。
1)「ます形」を最初に提示し、「ます形」からそれぞれの活用形の作り方を学習する
2)「辞書形」を最初に提示し、「辞書形」からそれぞれの活用形の作り方を学習する
現在形 | 現在否定形 | 過去現在形 | 過去否定形 | ||
Ⅰ | 行きます (ます形) |
行きません | 行きました | 行きませんでした | 丁寧形 |
行く (辞書形) |
行かない (ない形) |
行った (た形) |
行かなかった | 普通形 | |
Ⅱ | 見ます | 見ません | 見ました | 見ませんでした | 丁寧形 |
見る | 見ない | 見た | 見なかった | 普通形 | |
Ⅲ | 来ます | 来ません | 来ました | 来ませんでした | 丁寧形 |
来る | 来ない | 来た | 来なかった | 普通形 |
「て形」 te-form
「て形」は日本語文法ならでは活用の分け方である。他の文型と一緒に用いて、さまざまな意味に使われるもので、日本語学習には必須アイテムの一つ。「て形」は初級の学習者にとって最初の難関ポイントだ。
「て形」の作り方
*「て形」を作るときはⅠグループの動詞を5つに分ける。
種類 | 辞書形 | て形 | 例 | |
Ⅰグループ | く | ⇨ | いて | 書く→書いて |
ぐ | ⇨ | いで | 脱ぐ→脱いで | |
む・ぶ・ぬ | ⇨ | んで | 飲む→飲んで 呼ぶ→呼んで 死ぬ→死んで | |
う・つ・る | ⇨ | って | 買う→買って 待つ→待って 取る→取って | |
す | ⇨ | して | 話す→話して | |
Ⅱグループ | る | ⇨ | て | 食べる→食べて 見る→見て |
Ⅲグループ | する→して | |||
来る(くる)→来て(きて) |
「て形」を使った初級文型例
1「〜てください」依頼
・どうぞ、たくさん食べてください。
2「〜ています」進行中の動作
・今、友達を待っています。
3「〜てもいいですか」許可を得る
・これをもらってもいいですか。
4「〜ていただけませんか」丁寧な依頼
・意味を教えていただけませんか。
5 「〜てみます」
・もう一度、やってみます。
*その他:「て形」関連のブログ記事
「ていく」と「てくる」、「てある」と「ておく」、「ている」と「てある」
*「て形」を学習することによって、「た形」も簡単に作ることができる。(食べて⇨食べた、書いて⇨食べた)
*Ⅰグループの動詞の「て形」への活用が複雑な理由は、歴史的に音便という現象が起きたため。音便とはある音がイ、ウ、ン(撥音)、ッ(促音)に変わる現象のこと。(例:イ音便「書きて」⇨「書いて」)
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