意外とややこしい「~てしまった」を考える 以前『日本語教師のキモ!例文作成』でレッスン前には準備が大切ということで、例文作成から文型分析の手順について「〜てしまった」を例に挙げたのですが、今回は「〜てしまった」をもうちょっと深掘りしてきたいと思います。 本日の深掘りポイントは、「~てしまった」はどんな時に「完了」になり、どんな時に「残念・後悔」の気持ちを表すのか、です。 「〜てしまった」のポイント...
例文トレ#11 本日のお題「なんとかする」 今回は語彙編の応用編で「なんとかする」について考えたいと思います。対語である「なんとかなる」は、けっこうどの言語話者にも伝わりやすい概念だと思うのですが(the Beatlesも”Let it be”と歌ったように)、「なんとかする」のほうでいつも説明に窮してしまいます。 「なんとかする」って一体何をすることなんでしょうか。これを...
中級文法コラム24 似ている言葉② せっかく vs わざわざ A:いや~ やっぱりローマは見どころが多いですね。 B:そうですね。わざわざローマまで来たんだから、世界遺産、見られるだけ見たいですね! A:あ、え? ええ… 世界遺産もいいんですけど、せっかくローマに来たんですから、おいしいイタリア料理でも食べに行きませんか? B:イタリア料理なんか日本でも食べられるじゃないですか。ロ...
「つつ」ってどんな時、どう使う? 「つつ」は「ながら」とほぼ同じ意味だけど、書き言葉的。 と言ったそばから、非文が出てきてしまい「チーン」なんてこと、ありませんか。でも、先生、テキストには同じってあるから・・・。 そうなのよ、でも、ちょっと違うのよ、、、(汗) 皆さんは、こんな時どうしますか。非文を訂正する際に「これは逆説のときに、、、」みたいな文法説明をすると余計にわかりにくいので、例文で違いを...
中級文法コラム23 「にとって」「からすれば」 その国の人にとって当たり前のことでも、外国人からすれば不思議に思うこと、理解できないことがあります。例えば、ラーメンを食べるときにズズッと音を立てて食べること。外国人にとっては不快なことのようですが、日本人からすれば麺類はすすって食べるほうが食べやすいですね。日本人にとってはそばなどをよりかっこよく食べる方法がすするで、それが粋な食べ方...
「~ませんか」と「~ましょうか」は同じ意味!? 人を誘うときの「ませんか」と「ましょうか」って、私たちはどう使い分けているのでしょうか。初級の最初のころに出てくる表現で一見簡単そうなのですが、対人関係に配慮した表現なので、実際使うとなるとちょっと注意が必要です。初級でどう教えたらいいか、いっしょに検証してみましょう。 例1 A:お1人ですか?いっしょに飲みましょうか。 B:いいですよ。 例2...
例トレ#10 本日のお題「楽(らく)」 先月に引き続き、学習者に説明するのが難しい語彙、または学習者がうまく使えない語彙シリーズ、本日のお題は「楽(らく)」です。 まずは辞書から。デジタル大辞林で「楽(らく)」の解説を見てみましょう。 心身に苦痛などがなく、快く安らかなこと。また、そのさま。「気が―になる」「―な姿勢」「どうぞお―に」 生計が豊かなこと。また、そのさま。「不動産収入で―な暮らしをす...
「さえ」と「すら」の使い分け 「さえ」と「すら」はほぼ置き換え可能で、意味の上では、とくに違いはないようです。どちらも良くないことに使うことが多く、話し手の意外な気持ちを表します。 「すら」は書き言葉的で、一般的には「さえ」のほうがよく使われる、というのが定説です。 ちなみに、「さえ」はN2の文法、「すら」はN1の文法です。 あらら、終わっちゃう・・・ いやいや、「さえ」「すら」で違う言葉があるっ...
中級文法コラム22「としたら・とすれば・とすると」 A:1000万円持っているとしたら、何買う? B:う~ん。1000万円持っているとしたら、ポルシェ買う。 A:ポルシェ1000万円じゃ買えないよ。 B:え… 1000万円じゃ買えないとすると、ポルシェが買えるのは本当にお金持ちなんだね。 A:まぁ、Bさんが買えるとすれば、整備不良の中古のポルシェじゃないかな。 あ~あ、...