日本語文法ブログ

日本語文法:「可能動詞」、使いこなせば日本語の達人?!

使いこなすとなると、結構難しい「可能動詞」 「可能動詞はいつ使うんですか」ちょっと驚くこの質問、しかしこの質問を受けたことは日本語教師人生の中で一度や二度ではありません。活用形の名前にも「可能 potential」とついているし、日本語教師としては「可能形」ほど、意味や機能について説明不要な活用形はないと思いきや、国や言語の違う学生にとっては実は使いこなすのは、けっこう難しいのではないかと思ってい...

日本語文法:「ば形+てください」の文型から見えてくる、条件節文の制限

「ば形+てください」の文型から見えてくる、条件節文の制限 日本語の条件節には、「と」「ば」「たら」「なら」があり、学生はもちろん、先生方も、違いの説明に戸惑うことも多いかと思います。 「ば」のほうが意志が強い(絶対条件)など、主観的なニュアンスなどで説明するより、接続のルールなどテクニカルな切り口で説明したほうが絶対に簡単・簡潔だと思うので、まずはそのルールを見つけるべく、今回は「~ば、てください...

語彙の誤用の理由を探ろう:「おそい」編

「おそい」の誤用の理由を探る 初級語彙の中でも誤用が多い 「おそい」は初級語彙で、かつ日常語彙でもあるため、一見簡単そうに思えますが、実は学生の誤用が多い語彙でもあります。初級の学習者のみならず、中級以上の学習者でも、正しい使い方ができない学生が多くいるのではないでしょうか。 どうして誤用が多いのか。その大きな理由の一つに「訳語(英語の場合、’late’, ‘slow’と、二つの異なる意味の訳が出...

日本語語彙表現:困ったときのオノマトペ ~故障編~

困ったときのオノマトペ ~故障編~ 「あれ?なんか変だ…」どう伝える? 「なんかガタガタ音がするんです」「脱水の時、キュルキュルって音がしてるんですよ」 もしこんな訴えを聞いたら、「あぁ〜洗濯機が故障しかかっているな」「修理の人に見てもらった方がいいかも」と思うでしょう。 もちろんこれらの不具合を「変な音がする」「大きな音がした」「何か引っかかっているみたい」など、オノマトペを使わずに言うこともで...

日本語文法:予定の「つもり」と「ようと思っている」の違い&練習方法

予定の「ようと思っている」と「つもりだ」の違いをどう説明するか 学生からのよくある質問 初級教科書「げんき」では、10課で「つもりだ」、14課で「ようと思っている」、「みんなの日本語」では31課で2つの文型を同時に学習します。 2つの文法を習った時点で学生からよくある質問が、「(どちらも予定ですが)違いは何ですか」です。 ではなぜ学生からこのような質問が出るのでしょうか。原因は3つほどあるように思...

日本語文型「~ていく」が動画メディアで多用される訳

動画メディアによって見えてきた、日本語文型「~ていく」の機能!? いま使われている言葉を注視する 私は言葉の移り変わりを観察するのが好きです。いいとか悪いとか、正しいとか正しくないとかを見るのではなく、語彙にしても文法、文型にしても、「お、なんだこの使い方、新しい~☆彡」と気づくことに喜びを見出しています。そのような意味でも、YoutubeやInstagramは、新しい表現の宝庫です(今のところ、...

日本語文法、学習者に聞かれたらこう答える:「は」と「が」の違い

聞かれたらこう答える:「は」と「が」の違い ■突然くるから怖い質問 学生に「突然聞かれたら困る質問」第一位(coto調べ)に君臨する「は」と「が」の違い。とりわけこの質問は初級の学習者から聞かれることが多いのではないでしょうか。授業の流れを止めず、初級レベルでも、媒介語なしでも、わかりやすく簡潔に答えられる方法(first-aid)について考えてみました。 ■まずはこれだけ 「は」も「が」も、それ...

日本語文法:終助詞「よ」が気になる「よ」!

終助詞「よ」が気になる「よ」! 「よ」「よ」「よ」って何回言うの~ 今日は、私が最近気になっている表現について、ちょっとお話ししたいと思います。それは終助詞の「よ」について。もともとはYoutube界隈の、Youtuber用語だと思うのですが、「新しい××食べるよ」「新しくできた××、行くよ」「いま注目の××するよ」etc…ビデオの中には「よ」「よ」「よ」のオンパレード。 例えば簡単・...

日本語文法:肯定・同意の「そうです!」は、どう使う?

「な、なんか変なんだけど…???」 クラスでのアイスブレーキングや、雑談の中で、学生がふと発した一言に違和感を覚えつつも、すぐに直せなかったことはありませんか。 なぜ直せないのか。主な理由は、以下のようなものでしょうか。 ・会話の流れを断ち切れなかった。 ・あくまでも雑談。それゆえ相手が気持ちよく話しているのを邪魔するのは気が引けた。 ・「訂正⇒説明」というフローには、ある程度まとまった時間が必要...