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日本語教師の先輩体験談~ブラジルで日本語を教える~
現在ブラジルで日本語教師として活躍中の日本語教師Fさん(30代女性)にお話しを伺いました。
ブラジルへこれからいく、今ブラジルに住んでいる!などもし連絡を取りたい方がいらっしゃったらご連絡ください!とのこと。
F先生と連絡を取りたいかた、どうぞ編集部までご一報ください〜。
ブラジルへ行ったきっかけ
大学でポルトガル語を専攻し、一年間、交換留学生としてリオ・グランデ・ド・スル州カトリック私立大学(PUCRS)で勉強しました。留学先では、主に文学部と歴史学部の授業を受けました。
その際、クラスメイトだった今の主人と出会いました。留学終了後に日本に戻り、大学を卒業し、日本の企業で働きました。紆余曲折がありつつも、5年後に主人と結婚、永住権を取得し、2011年にブラジルへ引っ越しました。
日本語教師になったきっかけ
留学から帰国後、日本にあるブラジル人学校で日本語を教えるボランティアをしていた際、日本語教師という仕事に興味を持ちました。ただ、大学卒業後すぐに日本語教師としてのキャリアをスタートさせるのではなく、企業で働いたほうがいいと思い、百貨店の総合職として入社しました。それでも、気持ちのどこかにはお金を貯めて、いずれ海外で働きたいとの思いがありました。
数年後、主人と結婚し、ブラジルへ行くことになったため、勤めいていた会社を退職し、420時間の日本語養成講座を受講しました。それと同時に、留学をしていた大学には当時「日本文化研究所」がありましたので、そこに連絡を取りました。偶然、空きが出た直後だったため、運よく、就職先を見つけることができました。
ブラジルでの現在の仕事
現在は大学の講師+フリーランスとして主に5つの仕事を掛け持ちしています。
1.大学の講師
勤務している大学で働き始めた当時は「日本文化研究所」がありましたが、そこが無くなり、現在は社会人向けの多言語の公開講座を運営する「言語センター」で働いています。
<レッスンと学習者>
学期によりますが、週に4コマ~6コマ程度(1コマ90分)担当し、学習者は大学生や社会人がほとんどです。ポルトガル語を使った間接法で教えています。最近の傾向としては、定年退職された方が履修することが増えてきたため、大学側が60歳以上の方のみを対象としたクラスも開講しています。
<待遇>
一般の日本語学校は時給R$25~R$30が相場ですが、大学の公開講座を時給に換算するとその2倍以上です。また実際の授業時間以外にも準備の時間(例:授業3時間+準備時間30分)に対しても給料が支払われます。ただ、そこから20%程度、税金で引かれます。
2.大学の日本文化コーディネーター
日本文化のイベントを企画、運営するコーディネーターをしています。最近では、国際交流基金のサンパウロ日本文化センターと共催して、「日本文化ウィーク」と題したイベントを行いました。和太鼓のワークショップや日本映画の上映など、日本文化に直接触れられる内容で、大変好評でした。イベントの責任者として、校内の他部署との連絡、出演交渉、当日の司会進行など全てを引き受けるため、大変ですが、とてもやりがいがあります。
3.オンライン日本語レッスン
Coto Online Japanese Lessonsなどを通して、主にビジネス日本語のオンラインレッスンを担当しています。Coto Online Japanese Lessons以外では、企業から外国籍社員や内定者向けのビジネス日本語やライティングのコースを業務委託の形で依頼されるケースがほとんどです。
<きっかけ>
百貨店で働いていた際、通常業務の他に、クレーム対応をしていました。店頭や電話でお客様の怒りが頂点に達したとき、上司や先輩の代わり(生贄…)としてお客様の前に出て行き、対応する仕事です。最初はトイレで泣いたりもしましたが、次第に慣れていきました。それと同時にどんな場面でも対応できるビジネス日本語のスキルが上達しました。これを使わない手はない!と思い、日本語教師に転職後、オンラインビジネス日本語の研修を受けたり、実際に外国籍社員や内定者にオンラインで教えたりすることにより経験を積みました。
4.通訳、翻訳
日本の企業がブラジルに視察に来る際、通訳として同行したり、日本のテレビ局がブラジルで撮影する際のコーディネーターをしています。
5.個人レッスン
元生徒や知り合いの口コミで学習者の方から連絡をいただくことがほとんどです。営業する時間がないので、本当に感謝しています。現在はすべてオンラインレッスンのみで、1時間1レッスンが基本です。
ブラジルで日本語教師をしてよかったこと
日本では経験できないような仕事をすることができます。例えば、コーディネーターや通訳の仕事などです。日本人が少ないため、頼られることが多く、やりがいが感じられます。
そして、仕事の掛け持ちのいい点ですが、現在ブラジルレアルのレート(2020年9月現在R$1=約20円)がよくないため、日本円で収入があるのは大変助かっています。
ブラジルで日本語を教える際大変なこと
ブラジルと日本の企業から仕事をいただいているため、連絡するツールや謝礼の請求方法が各機関で異なります。例えば、毎日パソコンを開けたと同時に約8種類のツールをオンにします。さらにそこに家事、娘二人の育児、妻としての役割も加わるため、毎日フル回転です。
ブラジルで日本語教師として働くことを検討されている方へ
ブラジル人はとてもフレンドリーで、リアクションも大きいため、授業が進めやすいです。また教師と生徒の距離が近いため、どんどんリクエストを出してくれます。
悪い点は、治安の面で、常に危険を察知しながら、行動しなければいけません。また現在、インフレで物価が高騰し、ドル、ユーロ、円に対してレートが悪くなっています。
もしブラジルで働くのであれば、日本円やドルで収入源を確保しておいたほうがいいです。
ただ、事前準備さえしっかりすれば、充実したブラジル生活を送ることができますよ。
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