日本語教師の働き方 海外編~台湾~

日本語教師の働き方 海外編 台湾

台湾で日本語を教えたい!その時にどんな選択肢があるでしょうか。いくつかご紹介します。

台湾で日本語学校といえば「補習班」

求人のほどんどはこの補習班と呼ばれるものです。補習班というのは、日本でいえば、子供向けの学習塾や大人向けのカルチャースクールのようなものの総称です。正規の学校教育以外の学ぶ場所を補習班と言っています。

日本語補習班で学ぶ人は大学生や大人が多いです。出勤前に勉強する人のための早朝クラスや仕事帰りに勉強する人のための夜間クラスが主ですが、夏休みなどの長期休暇には高校生や大学生向けの昼間のクラスが増えます。

求人サイトを見ると日本語教師資格があることを条件にしている場合が多いですが、現地では中国語を学ぶ日本人留学生を資格がなくても雇っている場合もあります。ただし、補習班の教師としてビザを取得する場合は大学卒業程度の学歴が必要です。 

日本語パートナーズ

日本語パートナーズというのは独立行政法人国際交流基金のプログラムです。アジア各国の 中学・高校などの日本語教師や生徒のパートナーとして 授業のアシスタントや日本文化の紹介をします。 パートナーズは専門的な知識は必要ありません。

(詳細はこちら https://jfac.jp/partners/ )

台湾では公益財団法人 日本台湾交流協会が委託を受け派遣事業を行っています。 

大学、高校などの公的教育機関

求人は少ないですが、中学・高校などの正規の学校教育での日本語授業を担当する日本語教師もいます。

台湾で働くための準備編

台湾で働くのに必要なビザ

働くところが決まればビザは手配してくれるので心配いりません 。必要な書類をそろえるだけです。日本人の場合はビザ取得はさほど難しくないでしょう。

ただし年齢は20歳以上、補習班は大卒以上、公的教育機関なら教員資格が必要です。

台湾に住む

住むところも、働くところが決まればたいていは手配してくれます。

台湾にはワンルームは少なく、独身の間は日本で言うファミリータイプのマンションを数人でシェアするのが一般的です。寝室は個室ですが、居間やバス・トイレ・キッチンは共用となります。

台湾の中国語を学ぶ

都市部では英語が話せる人も日本語が話せる人も多くいます。中国語が全く話せなくても生活はできます。しかし台湾のことを理解しようと思えば、多少の中国語は学んでから行った方がいいでしょう。

台湾で国語と言っているのはいわゆる北京語と基本的には同じ言語です。ただし、発音はかなり特徴があります。日本人にとっては聞き取りやすい発音です。その他に台語と呼ばれるものがあります。こちらは中国の福建語とほぼ同じで、南部に行くと台語使用率は高くなります。少数ですが客家語を話す人たちもいます。 

事前に日本で中国語を勉強する場合は北京語を勉強すればいいです。ただし、大陸の中国語がローマピンイン(発音をローマ字で表したもの)を使うのに対して、台湾はボポモフォ(注音符号)というまったく異なる記号を使うという問題があります。ボポモフォを覚えるのはそれなりに時間も必要ですので、台湾に行ってから検討してもいいでしょう。

台湾の歴史を知る

親日家が多いことで知られる台湾ですが、日本の侵略の歴史については学んでおくべきです。日清戦争後に始まる日本による長い植民地支配に関しては、台湾人は日本人より良く知っています。

また、1972年の日中国交正常化から、日本と台湾は正式な国交がありません。よって大使館もありません。ビザ発給業務は大使館ではなく台北駐日経済文化代表処、公益財団法人日本台湾交流協会がそれぞれ所管しています。

 

その他

日本から持って行くべきものは常備薬以外ほとんどありません。日系のデパートもありますし、日本の物は何でも手に入ります。ただし、値段は少し割高です。電子化されていない日本語のテキストや参考書は少し持って行ってもいいでしょう。

台湾でのレッスン

中国語交じりの直接法

台湾でのレッスンはほぼ直接法というスタイルが多いです。

日本語教師がみんな中国語がペラペラなわけではありませんから、日本語で日本語を教えるという直接法スタイルになります。しかし日本国内の日本語学校と違って学生は多国籍ではなくみんな台湾人で、みんな中国語がわかります。ですから必要に応じて中国語で説明したほうが効率がいいです。

漢字指導が不要

漢字の指導をしなくてもいいというのも漢字圏の国で教える場合の特徴となります。もちろん台湾の漢字は繁体字と呼ばれるもので日本の漢字とは少し違いますが、改めて時間を取って書く練習をするということはまずありません。読み方とことばの指導のみとなります。漢字学習の分の時間を会話練習に充てられるので、会話が達者な台湾人は多くいます。

日本語を学ぶ目的

日本留学を希望する人は少数派です。留学先として人気なのはアメリカをはじめとする英語圏です。

日本語を学ぶ動機はビジネスのため、また単に好きだから趣味として学んでいるという人がほとんどです。

まとめ

海外で日本語を教えたいと思った時一番おすすめできる国の一つが台湾です。

まず第一に、治安がいいです。日本とほぼかわらない感覚で過ごせます。第二に親日家が多く、人々はとても親切です。日本の物と情報があふれていて、大抵のものは手に入るため不便がありません。第三に物価が安いです。特に食費と交通費、医療費が安いです。給与水準は日本より少し低いですが、出費も抑えられるので日本語教師の給料でも十分暮らすことができます。

「哈日族(日本好きの若い世代を指す言葉)」が流行った2000年前後をピークに、現在は日本語学習熱は冷めつつあります。しかし、お隣である台湾は、日本語教師の働く場所としては今後も一定の需要と人気を保つでしょう。

 

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